軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

EP 5

【開発】Sランク食材で作る『本気のハンバーガー』と『黒い炭酸水』

ジュワァァァァァ……!!

地下倉庫に、暴力的なまでに食欲を刺激する音が響き渡った。

簡易コンロの上に置かれた大鍋。その中で踊っているのは、カイトが持ち込んだSランク食材『爆裂ポテト』だ。

「……いい音だ」

鬼神・龍魔呂が、真剣な眼差しで揚げ具合を見つめる。

「この芋は、加熱すると内部のデンプン質が爆発的に膨張する。二度揚げすることで、外はカリッ、中はホクホク……いや、トロトロのクリーム状になる」

ザルに引き上げられたポテトは、神々しい黄金色に輝いていた。

そこに、岩塩とブラックペッパー、そして隠し味の「魔法コンソメ」を振りかける。

ファサッ……。

立ち昇る湯気と香りだけで、見守る男たちの喉が鳴った。

「くぅぅッ……! あの匂いだけで白飯が食える……!」

「揚げたてのポテト……俺たちが最も遠ざけられていた『油の化身』だ……!」

フェンリルとデュークが、金網越しにポテトを見つめて震えている。

だが、龍魔呂は手を止めない。

「次は飲み物だ。……カイト、炭酸の準備は?」

「うん! アレンくんの魔法を封じ込めた『強炭酸水』があるよ!」

龍魔呂は別の鍋で煮込んでいたドロリとした黒い液体――シナモン、バニラ、クローブ、そして『魔界コーラの実』を煮詰めた特製シロップを、氷の入ったグラスに注いだ。

そこに、強炭酸水を一気に注ぎ込む。

シュワワワワワッ……!!

弾ける泡。広がるスパイシーで甘い香り。

黒く輝くその液体は、まさに『悪魔の 黒水(クラフト・コーラ) 』。

「……見たか。これが、ルナ様の推奨する『果汁100%』の対極にある、『糖分とカフェインの暴力』だ」

「ごくり……」

ルーベンスが眼鏡を曇らせながら唾を飲む。

脳が、その黒い水を求めて悲鳴を上げている。

「そして……メインディッシュだ」

龍魔呂が取り出したのは、赤身と脂身が黄金比で混ざり合った、『エンペラー・バッファロー』の挽肉だ。

いや、挽肉ではない。包丁で粗く叩いた、肉の食感を残したパティだ。

「つなぎ(パン粉)など使わん。肉と牛脂、そして塩胡椒のみ」

熱した鉄板に、厚さ3センチはある巨大なパティを叩きつける。

ジュウゥゥゥゥゥゥゥッ!!!

爆音。

部屋中に充満する、焦げた肉と牛脂の匂い。それは原子的な本能を揺さぶる、抗い難い誘惑。

「ひっくり返すぞ」

龍魔呂が手首を返した。

こんがりと焼き目のついた表面。溢れ出す肉汁。

その上に、濃厚なチェダーチーズを二枚重ねる。

トロォォォ……

肉の熱でチーズが溶け出し、パティを黄色いマグマのように覆い尽くす。

バターをたっぷりと塗ってトーストしたバンズに、特製オーロラソース、厚切りベーコン、そして 肉(パティ) をオン。

ドンッ!

完成したのは、高さ15センチを超える『ギガ・カロリー・バーガー』。

「……完成だ」

龍魔呂が額の汗を拭った。

「『背徳のジャンクフードセット ~深夜の飯テロスペシャル~』」

揚げたて爆裂ポテト(Lサイズ相当)

自家製クラフト・魔界コーラ(氷キンキン)

肉汁溢れるダブルチーズバーガー

その圧倒的なビジュアル。

茶色と黄色と黒のコントラスト。

野菜? そんな緑色の物体はピクルス一枚しか入っていない。

「す、すげぇ……」

カイトが目を輝かせて拍手した。

「これだよ! これが僕たちの求めていた『毒』だよ!」

「匂いが……匂いがたまらん……!」

「理性が……本能が……食わせろぉぉぉ!」

男たちがゾンビのように群がろうとするが、ルーベンスが制止した。

「待て! これは我々が食べるのではない! 囮(おとり) だ!」

「分かっている!」

龍魔呂は扇風機を取り出し、換気ダクトに向けた。

そのダクトの先は、リベラが執務を行っている「理事長室」へと繋がっている。

「行け……! 脂と糖の匂いよ! 鉄壁の風紀委員長を陥落させてこい!」

ブォォォォ……!

扇風機の風に乗って、悪魔的な香りがダクトへと吸い込まれていく。

深夜の飯テロ作戦。

その第一撃が、今まさに放たれた。