軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

258話 屋台は盛況だよ! 再

土産を持たせて子供たちと聖女一行は帰った。

酒を飲んだら高飛車男の腰がえらく低くなり、

「先程のご無礼をお許し下さい」

って深々と頭を下げられた。

……なんでこの世界の人間って、酒を飲むとコロッと態度が変わるのだろう?

引き換えに並んでいる人たちを入れて、営業開始。

相変わらずギルドマスターが一番だね。

「今日で最後ってホントか!?」

「冒険者たち、戻ってきたんだろう? 明日ソードと大物の依頼を片し、次の町に移る。酔い潰れない程度に飲み干しておけ。簡単な料理は孤児院の子供たちに仕込んだ。支援してやれるなら、多少は再現出来る、かもしれないだろう」

ギルドマスターが固まった後、うなずいた。

「……いろいろ、感謝する」

「いろいろは感謝される覚えはないな。我々はSランク冒険者パーティだ。義務を果たして威張り散らしている」

そう返したらギルドマスターが笑った。

聖女と高飛車男はいったん帰ったと思ったのに、また来た!

「「やっぱり飲み足りない!」」

ってさ……。

高飛車男はともかく聖女はいいのか?

いや、聖職者だってワインを飲むのは知っているけれどさ、私と変わらないくらいの年齢じゃないのかな?

それとも合法ロリなのかな?

まぁいいけど。

お酒は二十歳になってからって法律ないもんね。

いい町だった。

去りがたいが、一期一会だ。

なかなかに有益な出会いもあったし、この町の方が前回の海の町より仕入れやすい。

何よりオリーブオイルがあるもんね!

魚やダーキングオクトパスも小ぶりだし、また来よう。

王都から見ると逆方向だが、イースから考えると王都と変わらないからな。

最後に孤児院に寄って食べ物を寄付し(日持ちのする干し肉や干し野菜干し果物もあげた、干すと旨味が増すことを子供たちに教えた)、懐いていた少年少女たちが泣き出したので頭をなでて、去る。

さて、依頼を片付けたら内海をぐるっと回ってみるか。

ソードもブロンコでぶっ飛ばしたいみたいだしね。

リモンたちはシャール・ノンバイオレンス・キッチンバージョンに住んでもらう。

基本は追随機能で自動運転だ。

一応運転を教えたが、もう少し練習してもらってから運転してもらわないと、事故が怖い。

シャノンは白と青緑でアクセントカラーがマゼンダのワンボックスタイプ、いわゆる『キッチンカー』的な外観にした。

リョークの絵もあっちこっちに描いてポップな感じにし、前側は乗車席兼寝床、後ろ側がキッチンとなっている。

すごく狭いがシャワールームもついているぞ。

椅子やテーブル他荷物を収納する倉庫、食器洗浄機と冷蔵庫冷凍庫、流し台にコンロが六個、自動エールサーバーシードルサーバー(エールサーバーはボタンを押したら適量つぐ泡を足すまでやるし、シードルも高い位置から細長く適量つぐ)、ウォーターサーバーは熱湯と冷水が出て、レジスター脇に展示用ラック(用途により保温保冷機能付き)とメニュー(読める人がいるかは別として)、とどめに自動殺菌洗浄清掃機能付き!

お掃除が簡単!

ただ、全てをキチッと所定の位置に全部戻し食べ物飲み物を外に出しておかないことって但し書きがあるけれど!

と、トータル半日程度で作った割には高機能に出来た。

完成品をソードが見た途端、

「お前、こんなのが作れるんなら、作れよ!!」

って怒られた。

「むぅ……。別世界ではむしろ、リョークやシャールの方が喜ばれるのだがなぁ」

そう言ったら、アマト氏がリョークやシャールを見て動じなかったどころか盛り上がったのを思い出したらしい。

「……そういや、あの二人、魔獣型シャール作れとか言ってたよな……」

某となりの謎生物のアニメに出てくる猫型のバスだな。

シャール・ノンバイオレンス・キッチンバージョンをポンポンたたいて指し示した。

「コッチは、別世界ではありきたり、町中で見かけるタイプなのだ。アマト氏やスカーレット嬢が見ても『ふーん』で終わる。シャールやリョーク、ブロンコは、まず間違いなくお目にかかれない、あるとしたら展示場……ゴーレムや魔導具の最先端技術をお披露目する催しでしか見かけないのだよ。

夢を持って作っているのは、リョークやシャールの方なのだ。ブロンコはなくもない、くらいだな。あることはあるのだが……すごく高価だった。屋敷にあるシャノンは、別世界でかなり初期に作られた四輪ゴーレムを参考にし、スカーレット嬢に貸したのは後期型だな。スカーレット嬢に運転の英知があったので、その知識を活かせるような型にしたのだ」

ソードが目をパチクリさせている。

「……そっか。だからお前はリョークとシャールをあの形にしたのか」

「まぁ、シャールはちょっと悪ノリしたが、後悔はしていない。リョークはかなり明確な意思……いや夢だな、夢を持って作ったのだ」

ソードが黙ったと思ったら、なでてきた。

「……そっか。わかったよ。まぁ、別に俺も嫌いじゃないんだけどよ、なんつーか、お前やアマトやスカーレットはコレを見慣れてるのかもしんねーけど、俺からしたらコッチを見慣れてねーから、カッコいい走る家みたいで、好きなんだよ。シャールとかリョークって生き物みたいだから、なんつーか、仲間みたいな感じでゴーレムとは思えねぇっつーか」

シャールもしゃべるからな。

「私としては、シャール・ノンバイオレンス・キッチンバージョンを魔獣型にしてもかわいかったかなとは思うのだが、材料と時間が足りないので突貫工事で作った。お前はこういった〝メカニック〟……いかにもゴーレム、みたいな感じのが好きらしいが、私は記憶にあるのでつまらないのだ。この世界の私でしか作れないものを作りたいのだよ。リョーク、シャール、ブロンコは、私でしか作れない夢と浪漫を詰め込んだゴーレムなのだ」

「そっか」

ナデナデナデナデ。

ソードを見たら、優しい目……お父さん的な感じで私を見ていた。