軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「なるほど。そういえば、そいつは魔法剣で〈炎槍〉をはじき飛ばしていたが、オレも〈彗星斬り〉で同じことができるだろうか」

「できるよ。試してみりゃいいじゃないか」

考えてみたら、ずっと〈インテュアドロの首飾り〉を着けていたので、〈彗星斬り〉で魔法を斬るような場面はなかった。

「それから、〈彗星斬り〉は〈インテュアドロの首飾り〉の魔法障壁を素通りしたのに、相手の魔法剣は防いだ。あれはどういうわけだろう」

「なんだって? 〈彗星斬り〉が魔法障壁を素通り? 斬り裂いたんじゃなくて? 〈インテュアドロの首飾り〉ってのは、あんたがニーナエでせしめてきた装備だね。うーん。あれの障壁の仕組みはよくわからないんだよ。調べてみるから、しばらくあたしに貸しておくれ」

「それはいやだ。ところで、これが何とかならないだろうか」

レカンは真っ二つに割れた〈ウォルカンの盾〉を出した。

「うわあ。やっちまったね。この盾がこんなふうに割れるなんてねえ」

「くっつけられないか」

「くっつけるのはできるさ。でも恩寵は戻らないね」

〈ウォルカンの盾〉には、〈対魔法防御〉〈対物理防御〉〈縮小展開〉の三つの恩寵がついている。恩寵あってこその〈ウォルカンの盾〉なのだ。

「なんとか恩寵もつけた状態に修復できないか」

「無理だね。壊れて恩寵を失った恩寵品を人間が修理しても、恩寵は戻らない。そいつは摂理といってもいい」

レカンはがっかりした。シーラなら何とかできるのではないかと期待していたのだ。しかしシーラでもできないようだ。あまりに残念だったので、ぽつりとひと言付け加えた。

「修復できたら、礼にヴルスの魔石を譲ろうと思ってたんだが」

「なんだって」

シーラの目がぎらりと光った。ヴルスというのは、レカンがもとの世界で倒した竜だ。以前レカンはその魔石を数日間シーラに預けたことがある。シーラはこの異世界の竜の魔石はひどく貴重で有用なものだと言っていた。

「あんた、あの魔石の価値がわかってるのかい。あれは本当に掛け値なしに貴重なものなんだよ。〈ウォルカンの盾〉はいいものだし、それなりに珍しいものだけど、ただの盾にすぎない。とてもじゃないけど釣り合わないよ」

「オレがヴルスの魔石を持っていても、大きな魔力貯蔵庫としてしか使えない。だが、〈ウォルカンの盾〉は本当に便利だ。オレにとっては、ヴルスの魔石より〈ウォルカンの盾〉のほうが、はるかに価値が高いんだ」

「ううーん」

シーラはしばらく考え込んだ。そして顔を上げた。

「盾を直したら、ほんとに異世界の竜の魔石をくれるんだね」

「ああ」

「しかたないね。何とかやってみるよ」

できるようだ。

「ついでにこいつも何とかならないか」

折れた聖硬銀の剣を二振りレカンは取り出した。一つはレカン自身の剣で、もう一つはゾルタンが持っていたものだ。

「また無理な注文を。うーん」

シーラはまたしばらく考え込んだ。

「まあ、いいだろうさ。ただし、この二振り分の残骸を混ぜて一振りの剣を作り直すことになると思う。それでいいかい」

「それでいい」

「少し材料が余るけど、それはあたしがもらうよ」

「ああ」

「それにしても、あんたねえ。久しぶりに師匠のとこに来たのに、どこで何してましたの報告もなけりゃ、土産の一つもない。自分の知りたいことを聞いて、自分の欲しいものを要求するだけ。それは人としてどうなんだい」

「土産だと?」

レカンは、何かシーラの土産になるものがあるだろうかと考えた。

「カパドア迷宮の鉱石には興味はないか?」

「カパドア迷宮の鉱石か。みせてごらん」

レカンはいくつかの鉱石を出した。

「こりゃあいい。ちょうど鉱石が足りなくて、手に入れなくちゃと思ってたところなんだ。手間が省けて助かるよ」

「あんたが自分でカパドア迷宮に行けばいいんじゃないのか?」

「迷宮にはもう行かない。そう誓ったんだ」

いったいなぜそんなことを誓ったのだろう。不思議に思ったが、わけを聞くのはやめた。話していいときがきたら、シーラのほうから話してくれるだろう。

「あんたのことだから、カパドアも踏破したんだろうね、レカン」

「ああ。あそこは雑魚がうじゃうじゃ湧いて出るからな。〈驟火〉と〈雷撃〉が役に立った」

「全部お出し」

「なに?」

「カパドア迷宮で出た鉱石を全部お出し」

「このベランダには置ききれないと思うが」

「大丈夫だよ。お出し」

レカンは次々に鉱石を出した。シーラはそれを無造作に吸い取っていった。

「ありがとうよ。さて、聞きたいことはもう終わりかい?」

「いや、もう一つあった。あんた、ツボルト迷宮を踏破したか?」

「したよ」

「最下層は、恩寵無効だったろう?」

「だったね」

「ならば〈彗星斬り〉も使えなかったはずだ。どうやって戦ったんだ」

「あんた、何を言ってるんだい。あたしは魔法使いだよ。魔法で戦ったに決まってるだろう」

「あの魔獣は魔法を吸う。魔法では倒せないはずだ」

「やれやれ。成長してないねえ。自分の尺度で人をはかるんじゃないよ。魔法を吸う敵なら、魔法を吸わせないように戦えばいいんだよ」

「どうやればいい?」

「それは自分で考えな。あたしは用事ができたから、ちょっとよそに行くよ」