軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

やっぱりなんか初めてのスライム討伐なんですけど

初めてのダンジョン、初めてのモンスター討伐。スライムを叩き潰すだけの、簡単な作業!…のはずだったのに、スライムは脱兎のごとく逃げだした。普段うごうご動いてるだけなのに、あんなスピードで逃げるんだ。すごいなぁ。すごいなじゃないんだよ!

「…えぇ。スライムってあんな早く逃げれるのか?いや、そもそも逃げれるのかスライムって?」

佐藤さんまで困惑してるよ。

「…えっスライムが逃げた?」

「えっなんであんなに速いっ!?」

「えっマジで?」

奏、利香ちゃん、京ちゃんもフォローに入る間もなく、スライムは遠くまで逃げてしまった。いや、他のスライムも全然近くにいるから、また別のスライムにすればいいだけではあるんだけど。

「なんでスライムが逃げるの?」

「というか、スライムに逃げられるってどういう事??」

「りえちってスライムに嫌われてたりする?」

スライムに嫌われてるとかそんな自覚ないんだけどな。そもそもスライムなんて初めてだし…ん?スライム?

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>APPELLATIVE

スライムスレイヤー

スライムの不倶戴天の敵

スライムを滅ぼすもの

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まさか?まさかね?スライムから天敵認定されてるとか、そんなまさかそんな事ある訳…

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はい。駄目です。スライムに近づくだけで逃げていきます。大体2mぐらいとかまで近づくと、それはもう。脱兎のごとく逃げます。あの後何度も挑戦してみたけど、近づくことすらできないよ。奏や青森ペアの時は、普通にうごうごしてるだけなのに、なんで、なんで、なんで、なんでよ…。

という訳で、やむを得ず班の行動方針を変更。ツーマンセル2組ではなく、フォーマンセルでスライムを四方向から囲む形に。佐藤さんが少し引いた位置から全体をフォローする形で、四名で囲んで逃げ場を無くして、私がとどめを刺すという形に。

「ちょ!そっち行った!!」

「任せて…隙間をすり抜けた!?」

「待てー!!」

「スライムがこんな速く動いていい訳ないって!…きゃぁ!」

はい、四人がかりでも駄目です。捕まりません。いや、私以外からは逃げないみたいなので、青森ペアや奏が叩き潰したりはするんだけど、私だけ倒せない。そんなこんなで苦戦していたら、スライムが水たまりを跳ねたり、岩に追突したスライムが、そのまま弾け散った欠片にまみれたり、(私以外は)逃げたスライムに体当たりされたりで、全員べっちゃべちゃです。

「頭からスライムかぶるとか聞いてない…」

「全身ずぶ濡れなんだけど」

「全身ジェルまみれなんだが…」

「シャツとかすっけすけだし。」

「プレート当ててなかったら、下着が見えちゃうところだったわ…。」

「なんでスライムがこんな異常行動するかなぁ…長い事FPに潜ってるけど見たことも聞いたこともないんだよなぁ…」

(「完全に私のせいだなぁ…」)

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更に作戦を変更、湿原でも比較的平坦で走りやすいスポットに移動しました。佐藤さんより立案された作戦はこう。

「スライムの認識範囲外より、高速で走って近づきましょう。そして、棍棒を使わずに、その勢いのまま、そのまま蹴り飛ばしてください。ジェルは四散しますけど、スライムの討伐はできるはずです。あ、蹴り飛ばす方向は念の為、人のいない方向でお願いしますね。」

「それって実践練習をするっていう、この集団探索の目的に沿います?」

「…普通のスライムならそうだけど、『高速で逃げだすスライム』を討伐するっていう、より高度な状態での訓練って事になるからセーフ!」

引率の佐藤さんがセーフ判定ならいいか。

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べしゃぁ!

結論から言えば、佐藤さんの作戦はうまくいった。走ってスライムが逃げ出す前に接近して、その勢いのまま蹴り飛ばせた。だが、静止状態から棍棒で叩き飛ばすのとは違い、勢いがのったままに、蹴り上げる形になったスライムはそのまま四散。ジェル片が、まるで爆発したかのように飛び散る。

飛び散ったスライム片は、高く舞い上がり、頭上から降り注ぐ。

べた べたたた ぱしゃん べちゃちゃ

「「「…」」」

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STATUS / ●NOTICE / QUEST

>新規通知

◯『スライム』を討伐しました。12EXPを獲得しました。

◯クリアしたQUESTがあります。

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「思ってたスライムの討伐と違う…。」

「…分かるけど、逃げ出しちゃうので、黒川さんだけ、なんとかそれでお願いします…ね。」

「解せぬ。」

どうしてこうなったかなぁ。なんでかなぁ。