軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ゴロゴロルーム

妖精姫ちゃん達に任せたのは良くなかった。

姫ちゃん達、花か果物しか興味が無いらしく、小麦や種芋、野菜らしき種は気づくと、国の端の方に捨てられていた。

ちょっとぉ!

とんでもないことをするなぁ~!

色々あって、それらは取りあえず、後日に回す用として家の中にしまっておいた。

花は正直よく分からないので置いておくとして、果物はサクランボ、スモモ、ラズベリーが手に入った。

凄い!

取りあえず、赤鷲の団アナさん達にお礼としてお土産にしようと思う。

その前に、スモモを一個かじる。

甘酸っぱい!

美味しい!

妖精姫ちゃん達に分けていると、大蟻さん達が何やら呆然と(推定)こちらを見ていた。

まあ、機嫌が良いので、分けてあげる。

喜んで持ち帰って行った。

しかし、何て言うか、色んな所に場当たり的に育てていったので、わたしの家の前、なんか雑多な感じになっているな。

もう少し、国を広くして、もう少し整頓させた方が良いなぁ。

でも、わたし、そういうの苦手だ。

Web小説のスローライフ系主人公は偉いよねぇ。

イラストでは無く文字で『木木畑畑△△』とかで表現してまで整理してるんだよね。

とっても、偉いと思う!

う~ん、取りあえずはこのままで良いかな?

すぅーっと冷たい風が顔を撫でる。

少し前までは結構暑かったのに、すっかり秋だなぁ。

この辺りは冬になるのは結構早い。

雪も結構積もるから、冬ごもりをすることになる。

去年までは、ママ達にくっついてゴロゴロする季節で好きだったけど、今年は一人っきり。

さみしい……。

いや、そんなことを言っている場合では無い!

冬は狩りがしにくい季節だから、ある程度、お肉を確保しておかないといけない。

食物育成魔法があるとはいえ、寒い中だと驚くほど魔力を使う。

だから、ある程度作り貯めしておきたい

そういえば、妖精姫ちゃん達はご飯とかどうしてるんだろう。

身振り手振りで対話をする。

どうやら、不要とのこと。

ただ、時々果物が食べたいみたいなので、ドライフルーツを多めに作るかな?

ドライフルーツの作り方はエルフのお姉ちゃんに教えてもらっている。

うちの フェンリル(お姉ちゃん) が好きだから、作ってあげたの。

お姉ちゃん、本当に嬉しそうにわたしの顔を舐めてくれたなぁ。

ママも偉い偉いと言って頬ずりしてくれた。

あとは、芋とか野菜類を育てておけば良いかな?

小麦は……加工に手間取ると困るから、最悪無しでも良い。

冬の間にちびちび実験しつつ作っていけば良いでしょう。

わたしとケルちゃんだけなら、正直、そこまで食べないから良いけど、念のために多めに作っておこう。

ケルちゃんもわたしも、成長期だもんね!

そんなことを思っていると、物作り妖精のおじいちゃんが近寄ってきた。

え、保管庫を作ってくれる?

地下の?

それは嬉しい!

え、指定した場所を掘れ?

りょ~かいです!

白いモクモクを駆使して、家のトイレとは逆の方をザクザクと掘る。

何か、大きすぎない?

……まさか、全部ドライフルーツ用じゃ無いよね?

違う?

妖精用のドライフルーツは大樹の 樹洞(じゅどう) にたくさん貯める?

……さようでございますか。

物作り妖精のおじいちゃんの指示通り、木材を加工する。

もう少し、木を切ろうかな。

畑用に国土も広げたいし。

一周分の木を倒し、乾燥させてキープしておく。

もちろん、結界石の移動も忘れない。

あ、薪ももう少し準備しておこうかな。

家の中にある薪置き場は一杯だけど、一冬と考えたらちょっと不安なのだ。

物作り妖精のおじいちゃん!

ドライフルーツ沢山作るから、薪の保管小屋も作って!

――

朝が来た!

今日も晴天、秋晴れって奴かな?

異世界に秋晴れって用語があるかは知らないけど。

昨日は物作り妖精のおじいちゃんが頑張ってくれたから、食料と薪の保管庫をそれぞれ出来た。

素晴らしい!

