作品タイトル不明
聖女メアリー
この女は突然串焼きストリートに現れた。
それまでは皆ほのぼのと楽しく働いていました。
女は言いました。
『グヒヒヒヒ!皆、もっと働くでちゅ!あたちにはトーマス商会がついているでちゅ!』
『ヒィ!』
また、王都最大手の裏組織オスカー商会と組み。
キッチン荷車商会、サミー商会を倒産まで追い込みました。
『資産売却するでちゅ!』
『ヒィ!そ、そんな』
その魔性の魅力を使い商業都市のチィナ人裏組織とも接触して。
『貿易を独占するでちゅ!』
『朋友ネ!』
その女の名はメアリースチュアート!
ノース王家の血を引いています。最近、見つかりました。失われた王女です。
「果たして、このような方が王女として相応しいのでしょうか?裏組織トーマス商会の幹部です!諸君の意見は如何ですか?」
「・・・・・あのさ。メアリースチュアート様って何歳だよ?」
「うむ。7歳だ。全く末恐ろしい子である!・・・・おい、待て、聴衆よ!!どうした続きはあるぞ。希望の王族の話をするぞ!」
「7歳って・・・あり得ないだろう・・・」
「全くね。7歳と言ったらキャンディーを欲しがる年齢じゃない」
「7歳で裏組織の幹部ってもっとマシな嘘をつくのだな」
「待ってくれ!それは本当なのだよ」
・・・弁士の中でメアリーを貶める弁舌をする者が現れたが、効果は芳しく無かった。
この一連の動きはグルジア家のミレーヌが関わっていた。メアリーが王女になったら王妃の地位は安泰である。
☆☆☆グルジア家
「ミレーヌお嬢様、世論を操作出来ません・・・」
「そう・・・なら、群狼作戦よ」
「群狼作戦・・・とは」
狼の狩りって弱い子から狙うの。水牛の子供を狙うでしょう?
この場合。
「ダン男爵にハニートラップを仕掛けなさい。慎重によ」
「はい、ミレーヌ様」
数日後、簡単に引っかかったと報告があがった。
「ミレーヌ様、ダン男爵、簡単に妾契約にサインをしました・・・」
「えっ、簡単すぎるわね・・・」
王宮で見たときはブルブル震えてとても有能に見えなかったわ。
普通は警戒するはずよ。
まさか、ワナ?それとも馬鹿すぎて簡単にサインをした?
妾契約、一部王都で流行っている『お父様活動』と言う名の売春よ。
それを契約書、羊皮紙で残した。これを公表すればスキャンダルになるであろう。
契約内容は・・・
「お食事、ムフフ行為で一回につき金貨3枚払う・・・家門名を入れているわね・・・こんな馬鹿な文面に紳士がサインをする?」
いろいろ考察したが・・・やはり無能の類いだろう。
「いいわね。貴方、善意の第三者を装い近づきなさい。」
「はい」
最近、普及が始まったニュースペーパー社に男爵の書いた契約書が渡ってしまった。
正義のニュースペーパー社はこれを公表すると息巻いている。
私は偶然知ってしまったので回収してさしあげますが少々お金がかかります。
お金をもらっても公表をするわ。
金を取って公表をする二段構えよ。
しかし、相手の返答は。
「『拒否なの~』です」
「拒否?なら、公表ね。盛大にやりなさい。あのメアリースチュアートの養父はお父様活動者。なら、メアリーも怪しくない?とね・・・」
「了解です」
公表をした。この屋敷は街角の声は聞こえないぐらい大きいわ。
今ごろ、大騒ぎだろう・・・
報告を待つ。
「・・・お嬢様・・大変です」
「遅かったわね。大反響かしら?」
「それが街では全く話題になっていません。それどころか聖女が暴れまくっているとの評判です」
「??何ですって?」
「はい、聖女メアリースチュアート・・・様がゴロツキを従え職人街を襲撃しています」
