軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第12話

重機として活動したあと、私たちは村長さんに案内され、村の集会所のような場所へと集まった。

そこにあったのは――

「チーズフォンデュ……!」

――とろとろのチーズとおいしそうな野菜たち!

机の上に並べられた食材に思わず「ほぅ」とため息が漏れた。

鍋に入れられたチーズは小さな火で温められており、クツクツと音を立てる。

一口サイズに切られたパンや野菜に灯りが当たり、キラキラと輝いた。

「こんなものしか用意できず申し訳ないんじゃが、村の名物でのぉ。ヤギのチーズを使っとるんじゃ」

「へぇ! ヤギのチーズなんですね……!」

どうやらあの大集合のヤギで村の名物のチーズを作っているらしい。

「野菜も村で作ったものなんじゃ。どうぞ食べてみてください」

村長さんがニコニコと笑いながら、イスを勧めてくれる。

ザイラードさんとレジェドとシルフェ、クドウとコウコちゃん、ついでに猫王子とチーズの入った鍋を囲むように座った。

「コレ、タベテイイノカ?」

「うん、レジェド。いいんだって」

「オレ、アレ!」

「これはソーセージだね」

「ボク、肉ガイイ!」

「うんうん、シルフェはお肉が好きなんだね」

「ワイハナンデモエエデ」

「じゃあ、パンから行っとく?」

「私はあの小さい卵がいい!」

「うずらの卵かな? なにかの鳥の卵なんだろうね」

イスに座った魔物たちが机の上の食材を見ながら、ワイワイと話をする。

笑顔で話していると、ふと隣から視線を感じて――

「トール楽しいか?」

――そこには優しいエメラルドグリーンの目をしたザイラードさん。

どうやら、私と魔物たちの会話を聞きながら、私を見ていたようだ。

すこし照れてしまって、そのままへへっと笑いかける。

「すみません、おいしそうで一緒にはしゃいでしまいました」

「ああ、おいしそうだな」

私の照れ笑いを見ても、ザイラードさんは呆れるようなことはなく、笑顔を浮かべて頷いてくれた。

それがうれしくて、心がふわふわと弾む。

チーズフォンデュがおいしそうで、魔物たちはかわいくて、ザイラードさんは素敵で。こういうのを、幸せって呼ぶんだろうなぁ。

思い浮かんだ言葉が、じんわりと体に広がる。

すると、猫王子が「おい!」と声を荒げた。

「いつまでニヤニヤしている! 食事は温かいうちに摂るべきだろう!」

さすが猫王子。水を差す。ハッピーライフを体感している私にもっともな水差し。

なので、話はそこまでにし、魔物たちが食べたいと言った食材を選び、鍋で温められたチーズに絡めていく。

まずはレジェドのためにソーセージを串に刺し、とろとろのチーズに入れた。

「「「「オォ……!!」」」」

クリーム色のチーズにソーセージを沈めると、みんなが固唾を呑んだ。

みんなの視線が一点に集まるのを感じながら、チーズからゆっくりとソーセージを取り出す。

「「「「ワァァ……!!」」」」

その瞬間、みんなから歓声が上がった。

チーズを纏ったソーセージが灯りを受け、キラキラ光る。たっぷりとチーズを付けたため、とろりとろりとチーズが落ちていった。

ある程度、チーズが落ちたところでレジェドの前に置かれた皿にそれを移す。

レジェドはそれを見て、うれしそうにパタパタと羽を動かした。

「コレ、俺ノ! スゴイ! 俺ノ! トール、ツクッタ!」

「いや、作ったというほどのものじゃなくてね、村の人が準備してくれたヤツの一番いいところをもらったんだよ」

「ボクモ! トール、ボクノモ、ツクッテ!」

「うんうん、シルフェはお肉だね」

イスから転げ落ちそうなほど興奮したシルフェを見て、ふふっと笑みが深まる。

お肉はサイコロステーキのようになっていて、表面は焼かれていて中心はほんのりと赤い。

それを串に刺して、また同じようにチーズに潜らせる。

「「「「オオォォ……!」」」」

ふたたび歓声が上がり、私はとろとろのチーズを纏ったお肉をシルフェのお皿に載せた。

シルフェのくるんと丸まった尾が嬉しそうにちょこちょこと揺れる。

「コレ、ボクノ! トール、ツクッタ!」

「いや、だからね、これは私が作ったわけじゃなくてね……」

「ワイノモ!」

「私のも!」

ちゃんと説明しようと思うんだけど、そこには金色のまるい目をしたクドウ、黒い目をキラキラさせたコウコちゃんが。

そんな二人のために、四角く切られたパンと小さな卵にチーズを付けて、皿に載せた。

ついでに猫王子にはマッシュルームっぽいきのこを。

私とザイラードさんは村で採れたという野菜にした。

「じゃあ、みんなに行き渡ったので、食べましょう!」

村の名物尽くしのチーズフォンデュ、いただきます!