軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

698:嘆きの清算

『嘆きの騎士はあり得ざる結末を夢想した』

『結果確認――EXルート:不滅の剣、ティエルクレス』

『報酬が加算されます』

『レベルが上がりました。ステータスポイントを割り振ってください』

『《刀神》のスキルレベルが上昇しました』

『《武王》のスキルレベルが上昇しました』

『《昇華魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『《神霊魔法》のスキルレベルが上昇しました』

『《致命の一刺し》のスキルレベルが上昇しました』

『《MP自動超回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《奪命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【奪淵冥牙】のテクニックを習得しました』

『《練命剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【練煌命刃】のテクニックを習得しました』

『《蒐魂剣》のスキルレベルが上昇しました』

『【破魔蒐閃】のテクニックを習得しました』

『《テイム》のスキルレベルが上昇しました』

『《HP自動超回復》のスキルレベルが上昇しました』

『《魔技共演》のスキルレベルが上昇しました』

『《クロスレンジ》のスキルレベルが上昇しました』

『《回復特性》のスキルレベルが上昇しました』

『《超位戦闘技能》のスキルレベルが上昇しました』

『《剣氣収斂》のスキルレベルが上昇しました』

『《血の代償》のスキルレベルが上昇しました』

『《立体走法》のスキルレベルが上昇しました』

『《会心破断》のスキルレベルが上昇しました』

『《 再生者(リジェネレイター) 》のスキルレベルが上昇しました』

『《ワイドレンジ》のスキルレベルが上昇しました』

『《三魔剣皆伝》のスキルレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《ルミナ》のレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《セイラン》のレベルが上昇しました』

