軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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文官達がストライキを起こす事もなく、平穏に時が過ぎていく。レオルドは束の間の平穏に癒されていたが、運命の女神は許さなかったらしい。

レオルドの下に国王からの使いがやってきた。

なんでもレオルドに大事な話があるとのことらしく、レオルドはすぐに王城へ向かう事になる。

「陛下、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「ああ、実は先日、聖教国の方から神官が訪れてな。お前とシルヴィアの婚約を祝いたいから、是非とも本国に来て欲しいと申し出があった」

(は? ちょっと待て。なにゆえに!?)

動揺するレオルドに国王は気がつかずに話を進める。

「勝手に断る事も出来ないので、一旦保留にしたのだが、すぐに返事が欲しいという事でお前を呼んだわけだ」

「は、はあ。なるほど。しかし、私は領主としての仕事がありますゆえ、聖教国には申し訳ないですがお断りしたいのですが……」

とりあえず、無難な事を言ってレオルドは断ろうとするが、国王は首を縦には振らなかった。

「すまないが、断る事が出来ないんだ」

(じゃあ、なんで俺に訊いたよっ!!!)

当然の疑問であった。断る事が出来ないのならば、最初からレオルドを呼ぶ必要はない。先に話を進めて、後からレオルドに説明すればいいだけのことだ。なのに、なぜレオルドを呼んだのかが分からない。

「あー、もしかして、神官絡みです?」

レオルドの言葉に国王は首を縦に振る。それを見て、レオルドはやはりかと天を仰いだ。

この世界には魔法という奇跡があるおかげで医学や科学などの発展に乏しい。だから、怪我をしたり、病気になったりすると、回復術士を頼る。

しかし、この回復術士が曲者で神官が多いのだ。回復術士は数が少ない上に、聖教国がほぼ独占している。なので、王国にも聖教国から派遣された神官という名の回復術士が多いのだ。

その為、帝国も王国も聖教国の頼みを無下にする事ができない。そんな事をすれば派遣されている貴重な回復術士を連れ戻されてしまうからだ。

(ん~、俺にはシャルがいるから平気だけど、やっぱり回復術士は少ないんだよな~)

回復術士も魔法使いの一種ではあるのだが、回復魔法は希少なのだ。 運命48(ゲーム) の場合は味方にいるので特に何も感じることはないが、現実になれば回復術士の有り難さが良く分かる。

「行ってくれるか?」

(行ってくれるかって言われても行くしかないやん! 嫌や、嫌や、嫌や、行きとうない! って駄々っ子のようにごねても無意味じゃんか!)

実質、行ってくれ宣言である国王の発言にレオルドは内心文句を垂れるが、断る事ができないので、渋々ながらも了承した。

「わかりました。このレオルド・ハーヴェスト、陛下のお望みであれば、たとえ、火の中、水の中、土の中だろうと、どこへでも行きましょう!」

完全なる皮肉である。国王もレオルドは事情を察している事を理解しているので、何も言えずに苦笑いである。

「はは……。お前は逞しいな」

「まあ、逆境からの成り上がり者ですから」

「そうだったな。すまん、シルヴィアを頼む」

「お任せを。必ず守り通してみせます」

意図せずレオルドは聖教国へ行く事になった。運命48でも、ジークフリートが帝国との戦争が終わった後に、聖女と共に聖教国へ行く事になっているが、まさか自分も行くとは思いもしなかったことだろう。

(てか、ジークは行くのか? 行かないとしたら、イベントは起こらないんじゃね!? それなら、平気だわ~。かる~く婚約祝いを貰ってトンボ帰りできそう。ついでに観光も出来そうだな!)

フラグを盛り盛りだ。ワザと言っているのか、天然なのか分からないが、レオルドは心の内で不穏な発言を繰り返していた。

というわけで、早速レオルドはシルヴィアに、今回の事を説明した。既にシルヴィアは、国王から事前に説明を受けていたので、特に質問をするようなことはなかった。

「ところで、レオルド様。従者の方は何人ほどお連れになる予定ですか?」

「え? そうですね。とりあえず、ギルバート、イザベル、バルバロト、ジェックス、カレン、あたりですかね」

「シャルお姉さまはお連れにならないのですか?」

「いや、シャルは勝手について来ますから、数には含めなくてもいいでしょう」

「……それもそうですね」

シルヴィアはレオルドの言葉を聞いて納得した。確かにシャルロットなら何も言わなくても付いてくるだろうと。

そして、レオルドはシルヴィアと別れてゼアトに戻り、聖教国へ向かう事を報告する。その報告を聞いて文官達が、どれだけの期間、聖教国に滞在するのかと必死な形相で訊いた。

「わからん」

その一言に文官達は、今こそ、この邪知暴虐な 領主(レオルド) を倒すべきだと決意した。帝国との戦争が終わってからも激務が続いていたのに、この領主は婚約者と聖教国へ行くというのだ。許せるはずがない。いいや、許していいはずがない。

今ここで命散ることになろうとも止めねばならない。文官達は互いに顔を見合わせて頷いた。やるなら、今だと。

まあ、流石に冗談で文官達は涙を流しながらレオルドに縋りついた。

「レオルド様! 今ここで貴方に出て行かれたら、私達ではどうすることも出来ません! まだ、沢山仕事が残っているのですから、せめてもう少しいてください!」

「お、おう。わかった、わかったから服を引っ張るのはやめてくれ」

流石にレオルドも以前のことがあるので、文官達の言葉も無視できず、一度国王と相談する事にした。再び、レオルドは王都へ戻る事になった。