軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

行者遠足へ

とうとう迎えた幻獣保護区への行者遠足の当日!

幻獣保護区の近くまではワイバーンが運んでくれる竜車で移動するようだ。

現地は天気もよく、気候も暖かく穏やからしい。

校庭にはすでに、多くのワイバーンが待機していた。

一学年の生徒も集まり、校長先生と理事長からのありがたい言葉を賜る壮行会も開かれた。

校長先生は学生時代の楽しかった幻獣保護区での話をし、理事長は幻獣と魔物を間違えて捕獲しようとした者の死亡事故について語っていた。

皆、校長先生の話は楽しそうに聞いていたのに、理事長の話になると一気に皆の表情が引きつり、暗くなっていく。

まあ、楽しいばかりの行事ではなく、危険も伴う。

釘を刺すのも大事なのだろう。

壮行会が終わると、ついに出発となる。

ホイップ先生が指示を出した。

「では、班に分かれて竜車に乗り込んでねえ」

メンバーは学校側で決めたものだが、私の班はレナ殿下にノア、アリーセ、エア、エルノフィーレ殿下と、仲良しが集まっている。

本日お世話になるワイバーンと、御者を務める騎士に挨拶をする。

班のリーダーであるレナ殿下が代表して声をかけてくれた。

「今日、世話になる〝にゃんこ大好き班〟だ。よろしく頼む」

「はっ!」

ちなみに班の名前はアリーセが考えたものである。

本当にこれでいいのか、と思いつつ申請したのに、あっさり通ってしまったのだ。

騎士は班名を聞いても、表情筋をぴくりとも動かさなかった。

さすが、プロだと思った。

竜車の中は馬車とそう変わらない。

異なる部分は車輪がない所くらいか。

エアはまだ飛んでいないというのに、嬉しそうに窓の外の景色を覗き込んでいた。

校長先生の合図で、竜車が次々と空へ飛び立つ。

私達の竜車も上昇していく。

「うわー、すごい! 空を飛び始めた!」

「ああ、すごいな」

レナ殿下も興味津々な様子で外の風景を覗き込んでいた。

エルノフィーレ殿下は竜車に慣れているのか、落ち着いている。

ノアも同様に。

アリーセは少し不安そうだった。

「大丈夫?」

「ええ、なんとか」

大丈夫そうに見えてなかったので、手を握ってあげたら、ぎゅっと握り返される。

そんなアリーセだったが時間が経つにつれて慣れてきたのか、到着間際には楽しそうに会話していた。

野を越え山を越え、川や渓谷を飛び越えて、途中で休憩を入れつつ、王都から三時間ほどで幻獣保護区に到着した。

出入り口は東西南北の四カ所あるようで、クラスごとに別々の場所に下り立ったようだ。

私達が下りた場所は西門らしい。

人だけでなく魔物や幻獣が出入りできないよう、周囲は高い塀に囲まれているという。

上空は飛行系の幻獣は空高く飛べるようになっているものの、結界が展開されていて、飛行系の魔物は侵入できないようになっているのだとか。

「ここが幻獣保護区ですのね」

「なんか、普通の森とは違う雰囲気よね」

「ええ」

出発地点から五時間ほどかけて、幻獣保護区にある宿泊施設まで歩く。

そこで一泊し、翌日も五時間かけて戻ってくるのだ。