軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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二人の結婚式が終わって三日ほど経過した頃に王都でゼアトでの結婚式が噂になっていた。最初は自分よりも部下を優先したレオルドを鼻で笑う貴族がいたが、女性達が大絶賛しており今は評価を改めていた。

いつの時代も女性の方が強いのだ。

そんな事を知らないレオルドは、国王に呼び出されて王城へと来ていた。

「陛下。今日はどのようなご用件で私を呼ばれたのでしょうか?」

「うむ。シルヴィアから聞いたのだが、部下の結婚式を挙げてやったそうだな」

「ええ。そうですけど、何か問題でも?」

「ああ。大問題だ」

(マジ? もしかして、処刑もありえる?)

不安に感じるレオルドはゴクリと生唾を飲み込む。

「実は王都で騒ぎになっていてな。是非ゼアトで結婚式を挙げたいという貴族が増えているのだ」

「え? そうなんですね……」

「そこで、お前に頼みたい事がある。その結婚式とやらを事業にしてみないか?」

「結婚式をですか?」

「うむ。ゼアトの事業としてやってみるつもりはないか?」

「それは別に構いませんけど……」

「そうか! それは助かる。実は、婦人会というものがあって貴族の女性が色々と交流するのだが、お前の所の結婚式が話題になって是非とも自分達もという声が大きくなって困っていたんだ」

「はあ、なるほど」

「では、頼むぞ。レオルド!」

「は!」

国王に頼まれたレオルドは、結婚事業を立ち上げる事にした。ただ、レオルドは忙しいのでオーナーという立場で他の者に任せる事にする。前回、やたらと気合の入っていた使用人がいたので彼女を社長に任命した。後は、レオルドがどのような事をしたかを一通り説明すると、彼女に結婚事業を任せてレオルドは領地改革の方へと移る。

マルコとレオルドは車を作るために材料集めとなるのだが、レオルドは先にインフラを整える事にした。いくら、車を作ったとしても道が舗装されていないと不安な点が多い。

なので、レオルドは土魔法の使い手を臨時で雇い、ゼアトの道を綺麗に整えていく。

当然、一番活躍したのはレオルドであった。

「はーはっはっはっはっは!!!」

驚異的な速度で道を綺麗にして整えるレオルドの姿はお世辞にも褒める事は出来なかった。やってる事自体は、大変素晴らしいものなのだが高笑いをして駆け回る姿は人々に恐怖を与えていた。

「あれさえなければ素晴らしい御方なんだけどな……」

臨時で雇われていた土魔法の使い手は残念そうに呟いていた。

ある程度、道路が完成するとレオルドはマルコと共に自動車製造へと切り替えていく。

真人の記憶から自動車の部品や製造方法を呼び起こして、マルコと二人で設計書を改良していく。

完成した設計書を見た二人は笑いあって抱き締め合う。

「ここから始まるんだ! 俺達の夢が!」

「オイラ、レオルド様に会えてよかったよ!」

「まだ、完成したわけじゃないんだ。これから、作業に移っていくから大変だぞ。覚悟しておけよ!」

二人はまだ知らない。これから先、どれだけ過酷な道が待っているかを。

レオルドは真人の記憶にある知識を使えばある程度は出来ると信じているが、甘い考えである。

先人達が血と汗と涙を流して築き上げた結晶を真人達現代人が磨き続けた叡智を、そう簡単に再現できるわけがない。

たとえ、魔法という奇跡が存在しようともレオルドは苦しむ事になるだろう。どれだけ困難な道のりを辿る事になるかを。

まずは、人員の確保と作業場を作ることから始める。レオルドはマルコと王都へ向かい、見習い職人を募集する。レオルドの名前を出せば多くの応募者が集まり、全員を雇いたかったが多すぎたので数を絞った。

十五名ほどの人員を確保してレオルド達はゼアトへと戻る事になる。

次にレオルドは工場の建設を行うが、雨風凌げる広い倉庫のような工場になる。特に文句もないのでレオルドはマルコと作業員を連れて中に入ると、設計書を元に説明を行う。

「これから君達にはこの設計書に記されているものを作ってもらう。恐らくだが、とても大変な作業になると思う。しかし、これが完成した暁には君達は歴史に名前を刻む事になるだろう!」

『お……おおおおお!』

掴みはバッチリだ。あとは、このままの勢いで作っていくだけとなる。レオルドはマルコを筆頭に自動車の製造へと着手する。

まずは、部品の製造からだ。型を作り、鉄を流し込んで取り出すのだが肝心の鉄がない。そもそも製鉄所がないのだ。

そこから、始めなければならないが魔法があるのでそれほど難しいことはない。ただ、問題があるとすれば品質だろう。

どの程度の品質にしなければならないのかレオルドは分からない。これは、先人達のように何度も試行錯誤を繰り返してみなければ分からないのだ。

つまり、地獄の始まりである。

レオルドはこれから何度も失敗を繰り返さなければならないのだ。部品を作り、組み立て、試す。これを延々と繰り返して完成を目指さなければならない。

さあ、嘆くがいい。叫ぶがいい。

これから、レオルドがやるのは異世界知識を使った産業革命だが、それがどれほどの困難を極めるかレオルドはこの時はまだ知らなかった。