軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

24.大団円 (次世代育成)

お胸が大きくなりました。

ついでにお腹も大きくなりました。

あれから一年半。しばらくは私が細過ぎるからと避妊していたエミディオ様でしたが、これ以上はもともとの骨格もあるから大きくはなれないとようやく納得してくれました。

現在妊娠9ヶ月目。だいぶお腹が重いです。

エミディオ様は無事伯爵位を継ぐことができました。

でも、私の誘拐事件でヤンチャをしたお詫びとして、まだ王宮でのお仕事も続けています。

出来る男は大変ですね。

私も少しずつ夫人としてのお仕事を引き継ぎ中。だったのですが、赤ちゃんが出来たせいでお義母様が私をひたすら安静にさせようとした。

ストレスは良くない!と何もさせてくれなかったのだ。

確かに悪阻の時にはとてもありがたかった。でもね、もう安定期。暇です!と訴えてもなかなか聞いてくれず、とうとうエミディオ様から注意が入りました。「アリーチェは暇な方がストレスです。適度な仕事と運動をさせてあげて下さい」と。もう大好き!

それからは程よいお仕事と気晴らしのお散歩。たまにモニカさんやディーナ様とお茶会など。とても快適に暮らしている。

エミディオ様はグイド様から色々学んでいるらしく、悪阻の時は食べやすそうな物を買ってきてくれたり、お腹が大きくなってくると、足や肩、腰などのマッサージもしてくれる。

夜は彼が大きな手で優しくお腹を撫でながら、赤ちゃんに色々話しかけたり。そんな姿を見るのが私の至福の時だ。

「あ、蹴った」

「この子は本当に元気だな」

「やっぱり男の子かしら」

「どうだろう、君みたいに元気な女の子かもな」

そうやって他愛もない話をする。

早く会いたいね。

……確かに言った。早く会いたいって。

でもそれは予定日にってことで!

「……痛い……かも」

「若奥様?大丈夫ですか?」

「大丈夫……では……ない、かも。産まれる?」

「えっ!?」

そこからは大騒動だった。

予定日よりかなり早い。横になり痛みの間隔が短くなっていく。

え、大丈夫?まだあと1ヶ月もあるのに!

怖くて仕方がない。何かあったらどうしよう。

エミディオ様が王宮から大急ぎで戻って来てくれた。誘拐された時みたい。汗だくで髪は乱れていて……私を助けてくれる人。

「アリーチェ、心配ない。私達の子だ」

そう言って優しく声を掛けてくれる。

助産師さんに汚いから着替えて来なさい!と叱られ、すぐに追い出されてしまったけど、エミディオ様が来てくれたおかげで恐怖心が薄れた。

「大丈夫ですよ、少し早いですが、お母様が小柄でいらっしゃるから、少し小さく産まれた方がお産が楽になるって考えて出て来ようとしてるのかもしれません。きっと優しい子ですよ」

助産師さんがそう言って励ましてくれた。

優しい子……うん。だってエミディオ様の子だもの。優しいに決まってる。私達の子だもの。強いに決まってるわ!

それからは長かった。こんなに辛くて大変だなんて!

エミディオ様がいてくれてよかった。ずっと手を握り、励ましてくれた。

……お母様は一人だったのかな。あのゴミ屑が側にいるはずもない。それでも頑張って私を産んでくれた母への感謝と尊敬に涙が出た。

「大丈夫か?」

「…、ん、頑張る、もうすぐ会えるもの」

産まれたのは翌日の朝、エミディオ様によく似た男の子。

……痛かった。死ぬかと思った。

でも、

「生まれて来てくれてありがとう」

嬉しくて涙が溢れた。

「二人とも頑張ってくれてありがとう」

エミディオ様が私と赤ちゃんにキスをしてくれる。

彼も涙目だ。きっと親馬鹿になるだろうなぁ。

「おとしゃま、あっちいって」

「ウィルフレド」

「あっち!うぃる、おかしゃまとあしょぶの、おとしゃま、えれなだっこちてて!」

ただいま長男のウィルフレドはお父様反抗期。妹のエレナばかり可愛がっているからとヤキモチを焼いたのが始まりだ。

「なるほど?」

そう呟いたエミディオ様はエレナを抱っこする。するとウィルフレドが少し寂しそうな顔になってしまった。

しかし、エミディオ様はそのままウィルフレドに向かって、

「はい、お兄ちゃんが抱っこしてあげて」

と、エレナをそっとウィルフレドに抱きかかえさせ、そんな彼ごと抱き上げた。

ウィルフレドは驚きつつも、妹を抱っこしてお父様に抱っこされて満足気だ。今日もエミディオ様の圧勝ね。

親馬鹿になるかと思ったエミディオ様は、意外と上手に教育してくれる。我儘を聞き過ぎることなく、私より上手いなと悔しくなるほどだ。

お義母様が、「昔はああやってガヴィーノを可愛がってたわ」と懐かしそうにしている。

そういえばお兄様愛を拗らせてると言ってたわ。昔は仲が良かったのね。だから子供の扱いが上手いのか。

「あらあら、3人共仲良しね。お母様は嬉しいけど少し寂しいわ」

「それは大変だ。ウィル?」

「はい!」

抱っこしていたエレナをそうっとお父様に渡し、私の元へ駆けてくる。

「おかしゃまもなかよしっ」

そう言って抱き着いてくる天使に悶えそうになる。

だって!顔はエミディオ様そっくりなのに天使の笑顔なの!可愛い息子と幼い頃のエミディオ様をダブルで味わえる贅沢っ!愛し過ぎるっ!!

エレナを抱っこしたエミディオ様が私にキスをする。幼いエミディオ様も可愛いけど、やっぱりこの狼さんが一番大好き。

政略結婚で、契約夫で、父親で。狼みたいに強くて格好いい私の旦那様。

「大好きよ」

【end】