『テイムモンスター《シリウス》のレベルが上昇しました』

やたらと長いシステムメッセージを確認しつつ、餓狼丸の解放を終了させる。

ティエルクレス、人間サイズの相手としては、間違いなくこれまでで最も強い相手だった。

システム的にはプレイヤーと同様の存在であったためか、HPゲージが一つしかなかったことがせめてもの救いだろう。

あれでパワーアップしながら戦闘継続をされていたら、流石に勝つことはできなかった。

「へぇ、EXルート……特殊ルート攻略になったんですね」

「何だそりゃ? 何か特別なことでもしたか?」

「さあ、検証してみないことには条件なんて分かりませんけど……化け物を倒した後にティエルクレスに戦いを挑んだことが条件の一つなんじゃないですか?」

「最初からティエルクレスを目的にしてなきゃ、あそこで挑むなんて選択肢はないでしょうし、EXっていうのも納得じゃない?」

まあ、あの化け物を倒した時点でティエルクレスは満足していたわけだし、そこで報酬を受け取っていればクエストは終わっていたはずだ。

ティエルクレスとの戦いは、本来必要のなかったイベントだったのだろう。

「で、そのEXだと何か変わるのか?」

「要するに隠し条件でのクエスト攻略ですから、大体報酬が豪華になりますね。先生は特に貢献度が高いですし、何か特別なものでもあるんじゃないですか?」

「ふむ……」

成長したスキルのテクニックだのも気になるのだが、とりあえずはそちらを確認しておくこととしよう。

手に入ったのはティエルクレス関連の素材で、特に成長武器に必要となる『不滅大剣の徽章』は十分な数が手に入ったようだ。

それに加えて、俺の報酬画面には一つ気になるアイテムが記載されていた。

わざわざ文字は赤く、枠は虹色に強調されているそれは、見るからに特別報酬と言わんばかりの様相だった。

■《武器:大剣》ティエルクレスの隕鉄剣

攻撃力:158

重量:40

耐久度:250%

付与効果:刀身延長、防壁破壊

製作者:-

亡国レーデュラムにて、海中より引き上げられた隕鉄を鍛え上げた大剣。

不滅の剣ティエルクレスの愛剣であり、その最期を共にしたもの。

魔力を込めることで一瞬だけ刀身を伸ばすことが可能であり、

またその強靭な刃はあらゆるスキルによる防御を突破する。

それは正しく、ティエルクレスの使っていた大剣だ。

破格の攻撃力と能力は、俺たちの持つ成長武器すらも凌駕する、圧倒的な性能だと言えるだろう。

特に、この防壁破壊とやらは凄まじい。《蒐魂剣》は魔力による現象全般に効果があるが、パッシブのスキルなどには影響を及ぼせない。

しかしこの隕鉄剣は、スキルによる防御効果を例外なく破壊することができるのだ。

あの化け物が持っていた斬撃耐性を突破したのも、この武器スキルによる影響だろう。

インベントリから取り出してみれば、嫌というほど目に焼き付けられた大剣の刃が、俺の目の前に姿を現した。

「……これが太刀だったらな。せめて野太刀でも長巻でもいいから、刀の形状であって欲しかった」

「うわ、ティエルクレスの剣が報酬だったんですか……いや何ですかこの性能」

「使えないけど、インベントリの肥やしにするのも勿体ないわね」

惜しむらくは、俺たちの誰も大剣を使えないという点だろう。

無理をすれば振り回せないこともないが、正直俺たちの戦闘スタイルには全く合わない。

というか、普通に重すぎる。これを片手で振り回していたティエルクレスのステータスはどうなっていたのやら。

「勿体ないが、扱えないものは仕方ない。最悪、アンヘルにでも渡せば有効活用はできるだろうよ」

「いや、正直その方が勿体ないんですけど……こんなレアアイテム、何とも交換できるようなもんじゃないですよ?」

「交換が釣り合わんか。しかし使わないのも勿体ないよな、これ」

しばし頭を悩ませたが、この場で結論が出るものでもない。

軽く溜め息を吐き出し、隕鉄剣はインベントリの中に戻しつつ、緋真へと向けて問いかける。

「それで、他の特別報酬は?」

「これですよ、これ。たぶん先生も悩むことになると思いますけど」

言いつつ、緋真が表示して見せ付けてきた、クエスト報酬の画面。

それは、隕鉄剣に並んでこのクエストの特別報酬として記載されていたもの。

即ち――

「……ティエルクレスの使っていたスキルのオーブ、二つまで選択して取得可能か。また悩ましいものを」

「どれもこれも凄まじい性能よね。よくこんなものを使っていた相手に勝てたものだわ」

確認すれば、それぞれのスキルの性能についても表示させることが可能だ。

どれもこれも、見たことのないようなスキルばかり。つまり、プラチナのスキルオーブでも取得不可能なレアスキルということだ。

《三魔剣皆伝》クラスのレアスキルが何個も並んでいると思うと、眩暈を覚えてしまうほどである。

恐らくはティエルクレスの使っていたテクニックの元である《剣技: 絶景倒覇(ぜっけいとうは) 》。

パッシブで全てのステータスを向上させる《天与の肉体》。

あらゆるステータス対抗判定にボーナスを与える《抜山蓋世》。

感知系スキルに大幅なプラス補正を与える《超直感》。

壁、空中に関わらず、足をつけた場所に重力の向きを変更する《 天上の舞踏(エアリアルダンス) 》。

発動系のスキルの効果時間を延長させる《ウォーロードの軍歌》。

俺にとって使えると思えたスキルだけでもこれほどある。

他にも、各種ステータスを一定時間上昇させるスキルが揃っており、その上で通常のスキルも使っていたのだろう。

こうして詳細を見ると実感するが、本当に良くティエルクレスを相手に勝利できたものだ。

「これの中から二つだけを選べってか?」

「スキル枠も足りないんですけどね……ホント、五個ぐらい欲しいです」

「戦闘スタイルが明らかに違う私ですら、使えるものが結構あるものね」

アリスの場合はそこまで悩まなくても良さそうだが、それでも十分すぎるほどに強力なスキルが揃っている。

よほど合わないものを選ばない限り、戦力は間違いなく増加するだろう。

問題は、緋真の言う通りスキル枠の余裕が無いことだが。

二つスキルオーブを取得したとして、その両方をすぐに活用することは不可能だろう。

《見識》辺りを一時的に外すにしても、二つのスキルをセットするほどの余裕はないのだ。

取得しても、しばらくはサブに置いておく必要があるだろう。

「うーん……私はこの剣技と、《抜山蓋世》で」

「《抜山蓋世》は流水に効果がありそうだから分かるが、剣技は使えるのか?」

「三魔剣のテクニックと同じで、次の攻撃に効果を発揮するタイプのテクニックっぽいので。アリスさんはどうですか?」

「私は《超直感》と《 天上の舞踏(エアリアルダンス) 》ね。これが一番プラスになるから」

「ふむ。なら、俺は《天与の肉体》と《抜山蓋世》にしておくか」

ステータスアップも、一時的ではなく常時なら感覚の差異に悩むことはないだろうからな。

ともあれ、後はレベルアップ処理をして――早く戻って、成長武器の強化に向かうこととしようか。