「何故、そうなる?」
☆☆☆王都職人街
【オラ!オラ!貧乏人ども、聖女様の強制治療だ!】
あたしゃメアリーちゃん。職人達を強制的に治療する。女神教会から公式を頂いたから、慈善活動で治療が出来る。トーマス商会のゴロツキ・・いや、商会員を連れて前からやりたかった治療方法を行う。
「メアリーちゃんなの~、具合の悪い方は強制的に治療するの~」
「何だって!勝手に治療するなよ!」
「ああ、貧乏人のくせに文句垂れるな!」
わたしゃ、勝手に治療をすることにした。これで大騒ぎになるであろう。
私ほど強力な聖女は稀だそうだ。
信じられない事であるが、中世、近世の労働衛生の考えそのものがない世界では職業病なる概念があった。
例えば、帽子職人は水銀中毒になった。美しい帽子を作る対価、兎の皮を水銀の蒸気でなめした。水銀の蒸気が職人を襲ったのだ。
神経が犯され人格が崩壊した。これが帽子職人だから仕方ないよねで受け入れられていた。日本なら佐渡鉱山・・・
職人街のど真ん中で天に両手を挙げて、何かを持ち上げるようにまるで元気な球を集めるように。
「ヒィ、な、何だ!」
「治療玉なの~!メアリーに魔素をくだしゃいなの~」
職人街に放った。エリアヒールというものだ。
この問題はいずれ解決しなければならない。他のなろう系内政チートヒーローはどうしていたのだっけ?
これでダン男爵のスキャンダルはあまり話題にならないだろう。メアリーちゃんで話題が持ちきりだ。
そして、ダン男爵の屋敷に戻り。男爵の謝罪会見の指導をする。
あいつハニートラップに引っかかり。お妾契約にサインをしてしまった。
更にニュースペーパーに契約書を載せられてしまった。
まるでイギリスの新聞に載せられたナポレオンのラブレターではないか?
あれはフランスの補給船がイギリス軍に拿捕されてしまったからだ。
恥ずかしいな。帰るから風呂に入るなジョセフィーヌだっけ?
この後に及んでも男爵は弁解する。
「ヒィ、メアリー様!私は貧困調査で令嬢から話を聞こうかと・・・」
「それが一番アウトなの~」
「ヒィ、そんな・・・」
「何に対して謝罪をするか明確にするの~、貴族の品位を保つ義務を犯したの~。おっさんなのにリビドーに負けてしまったの~、貴族と不適格、責任を取って義姉様に男爵を譲るの~」
「ヒィ、そ、そんな。メリッサに・・・ワシは・・・」
「きちんと謝罪会見をしたら、年金は出るようにするの~」
「ヒィ、分かった」
吟遊詩人ギルドで謝罪会見をした。
「ワシは、お父様活動をしてしまった・・・全てワシの不徳のいたすところだ」
「あの、相手のご令嬢は?」
「貧困令嬢ですよね」
「どこで知り合ったのですか?」
「不明です。街でいきなり声をかけられて・・・」
それで良いが、問題は相手から、訴訟を起された。お父様活動令嬢からだ。
何と、内縁関係になったのだからお金を寄越せとの事だ。前の男爵が泣きついてきた。
「メアリー、どうしよう?」
「もう、爵位はお義姉様なの~、お義姉様と協議するの~」
「ワ、ワシも交ぜてくれ~」
女男爵になったお義姉様と協議した。
結果はもちろんガン無視なの~
「分かったわ。メアリーちゃんの言う通りにするわ」
返答を出した。
☆☆☆
「ミレーヌお嬢様、相手は訴訟を『ガン無視なの~』だそうです」
「『ガン無視?なの~』って幼い言い方ね。ちょっと待ちなさい。相手は・・・」
「はい、幼女です」
「幼女・・もしかして、メアリー?」
私はここでやっと幼女メアリーと対峙していることに気がついた。