軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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レオルドの元にイザベルが来て挨拶をしている頃、レオルドが送り出したシェリアが運命48の主人公ジークフリートの実家ゼクシア男爵邸に到着していた。

シェリアは鞄を持ち、ゼクシア男爵邸を見上げている。レオルドが住んでいるゼアトの屋敷と、以前働いていた公爵邸の屋敷と見比べていたのだ。

やはり男爵家ということもあってあまり大きくはない。これならば人手も多くなくてもいいだろう。シェリアは今更ながら、自分は上手くやっていけるか不安になってきた。

緊張が全身に走り、ゴクリと生唾を飲み込むシェリアの前に一人の執事が現れる。

「お待ちしておりました、シェリア様。旦那様と奥方様が中でお待ちです。どうぞ、こちらへ」

「は、はい!」

シェリアは執事の後を追い掛けて屋敷の中へと入る。掃除が隅々まで行き届いており、綺麗な玄関を見て自信を無くしてしまう。

自分は本当に必要とされるのだろうかと。別に自分がいなくても問題がない屋敷にシェリアは内心で溜息を吐いた。

(はあ~。こんなにもきっちりした掃除してるのなら私必要ないかも……)

落胆しているシェリアの内情など知ったことではないという具合に執事は先へと進み、ゼクシア男爵夫妻が待っている部屋へとシェリアを連れて行く。

部屋へと通されるシェリアは緊張に身体が硬くなってしまうが、ゼクシア男爵夫妻は陽気な人間で身分を気にしていない。

そのおかげでシェリアは緊張が解けて、あれよあれよと再就職が決まった。

元々シェリアはハーヴェスト公爵家の推薦だったので断られる事はない。むしろ、男爵家が断れるはずがない。

だが、受け入れたといっても信用はしていない。ハーヴェスト公爵家がなにか企んでるかもしれないと疑っているからだ。

「あの子には当分監視をつけておくように。何か怪しい動きがあれば知らせろ。もしも、他の使用人に危害を加えたなら容赦はするな」

「は。お任せを」

やはり、そう簡単に事は運ばない。レオルドは良かれと思ってシェリアをジークの元へと送りつけたが、因縁のある相手なのだ。警戒するに決まっている。

ただ、シェリアには何の思惑もないのでゼクシア男爵の心配は杞憂に終わる。

そしてシェリアは用意された自分の部屋に行って荷物を置くと、早速仕事へと取り掛かることになる。

先輩のメイドに付いて行き、仕事を始める。恋煩いのせいでレオルドの屋敷ではポンコツになっていたシェリアだが、今は違う。

見事な仕事ぶりを見せて先輩メイドを驚かせている。

(公爵家をクビになったって聞くけど、本当なのかしら?

仕事は出来るし、素直で良い子なのにクビってなんでかしら?

執事長からは警戒するように教えられたけど、何か企んでる様子もないのよね)

実際その通りだ。レオルドがただお節介を焼いただけでシェリアに落ち度はない。いや、落ち度はあるが、ジークの側に居られるシェリアは、本来の力を発揮するだけである。

だから警戒する必要はないのだが、先輩メイドは執事長の命に従ってシェリアを監視する事になる。

シェリアが仕事に励んでいると、ついに待望の時が訪れる。ジークが帰宅したのだ。

新しく雇ったメイドを紹介することはないのだが、今回はハーヴェスト公爵家の元使用人なので念のために紹介する事になった。

シェリアはまさか紹介されるとは思いもしなかったのでパニックになっていた。久しぶりに想い人に会える喜びと、どのような挨拶をしようかと悩んでいた。

そうこうしている内にジークの元へと連れて行かれる。シェリアは男爵夫妻に会ったとき以上に緊張する。

「お、お久しぶりです!」

「ん? ああ、シェリア! どうして家に?」

「えっと、実は元のお家でクビになってしまいまして」

「なんだって!? シェリアがどうしてクビになったんだ?」

「いろいろとありまして……」

曖昧な笑顔を見せるシェリアにジークは勘違いする。シェリアのような良い子がクビになるなんて有り得ないと。

「前の主人は誰なんだ?」

「え? レオルド様ですが、どうかしたんですか?」

「あいつ!!! まだ懲りてなかったのか!」

「えぇっ!?」

突然、怒り出したジークにシェリアは困惑する。

実はシェリアはレオルドが決闘に負けて辺境行きになっていたことは知っていたが、相手までは知らなかった。まさか、恋した相手がレオルドと因縁のある男だとは想像もつかなかっただろう。

とりあえずシェリアは勘違いしているジークを正そうと試みる。

「あ、あのジーク様。レオルド様は何も悪くないんです――」

続けて説明をしようとしたが、ジークがシェリアの肩を掴み、シェリアは驚きのあまり固まってしまう。

「そんな訳がないだろう! あいつはクラリスを他の男と一緒になって襲った最低の男なんだぞ!」

「そ、そうなんですか? でも、私何もされてませんけど……」

「え? そうなのか?」

「はい。むしろ良くしていただきました……」

「嘘じゃないのか?」

「は、はい……」

シェリアの話を聞いてジークは考え込む。なぜ、クラリスは襲っておきながらシェリアには手を出さなかったのか。

シェリアはクラリスにも負けず劣らず美少女だ。クラリスを襲ったレオルドなら手を出さないわけがないと思っているジークは首を傾げる。

もしかしたら、今のレオルドは以前までのレオルドと違うのではないかと疑問を抱く。

少し前にはモンスターパニックで活躍したという話も聞いているジークはますます怪しく思う。

「別人なのか?」

「ジーク様?」

「なあ、シェリア。レオルドのことを教えてくれないか?」

「え? それは構いませんけど、まだお仕事が残っていますので」

「構いませんよ。仕える主であるジーク様の願いですから。シェリア、嘘偽りなく答えなさい。私は残りの仕事を片付けてきますので」

先輩メイドが出て行くと、ジークとシェリアはレオルドについて語り合う。

果たしてシェリアはジークの誤解を解くことは出来るか、どうか。

運命は変わるのか。それはまだ誰も知らない。