軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第233話 休暇

朝、ヘレンに起こされると、顔を洗い、着替える。

そして、3人娘と合流すると、1階のレストランで朝食を食べた。

「レオノーラ、まずはどこに行くんだ?」

食後のコーヒーを飲みながら本日の予定を決めたレオノーラに聞く。

「まずは凱旋門。エーリカが楽しみにしてたやつ」

「おー、凱旋門!」

エーリカは嬉しそうだ。

「じゃあ、行くか」

「まあまあ。もっとゆっくりしたまえよ。人生は大海原を旅する船乗りのようなものさ。必死に漕がなくても進んでいくんだよ」

まあ、今日はレオノーラに任せると言ったから任せるか。

「漕いだ方が速いだろ」

「休めって言ってるんだよ」

そうかい……

俺達は話をしながらゆっくりとコーヒーを飲むと、9時過ぎくらいにホテルを出た。

そして、東にある凱旋門に向かって歩いていく。

「今日はのんびりコースか?」

「そうだよ。ジーク君、アデーレ、空を見てごらん」

そう言われたので空を見上げる。

「空だな」

「空ね」

な?

「それだけ? あの空はリートに繋がっているんだよ?」

「レオノーラさん、ロマンチックです。そういえば、あそこを飛んできたんですよね」

「そうだよ。君達も何か思うことはないかい?」

うーん……

「天気が良いな」

「空が青いわね」

な?

「君達はさ、長くこの王都にいたんでしょ? そうやって空を見上げたことはあるかい?」

「ないな」

「そういえばないわね。リートや実家では見たような記憶があるけど」

あー、リートで星空は見たような気がする。

「それが余裕。たまに空を見上げられる人生にしたまえよ。おねーさんが付き合ってあげるから」

「「どうも……」」

同い年のくせに……

俺達はゆっくりと歩いていくと、凱旋門がある広場にやってきた。

「おー! 大きいです!」

「すごいねー!」

「改めて見ると、確かに大きいわね」

でかい門だな。

「今さらですけど、凱旋門って何ですか?」

「ジーク君」

リードしてくれるレオノーラも知らないらしい。

「凱旋する門だ」

「そのまんまじゃないですかー」

「まあ、そのまんまだしな。何百年も前の戦争に勝った時に作られたやつだ。それの記念だな」

これは歴史で習ったから覚えている。

「へー。あそこを兵隊さんはくぐったんですか?」

「多分、そうだろ。行ってみるか?」

「行ってみたいです!」

俺達は広場を歩いていき、凱旋門の下までやってくると見上げる。

「高いですねー」

「アデーレ、あそこに立っているところを想像してごらん?」

「嫌よ。余裕ゼロじゃないの」

その後、凱旋門を回りながら見続け、広場にあるベンチに腰かけた。

「仕事をサボって何してんだろう……」

公園のベンチにいる家族に言えないお父さんかな?

もしくは、営業回り中のサラリーマン。

「休暇、休暇。ジーク君、帰ったら何したい?」

うーん……

「釣りでも行くか?」

「良いねー。4人で行こうよ」

「良いと思います。ヘレンちゃんが好きなアクアパッツァを作ってあげるね」

「わーい」

「魚はちょっとお手伝いできないわね」

アデーレはまだ魚が怖いらしい。

「レオノーラ、この後は?」

「まだここ。焦らないの」

ふーん……まあ、ちょうど日陰のところだし、涼しいから良いけど。

「あー、港は日陰がないな」

日陰で思い出した。

「ないね。ジーク君、何か作ってよ」

「パラソルとかテントでよくないか?」

「持ってないね。泳がないもん」

じゃあ、作るか……

俺達はその後もまったりと過ごすと、凱旋門をあとにし、王都を散策していった。

特に目的もなく歩いていき、気になる店があれば入って、色々と見ていく。

そして、昼食を適当な店で食べると、午後からも王都を見て回り、3時過ぎにはチョコレートケーキが美味しいらしい店に入り、皆で食べる。

「うん! 美味しいです!」

「これが王都の流行りかー。すごいね」

「ええ。確かに美味しいわ」

ヘレンもニコニコ顔で美味しそうに食べており、満足そうで良かった。

「なんか今日はゆっくりですね」

「今日はそれがコンセプトさ。前回はちょっと急ぎすぎたし、足が痛かったでしょ?」

確かに痛かった記憶があるな。

でも、今日は休み休みだったし、痛くない。

「こういうのも良いですね」

「でしょ? 私達はさ、あまり外に出ないし、こういう時になるとはしゃいじゃうんだよ。それとジーク君とアデーレはもうちょっと余裕を持つべき」

言わんとしていることは今日でわかった。

「昔、本部長に生き急いでいるって言われたな。初対面の時だったけど」

「初対面でそれを言われることある?」

あったんだな。

「私は別に生き急いでないと思うけど」

「アデーレは真面目すぎだよ。悪いことじゃないけど、休みの日ぐらいは羽を伸ばそうよ」

「そうね……じゃあ、私のヴァイオリン……やっぱりいいわ」

アデーレがちょっと赤くなり、遠くを見た。

「鑑賞会する?」

「やっぱりやめたってば。恥ずかしい」

「恥ずかしいレベルじゃないくせに」

確かに上手だったな。

「そういう時にミスをするのが私なの」

「そんなことないでしょ。じゃあ、読書大会でもする?」

「寝落ちするまでやるやつでしょ。嫌よ」

「つれないなー」

レオノーラが楽しそうにアデーレのほっぺたをつついた。

その後も町を巡ったりしながらゆっくりし、夕方にはホテルに戻ると、皆で夕食を食べた。