早速、薪を大量に作る。

四時間ほどで、新設の小屋が満杯になった。

一人プラス一頭(三首)分ならまあ、十分でしょう。

お昼を食べてから、狩りに出る。

弱クマさん、弱イノシシさんをやっつけて、お肉をゲットする。

あと、下のお兄ちゃんが大好きだった、巨大な 雉(キジ) みたいな鳥をなんとか狩るのに成功した。

しかも、五羽も!

全長が五メートル有り、炎系の魔法を飛ばしてくるやっかいな奴だけど、気づかれないようにそっと近づき、白いモクモクでザクザクザクザクザクと首を落とした。

いやぁ、嬉しいなぁ!

肉が美味しいのもあるけど、この羽が綺麗な上、防寒用の羽毛としても使えるので非常に助かるのだ。

布団はママのが有るから、クッションとか作ろうかな?

そこまで考えた後、良いことを思いついた!

物作り妖精のおじいちゃんにお願いする。

簡単?

任せろ?

頼もしい!

”その辺り”はおじいちゃんに任せ、獲物をサクサク捌いて地下の貯蔵庫に持って行く。

中は氷結魔法で作った氷を置いていたので息が白くなるぐらいには寒い。

物作り妖精のおじいちゃんに作って貰った棚の上にブロックにした肉を載せていく。

その時、冷凍魔法を忘れずに行う。

元々ある弱クマさん一頭だけでも結構な肉の量になる上に、プラス前日の弱クマさん肉、プラス弱イノシシさん肉、プラス鶏肉(五羽)で、わたしとケルちゃんだけなら十分冬は越せるだろう。

……地下貯蔵庫、まだまだスペースがあるなぁ。

今ので四分の一が埋まった程度だ。

頑張って、大きくし過ぎたかもしれない。

牛乳とかあればアイスクリームが作れるかな?

あと、野菜の冷凍保存って前世のテレビでやっていた気がするから、そうしようかな?

家に戻ると、物作り妖精のおじいちゃんが手招きをする。

え?

もう出来たの!?

南東側の物置として使っていた部屋に入る。

おぉ~凄ぉ~い!

ありがとう!

物置が外に出来たので、家側の物置を一つ、リラックスルームに改造したいとお願いしていたのだ。

内容は、素足でいられて、ごろんと転がれる部屋である。

物作り妖精のおじいちゃんには、木を組み、部屋の中に十センチほどの段が出来るようにかさ上げをして貰ったのだ。

入り口から直ぐはドアの開け閉め、および、靴を脱ぐスペースが必要なのでそのままの高さ。

それ以外は床が高くなっている寸法だ。

さらにぃ~

急いで、弱クマさんとかの毛皮を持ってきて、部屋の中央に敷く。

そして、靴を脱ぎ上がると、その上にごろんとする。

ゴロゴロ部屋の完成だ!

やっぱり、前世日本人として、靴を脱いだ生活って必要だよね!

凄くリラックスできる。

……うむ、毛皮直だとちょっと良くないかも。

布でシーツみたいに包むのはどうだろうか?

赤鷲の団のアナさんから貰ったのを、持ってきて当ててみる。

……まあ、体を拭くようと言っていたので、さほど大きくないから弱クマさんの皮を包むとか無理か。

大きい布、買ってきて貰おうかな?

あ、でも、 裁断(さいだん) とかもそうだし、 縫製(ほうせい) もしなきゃだし、わたしには荷が重いかな……。

その辺りも、町の職人さんにお願いして貰うとか……かな?

布と毛皮の前でう~んう~んと考え込んでいると、妖精ちゃんが目の前に現れた。

お婆ちゃんな羽根付き妖精ちゃん――妖精さんで、手には妖精基準で巨大な針を持っていた。

え?

糸と布さえ用意すれば、縫製も裁断も任せて大丈夫!?

わたしサイズの服も余裕!?

凄ぉ~い!

え?

代わりにドライフルーツをもっと?

良いでしょう!

クッションもお任せして良い?

問題ない!?

よぉ~し、糸と布に関しては明日の朝、赤鷲の団のアナさんにお願いしに行こう!

挨拶無しの別れ方をしたので、会って謝りたいしね。

そうそう、作った果物のお裾分けもしないと!