軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

387.エルフの里転移門解放

「おお、全員じゃ! お主たちは我らの出した課題をクリアした! よって、この村の『転移門』の解放を許そう! 広場に集まるが良い!」

村長が胸に札を貼ったまま杖を掲げて宣言する。何か魔法でも使っているのか、不思議と村全体に響く村長の声。

お茶漬:クリア? 誰だったの?

ホムラ:村長

シ ン:丸見えじゃん! 詐欺じゃねぇ!?

菊 姫:隠れてないでし!

ペテロ:盲点といえば盲点だけど、何をもって見つけたってことになるのか

レ オ:わはははは! 札だ!

レオの言う通り札を貼ったらクリアになりました。

「お疲れ」

最初に広場についたのはペテロ。

「クリアおめおめ!!! ぐげっ!」

次に降ってきたのはレオ。

木の上から華麗に飛んだようだが、下にいた村人が動いたことで、それを避けるため無理やり体勢を変えたため、顔から着地している。

「無茶を」

語尾に笑いを含むペテロ。

「到着でし!」

「おう!」

菊姫を肩車して走り込んできたシン。

「あとはお茶漬だけか」

「わははは! 飛べば早いけどな!」

私の言葉に笑うレオ。

確かにミーディさんの店から飛び降りれば最短な気はするが、ずいぶん高いぞ?

「レオはなんでダメージ受けてるでしか?」

ジト目で聞く菊姫。

「ここの『転移門』ってどんな感じだろうね? 村中歩いたけど、それらしいもの見た覚えがない」

ペテロが軽く首を傾げる。

「そういえばそうだな。門といいつつもプレートが本体っぽいが――」

「ああ、クランハウスに設置してんのもプレートだし」

私の言葉にシンが頷く。

「神殿の『転移門』は門っぽいのに囲まれてるでしけど、確かに迷宮のは階層でちょっと違うでしね」

などと言い合っていたら、ようやくお茶漬が登場。

「お待たせ。コーヒー美味しかったよ、痺れがひどくなったけど。早く『転移門』開けて、港なりファストなり戻ろう」

痺れながら笑顔のお茶漬。

「やたら遅いと思ったら、優雅にコーヒー飲み干してきたな?」

シンがお茶漬に聞く。

「だってせっかく淹れてもらったし。ミーディさん本人は札貼ったら走ってっちゃったけど。それにしてもなかなかな光景だね」

周囲を見回すお茶漬。

広場には色々なタイプのギリースーツを着こなした25人の村人たちが、半円状に私たちを囲んでうねうねしている。シュールだ。

「さて、集まったかの?」

「ああ、全員集まった」

村長の問いかけに答える。

「ではこの村の『転移門』を開放する。異議のある者は?」

村長が周囲の村人に問いかける。

「異議なし」

「異議なし」

村長に近い左右の2人がそう宣言して、ギリースーツを脱ぐ。

「異議なし」

「異議なし」

次の2人。

「異議なし」

「異議なし」

次の2人と、どんどん脱いでゆく。

「うっわ、脱皮!」

シンが小さく叫ぶ。

「脱皮言うな! まあ、脱皮だけど」

一応突っ込むお茶漬。

「脱皮……」

言い得て妙だ。

「わははは! いきなりキンキラだ!」

「中身がエルフらしいエルフでした」

うんうんと頷く菊姫。

長い金糸のような髪、すらりとした手足、白い陶器のような肌という、ベタな形容がそのままハマる。

ギリースーツを脱いだらちゃんとエルフが入ってました。まるで蛹から浮化した蝶のように――ギリースーツはどちらかというと、ミノムシだが。

「ユーデュスカさんと、ミーディさんどれだろ?」

居並ぶエルフを見回し、2人を探すレオ。

「さあ、こちらへ」

村長に誘われ、広場にある村で一番大きな木に近づく。ちなみに樹上には村長の家が存在する。

巨樹の根は私の背よりも盛り上がっており、村長がその根と根の間に手を触れると根がうねって隙間が開いて入れるように。

「ロマン!!」

「木の中か!」

レオとシン。

「楽しそうでし」

「うむ」

嫌いじゃない。

「クランハウスも木の中じゃん」

特になんとも思わないらしいお茶漬。

「自分の庭を彷彿とさせます」

笑顔のペテロ。

「ひっ」

「ぎゃっ」

獣人2人の背中と尻尾が伸びる。

毒草園(ぶっそうなもの) 思い浮かべないでください。

そして獣人2人にA.L.I.C.Eは何したんだ? 絶対ペテロの毒草園で酷い目にあってるよな?

入ると中は優しい光。光源はぽわぽわと飛び回る丸い何か。

「胞子?」

「マスクいる?」

すかさずお茶漬が聞いてくる。

中央に石のプレートとそれを取り囲む乳白色の背の高いキノコ。

キノコが門といえば門か? 私より遥かに大きなものがほとんどで、育ちかけなのか縁に小さなものもある。

磨りガラスを思わせる綺麗なもので、キノコ自体も薄く光っている。

胞子もこのキノコのもので、全体にしては小さな傘から、時々ふわりと浮き上がる。

キノコ栽培者は職業性過敏性肺臓炎になることがあるようなので、マスクがいるかいらないか聞かれたら『いる』と答えるのが正しいか。

「きれいでし」

「夜の庭にちょっと欲しいかな」

菊姫とペテロ。

いかん、お茶漬のせいで私のファンタジー的感動が瀕死だ。

「毒キノコで似たようなの探してみようかな」

ペテロにトドメを刺されたファンタジー的感動さん。さらば!

「さあ、これを授けよう」

そう言って村長が葉のレリーフがある石を渡してくる。

「ありがとうございます」

代表してお茶漬が受け取り、みんなに配る。

一応【鑑定】。

◇転移石『エルフの隠れ里エールフ』

対応する転移門に触れ登録すると、エルフの『隠れ里エールフ』に転移できるようになる。

……隠れ里?

「普通の村より先に隠れ里に着いてしまった件」

同じく鑑定したらしいお茶漬が半眼でつぶやく。

「わははは! 隠れ里だから隠れてたんだな!」

元気よく断定するレオ。

「誰でし? しょうもない設定にしたのは。オヤジギャグでしか!」

ぷんぷんしてる菊姫。

「『村』がつかねぇだけで、高尚な感じがするぜ、エールフ村」

腕を組み、無駄にキリリとした顔で言うシン。

「まあ、さっさと登録しちゃおうか」

お茶漬がキノコのアーチをくぐり、中央のキノコに石を当てる。

「手順的には同じだね」

「ああ」

ペテロと言い合いつつ、私もさっさと登録を行う。

《エルフの隠れ里を解放しました》

《称号【 隠伏(いんぷく) の狩人】を手に入れました》

《なお、この情報は秘匿されます》

「おおおお! キター!!!」

大喜びのレオ。

「あのギリースーツでこの称号……」

納得いってなさそうなペテロ。

《お知らせします。初めてノルグイェル大陸で『転移門』が解放されました。これにより、交易を機能に追加いたします》

《交易は船を持ち、他大陸と交易を行うことができます。商館もしくは船の入手が条件となります》

《詳しくはメニューをご覧ください》

「商人用かな? あとで詳しくみよう」

機嫌がよさそうなお茶漬。

「秘匿なんてあるんでしねぇ」

菊姫。

すみません、秘匿情報だらけで。

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・増・

称号

【 隠伏(いんぷく) の狩人】

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