軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

53.瀬奈さんと双子の赤ちゃん①

今日は、市船ハンターコースの寺での授業に向けての打ち合わせで3人の先生が来ることになってる。俺、京香さん、瀬奈さん、智に加えてAチームとポニーも出席。当日は瀬奈さんはいないけど、知ってほしいので。

「いい顔になったな」

元生徒を見た先生方が嬉しそう。みんな引き締まった顔してる。

楽しむときは楽しむ感じでオンオフの切り替えもできてるし。俺なんかよりもよっぽど大人な感じ。

「では始めましょうか」

「よろしくお願いします」

先生方と京香さんとで詰めていく。Aチームとポニーは都度発言する感じ。

「日程ですが、5月16日、17日,18日を予定しています」

「目的としていろいろなダンジョンを経験すること、魔物と戦うことです」

先に連絡は来てるので確認だね。

「こちらとしてはゴブリン、獣系、スライムとの戦闘を考えてます。ただ、その期間に瀬奈先輩の出産が予定されてますので、守君が不在かもしれません」

「というか16日は間違いなく不在ですね」

病院にいるからね。

「病院は車で15分なのですぐに来れますし、空を飛べば5分です」

力技だぜ。

「そ、そうですか」

先生方もドン引きだ。

この子たちも飛べますよ?

「非戦闘系のスキルを得た子がいるので、ギルドの仕事も見せられたらお願いしたいです」

「学校ではさすがに教えられないんですよ」

先生方がちょっと困った顔になる。

そらそうよね。戦うこと前提だもんねぇ。

「大丈夫です。卒業後はうちで預かります。なんなら明日からでもオッケーです」

「はは、同じことを船橋でも勝浦でも言われたよ」

京香さんからの勧誘に先生が苦笑する。

その子は卒業まではハンターとして授業を受けて知識を増やすとのこと。ギルド職員だったら引く手あまたなので悲観はしないでほしい。葉介さんあたりと話をさせても良いかも。

葉介さんにはあのアメリカの怪しい会社について世界中の情報を調べてもらってる。すっかりスーパーギルド職員だよ。

「宿泊は東金にある県の施設として、往復はバス会社にチャーターをお願いしました、朝食夕食もそこにお願いしてます。ここでは昼食をお願いしたい」

「わかりました。 アレルギーがある子がいれば情報をください」

「3年生では、いませんね」

ってことは下級生にはいるのか。気を付けないとな。

なお、好き嫌いは認めません。

「きっとお腹がすくからおやつも用意した方がいいですよね?」

食べ盛りの彼らがそうだったもの。後輩だってきっとそうだよね。

先生の苦笑いいただきました。

その後も質疑は続く。

「当寺は幼稚園を併設しているので、そっちへは行かないように指導をお願いします。園児が興奮して『わぁー』って寄ってきますよ」

「近隣含めて生徒へは徹底します」

「先生、ここを出禁になるとハンターとして将来詰むからガチで徹底したほうがいいっすよ」

「だねー」

「それも案内に書いておこう」

「シャワーとかはどうします?」

「宿に行けばあるので、よほどの泥汚れとか以外は」

「女子は希望するかも」

「あー、汗のにおいとか気になるねー」

「では希望者だけで。バスタオルなどはこちらで用意します」

「ありがたい」

「体調が悪くなっても個室があるので対応可能です。ポーションもきれいな包帯も十分ありますから」

「まずはテストとしてやってみましょう。問題点は都度打ち合わせして改善していきましょう」

となった。前向きな話し合いはいいね!

あらかた詰め終わったら雑談タイムだ。先生方もリラックスして元生徒と話をしてる。

「最近、卒業生から相談を受けるんだ。クランに入って踏破チャレンジしないか?て誘われてて入っても大丈夫なんでしょうかってな」

「それっきり連絡がつかなくなったものもいる」

「ハンター業界が騒がしくなってるようだ。みな大丈夫か?」

先生方も心配してるな。去年の夏に業界が荒れそうだって言われてたけど、現実になってきてて怖い。

うちが原因と言われても、それ以前にハンター業界に問題があって、うちが切っ掛けで噴出した気がするんだ。

「俺らは大丈夫っす」

「寺所属の卒業生は大丈夫だと思いますよ」

「寄居たちも問題ないかな」

「浦和は取引先としてうちに来てるし」

「ほぉ、浦和は上野商会に入ったとは聞いていたけど、がんばっているようだな」

「さっそくやらかしたけど結果オーライですかね。おかげで佐渡の配信ができましたし」

「ははは、浦和らしいな」

和やかな雰囲気のまま打ち合わせは終わった。先生方が帰った後は、内部の会議だ。

メンバーはそのままで食堂にて話し合いだ。

「卒業生にも勧誘が行ってるのはまずい状況だね」

過去の卒業生はわからないけど、卒業したてでピッカピカのハンターはうちで鍛錬してるから他の新人よりも強いんだ。そのうえ卒業記念品で、簡易とはいえマジックバッグも配っちゃったし。勢いだけでやっちまったなぁ。

「実は成田から連絡があってさ。あいつもクランに誘われたらしいんだけど、そのクランのハンターの雰囲気が怖くて断ったんだと。でもしつこく付きまとわれてるらしい」

市原君情報だ。

卒業後はばらばらになってるけど連絡は取りあってるみたい。

「女子もさー。割と強引に勧誘されててダンジョンに行くのが不安だって」

「昭島たち?」

「そう。大宮ダンジョンに行ったら絡まれて、逃げたんだって」

ふむ。だいぶ迷惑になってきちゃってるな。

ちなみに、昭島、立川、三鷹、羽村、青梅ちゃんの女の子5人パーティだ。卒業課題でうちにも来てるから顔も知ってる。

「あなた方だと脅せないから同級生を狙っている可能性がありますね」

京香さんが推測する。

「キタねぇ!」

「ムカつくー」

Aチームは佐渡の件で強さが知られてるし、ポニーも遠征してるからね。襲ったら逆襲されかねない強さなんだろうけど、同級生なら狙えるのか。

「うちのせいかなー」

荒れてる業界が原因だけどさ。強くしてしまったうちの責任もあるよな。

「守さんのせいじゃないっすよ」

「悪いのは悪い奴だし」

「そーそー」

「俺らはみんな感謝してます!」

「あたしもね!」

みな口々に擁護してくれる。あったかいなぁ。

「ならば、寄らば大樹の陰ですね」

「そうねー」

京香さんと瀬奈さんに言われちゃった。みんなも俺を見てくる。

「がんばるよー。悪い奴を小指でポポイできちゃうくらいにはね」

言うしかないじゃん。

やったるでー!