軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

雑談配信をするよ!

いやーマジ大変だった。

いろんな人たちに群がられた俺は、登録しただけで結局帰ったわけで。

葵ちゃんにも心配されたけど、まあ無事家に帰れたから良かったわ。今度の探索で潜る人を探しているけど、そんな余裕なかった。

ってか、どうして俺があんなに騒がれたんだろう。この世は不思議だらけだ。

葵ちゃんとは逸れるみたいになっちゃったけど、後でチャットが来た。

葵ちゃん:すみません、すっごいバタバタしちゃいましたよね

:ああ、全然大丈夫! こっちこそなんかごめん。

葵ちゃん:とんでもないです。あの、ところで景虎さんは、ダンフェスには参加されるご予定ですか?

:ダンフェスって、あの特大イベントだよね。俺とかが参加していいのかな

ダンフェスのことは知ってるけど、流石に俺みたいな新人じゃ厳しくね? と思っていたが、葵ちゃんはそうは思ってないらしい。

葵ちゃん:景虎さんならきっと活躍できますよ!

:そ、そうかなー。

葵ちゃん:絶対そうです。良かったらまたギルドでお会いしましょう

:ああ、じゃあね

どうやら相当買い被られてしまったみたいだ。まあ、参加できるならしたいけど。あまりに慌ただしい一日に翻弄された俺は、家に帰るとさっさと寝てしまった。

そんな大変な目にあった次の日、俺は雑談配信をすることにした。

今回はノートPCで配信をしてみる。スペックの低いやつなので、普段より画質は悪くなってしまうがしょうがない。

一応PCにゴーグルも繋いだ。ミリアのサポートがあるとやっぱり助かるし。

「よし……もうちょっと……」

『配信スタートです』

「うわ!? び、ビックリしたぁ。お、こんばんはー! カゲチャンネルです」

いつも唐突なAIボイスに驚きつつも、雑談配信は無事スタートした。画面を見ると、もうコメントが沢山届いてるっぽい。

:ばんわー!

:うお、今日は雑談かー

:とうとうこの日がキター!

:待ってたよぉおおカゲチャンネルぅう!

:三日前から待機してたお

:こんばんは

:ばんちゃー

:初めての雑談じゃね?

:聞きたいことが山ほどあるんだわ

:意外にもイケメン

:どんな雑談になるか楽しみ!

:いえーい!

:カゲちゃん!

:葵チャンネルから来ました

:これが話題のあの人か

:こんばんはーーー!

:やあ

:き、来たあああああああ

:イケメンじゃん

やっば。挨拶だけでこんなにチャット欄が賑わうなんて、予想以上だったんだけど。

でも、ここで怯んでいる場合じゃない。

「みんな、今日は配信に来てくれてありがとう。今回は以前から希望してくれてた、雑談配信をするよ! それで、どうすっかな。まずは自己紹介か」

ちらっと同接を見たら、もう十万を超えちゃってる。以前よりも人が増えるペース早くね!? なんか心臓がドキドキしてきちゃったし。

「名前は竜牙景虎。歳は二十二で、今年大学を卒業したんだ。でも入ったばっかの会社で速攻クビになっちゃってさ。それでしばらくダンジョン探索で生活を凌いでたっていうか。思ったより稼げるからビックリしてるっていうか」

うーん。何を喋っていいのか分からん。とりあえずは簡単なプロフィールを伝えてみたんだけど、場が冷えちゃうかなぁ。

しかし、チャット欄を見るとそんなこともなかった。というか、めっちゃ沢山質問が来てる!?

:意外と普通w

:サブスクってなんですか?

:ミリアちゃんについて詳しく

:今五月だけど、一ヶ月くらいでクビになったってこと?

:会社クビになるの早すぎて草

:レベル幾つ?

:探索者レアリティは?

:召喚ガチャって何?

:探索者昔からやってたの?

:こないだのダンジョンキーについて教えて

:つーかサブスクの話が謎すぎて、早く聞きたかったんよ

:レベル幾つ?

:彼女いますか?

:葵ちゃんとはどういう関係?

:みんな質問しすぎだろw w

:リベリオンに入ったって噂だけどマジ?

:そういえば、アイと知り合いだって本当?

:自己紹介を聞くだけだと、なんか悲惨

:AIミリアちゃんは?

:葵ちゃんを助けた時、ノエル有栖川とは会った?

:質問ラッシュやばすぎて草

:やっぱ一番気になるのサブスクなんだよなぁ

……な、なんだよこれ。

ここまで質問責めにあうなんて思ってなかった俺は、チャット欄を呆然と見ていて喋りが止まってしまう。

「あ、あー。どっから答えればいいのかな。サブスクはその、配信機材のゴーグルを買った時に登録したんだよ。月三千円で、すげーお得だって店員のおばあちゃんに勧められて。ログボとかもあるし、かなり得してる! ってか、サブスクって普通にあるらしいよ。知らない?」

:海外にはあるってこと?

:三千円の割にはサービス良すぎないか??

:店で登録したんかw

:え、そのお店めっちゃ気になる

:ないない。サブスクなんて見たことないって

:ええええ?

:ログボって……アプリじゃないんだから

:やっぱおかしい!

なんか誰も信じてないんだが。この後も反論の嵐がコメント欄に吹き荒れてる。

「なあミリア。みんなサブスクなんて知らないって言ってるぞ」

『探索者用のサブスクは、まだまだ世間に浸透しておりません。視聴者の反応は予想の範疇と言えます。あと数ヶ月もすれば、おそらくサブスクは常識になるでしょう』

最近ミリアにそう言われると信じてしまう自分がいる。なんか怖い!

でもAIの割にはいつも気を使ってくれてる感じがするし、詐欺とかだったらこんな優しくないよなぁ。

それにサブスクがあったから、今までダンジョンでヤバイ敵にあっても生き残れたわけで。

とか考えていたら、続いてこんな質問が目に止まった。

:進化の洞窟とやらに行ったらしいけど、実際進化(?)できたん?

進化……ああ、あれか。

「進化っていうか、上昇したよ! サブスクの機能で探索者レアリティがRからSRに上がったんだ。この前のイカの王冠を使った!」

この時、チャット欄が数秒間止まった。

あれ? 俺なんかまずいこと言った。そう焦りを感じた時、今度は猛烈なチャットの爆撃が来た!

『同接が二十万を超えました。また、ハイパーチャットが多数届いています』

「え、え、え!?」

自分の配信なのに、まったく理解できない状況になっていく。

ってか、まだ雑談始まって十分も経ってないぞ?