軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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隠れ家に帰ると、元店員たちが参集していた。ホトルが成果を伝えると、皆の顔は期待に輝いた。

「ホトル。工房に連絡をとり、目利きのできる職人を呼び寄せることができるだろうか。壺がわが商会からの盗品だと判明したら、ホータンを、いや、ケイブンを問い詰めることができる」

「リントス様。職人にきてもらうことはできます。壷がどんな品であるかは明らかにできます。しかし、ホータンは、盗品とは知らなかったと言うでしょう。今の時点では、それ以上の追及は困難かと。せめて以前にホータンとヌーガがロトル領主様に納めた品があればよかったのですが、それはもうこの町にないとのこと。まだ証拠が足りませぬ」

「何とか、何とかならないのか」

「リントス」

「は、はい。レカン様」

「お前は仇討ちがしたいんだな」

「はい」

「それはお前の父と店員たちを殺し財宝を奪った敵の首魁を、自分の手で殺したいということなのか。それとも、そいつの罪が暴かれ、刑を受ければそれで仇討ちになるのか」

リントスはしばらく考え込んでから、しっかりとした声で返事をした。

「できれば私自身の手で一太刀なりと浴びせたいと思います。しかしそれは私個人の思いであり、目的の中心ではありません。私の、いえ、私たちの目的は、凶行の犯人が暴かれること。その罪にふさわしい報いを受けること。そしてその報いを受けさせたのがセプテマ商会長ムッズの息子と店員たちだと神々にご照覧いただくことです。それでこそ父の名誉は回復します」

「なるほど。では、オレに任せてみないか」

「えっ」

「この件については、ケラスとかいうやつが手助けしてくれているらしいし、チャダの領主も仇討ち許可証を出すくらいには同情的なのかもしれん。だが、今必要なのはロトル領主の協力だ」

「そ、それはそうですが、私たちはロトル領主様には何のつてもありません」

「それはオレに任せておけ」

「レカン様が高位の冒険者で、高貴な姫の婚約者であることはわかりました。しかしロトル領主様は、ひどく損得にうるさいおかたで、なかなか協力は得られないかと」

「だからそれはオレに任せておけ」

「どうしてそこまでしてくださるのですか」

「お前が身に着けている脚絆が欲しいからだ。その脚絆は、オレにとってはきわめて大きな価値がある。冒険者としてのオレがより強くなるため、ぜひにも欲しい品なんだ。それはお前の父がお前に残したものなんだろう。だからこれは、お前の父がお前を助けているんだと思え」

「父が、私を、助けてくれる。この脚絆を残してくれたことによって」

リントスは両目を閉じた。

その両目から涙がこぼれ出た。

隣ではマイナが顔を伏せている。その目からも涙がこぼれた。

「あなたに、すべてお任せします」

リントスとマイナと、そして六人の元店員たちが頭を下げた。

そのあとレカンはチェイニーと打ち合わせをした。ニルフトに神殿に行ってもらい、あることを確認してもらったが、その結果は上々だった。機嫌よく食事をして宿に帰った。

翌日、レカンは朝食を済ませるなりロトル迷宮に出かけ、いきなり最下層に跳び、迷宮の主である小火竜を倒した。魔石と素材を〈収納〉に収めると、領主館に向かった。館の前にチェイニーが待機している。レカンはチェイニーを連れて領主に面会を求めた。運よく領主自身が手すきで対応してくれた。

「今オレは、あんたのためにロトル迷宮の主を倒した」

「は?」

「竜肉の半分を除いて、魔石とすべての素材をあんたに献上する」

「は?」

レカンは領主を庭に連れ出し、〈収納〉から竜素材を取り出し始めた。

領主はあんぐりと口を開けた。

レカンはなおも次々と竜素材を取り出す。

領主の口は閉まるどころか、次第により大きく開いていった。

「竜が、小火竜が、丸ごとだと? なかの肉は抜かれているが、首が飛ばされている以外、まるまる一頭分の竜の皮だと。こんなものはみたことがない。聞いたこともない」

「肉の半分は献上する。半分は保存が利くように処理してオレにくれ」

「あ、ああ」

「実はもう一頭分の素材がある」

「な、何だと! そうか、やはり貴様の、いや貴殿のしわざだったのだな。一度目も二度目も」

「そうだ。そしてもう一頭分の素材については、そっくりチェイニーに引き渡す」

「なにっ」

「えっ?」

「扱いはチェイニーに一任する」

「レカン様」

「チェイニー。もちろん私に売ってくれるんだろうな」

「は、はい。もちろんでございます」

「今日はなんと喜ばしい日なのだ。ああ、大エレクスよ!」

「あんたに一つ頼みがある」

「私にできることなら何でもしよう」

「ここの町の〈真実の鐘〉を使って、チャダの町の商人リントスとその一党が、この町の商人であるホータンに質問する手はずを調えてくれ。鐘が一年以上使われていないことは確認してある。そしてその場にあんたの信頼できる代理人をよこしてくれ。結果によってはホータンことケイブンは大きな罪に問われることになる。それはロトル領主であるあんたが裁くことになるんだろうからな」

当惑している領主に、チェイニーが事情を説明した。

そこからは怒濤のように事が進んだ。

〈真実の鐘〉を使った質問で、宝物強奪の犯人をホータンことケイブンが知っていることが明らかになるや、ロトル伯爵はケイブンを拘束し、魔法と拷問を交えた激烈な尋問で、知っていることを洗いざらい白状させた。その過程でヌーガことゼアハドも陰謀に加担していたことが明らかになり、やはり捕縛されて手厳しい尋問を受けた。

襲撃と強奪を計画し指示したのは、メイス商会長ケラスだった。そして襲撃を実行したのは、チャダ伯爵の兵だった。

こうした事実が明らかになるのと前後して、ニルフトがチャダの町に派遣した密偵が帰ってきて、レカンは事件の複雑な背景を知らされた。