軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

150話 そのメイド、多忙につき

桜のせいで紹介当初は反応が鈍かったアマト氏、その後エルフとドワーフに気づいて食いついた。

「うわーーーーー! エルフとドワーフじゃん! ファンタジーの極み! しかもエルフちゃんマジ奇麗すぎーーー!」

だよねー。

美少女エルフのプラナちゃんに心を撃ち抜かれた様子だったが一応、釘を刺しておいた。

「あ、アマト氏。エルフとドワーフは妖精で、この世界って、人間が人間以外と交尾すると死ぬらしいから、気をつけてな?」

伝えたら衝撃を受けたアマト氏。

「……ま、マジか? もしかして俺、この世界に来ても、未使用のまま?」

とか聞いてはいけなかったような呟きが聞こえてきた。

――――彼は、魔法使いに至る人かな?

「い、いや、その、人間なら、わからないし、そもそもアマト氏は別世界人だ。この世界の理を逸脱してるかもしれないから、交わっても死なないかも知れないぞ?」

「死ぬかもしれないじゃん!」

うん、まぁ、そうね。

そのプラナちゃんとサハド君にせき立てられて、早速工房作り。

なんか、創作意欲が湧いてきて、いろいろ作りたいらしい。私も作りたくなったら一緒に作りたいし、立派なのを作ろうと思う。

で、いろいろ出来る工房を適度にくっつけ距離を置きながら作りましたよ。ここで物作りに興味がある使用人が数人手を挙げ、助手になった。

サハド君、すぐに数枚皿を焼いてくれて、こんな感じ、ってのを料理人に見せに行った。

「ほほう! なるほど、これはシンプルで、鮮やかな料理を乗せたら引き立ちますな!」

「全て銀食器は、私としては品がない。金はもっとだ。料理が主役なのに、食器がギラギラと主張してどうする。確かに、毒に反応するためとは言うが、毒性の食材をそもそも使っていない。なら、必要ないんだ」

料理人も気に入ったようで、いろいろ大きさや形を伝えに行った。

その後は、私と酒造りチームとが参加し、蒸留器の作成開始!

まず、気化の概念を説明し、固体、液体、気体の変化も教え、これを踏まえて、魔導具を作成する。本当は魔導具じゃなくてもいいのだけどね。だって、別世界、魔導具じゃなかったもん。

火を使って焚けばいいので、まずはその装置を作り、仕組みが分かったところで魔導具にする。

仕組みが分かってれば、壊れても、私がいなくても、魔導具にしなくても、装置は作れるし、酒も造れるから。

ソードはサハド君の護衛で町の外を散策、ここら辺で材料が採れるか見回るそうだ。

ベン君はまだ帰ってきてない。それこそいろいろ仕入れながら売りながら戻ってきてるのだろう。

……と、帰ってきてからも忙しくしてた。

そうして過ごしていたら、メイド嬢の一人が倒れた。

慌ててベッドに寝かし、看病する。

症状を聞き、最近の生活を聞いた後、舌診、脈診、触診、判断。

「過労だな。疲れて腎臓肝臓が弱っている。血液の循環も悪く、水毒で目眩を起こしたんだろう」

たぶんね。私、直伝で教わりはしたけど本職じゃないから。

……やっぱり、人手が足りないらしい。

「そんなに頑張るな。倒れるほど働いてほしくないぞ」

「……申し訳、ございません。体調管理のなってない私の責任です」

「ならば、きちんと休め。人手が足りないなら、手の届かないところは放置しろ。何も毎回完璧に仕上げることはないんだ。そもそも、私が帰ってきたら魔術でどうとでも出来るのだから、手を抜いていいんだ」

寝かしつけつつ説教する。

「……とにかく、お前は休暇だ。とりあえず一週間は安静にしろ。様子を見て、延長する」

メイド嬢、絶句。

「そんな……!」

「そんなもこんなもあるか。過労は、死に至る病だぞ! 私の知識では、放っておくと倒れたまま目を覚まさず、死ぬ。だから、きちんと身体を休めて、体調を整えてから復帰しろ。無理をしてまた倒れられたら困るのだ!」

説得したが、泣いてしまった。

うーむ、これがワーカホリックか。だが、働き過ぎは許さん!

しょうがないので、いろいろ一時中断し、屋敷を取り仕切った。

私は、やろうと思えば出来るのだ。やると「使用人の仕事を取り上げないように!」って怒られるからやらないだけで。

今の私は一般人の十倍くらいの速さが出そうだし。――たぶんもっと出るけど。

看病もしてやってるが、他のメイド嬢に「サリーが泣くので止めて下さい」とか言われる。

なぜだ⁈