軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

地下神殿

地下に広がる大空洞。

ダンジョンだから正確なところはわからない。

だが、そこには自然にできたとしか思えない巨大な空間が広がっていた。

その中心に――人工物としか思えない巨大な神殿が建っている。

大昔に作られた岩を削って作ったようなタイプではなく、精巧に、美しく作られた立派な建物だ。

真っ暗闇で視界は完全に闇に包まれているが、アースソナーの反応だけでも荘厳さを感じる。

なぜ、こんなものが地下にあるんだろうか。

ここに人がいるのだろうか?

だが、さすがにそれはないと思う。

そもそもここはダンジョンの奥だ。

ダンジョンの入り口からもかなり離れていると思う。

それに、なによりもここは地面の下だ。

一般的に言って、ダンジョンで穴を掘る人間自体が少ない。

モンスターが地下にも存在するこんなところで、わざわざサバンナの下に大空洞を掘り、そこに建物を造るとは考えにくい。

ということは、ここはダンジョンが作り上げたフィールドということだろうか。

何気にこういう人工的なものをダンジョン内で見かけたのは初めてだ。

もっとも、僕の経験は偏っている。

入り口付近で穴を掘っていただけだし、その後は草原が超巨大なモンスターの戦いで荒野に変わったところをみたくらいだ。

自分の経験はあんまり当てにならな。

だが、聞いたことはある。

ダンジョンは、奥に進めば景色も変わり、場所によっては遺跡みたいなものがあるというのを、ショート動画で見た気がする。

ってことは、ここもそういう場所の一つなんだろう。

となれば、気になるのは――宝箱だ。

ダンジョンには宝箱が見つかることが時々あって、その宝箱の中には文字通りお宝が入っているのだそうだ。

この地下神殿の荘厳さは、そういう宝箱が一つや二つあっても全然おかしくないように思う。

なら、探さない理由はない。

お宝探しといこうじゃないか。

古墳やピラミッドの盗掘の話を思い出す。

授業で聞いた時には、ひどいことをするものだと思った。

だけど、自分が逆の立場になると、盗掘する人の気持ちもわかる。

目の前にお宝があるかもしれない遺跡があれば――こんなにもワクワクするのか。

「いや、だめだ。落ち着こう。ここがお墓かどうかはわからないけど、こういう場合、たいてい墓守みたいなガードマンがいるんじゃないかな? まずは落ち着いて探知しながら探さないと危ないよね」

胸がドキドキして、ワクワクが止まらなかった僕は地下神殿の入り口へ踏み出しかけて、足を止めた。

墓荒らしの盗賊のことを思い出し、そしてそんな盗掘者を撃退するための存在がいてもおかしくないことに気が付いた。

現実世界ならばそんなことはないのだろうけれど、ここはダンジョンだ。

地下神殿を守るモンスターがいても不思議じゃない。

高ぶる気持ちを抑え、アースソナーを発動する。

周囲を確認しながら――慎重に地下神殿へ向かった。