軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第383話 一夜明けて

『アンダーアイ』の拠点に攻め込み壊滅させてから、約一日が経過した。

ちなみにあの後だが、三人を担いで建物の外を目指している途中で、こっちの建物へ応援に駆けつけてくれたラルフ、ヘスターと合流。

ラルフはミエルのサポートへと向かい、ヘスターが俺と共に満身創痍の三人を一緒に運び出してくれた。

それから建物の外を出たまでは覚えているのだが……外に出て日の光りを浴びたことで緊張の糸が切れたのか、俺もアレクサンドラとブルースを担いだまま倒れてしまった。

そして今現在、気づいたら見知らぬ天井で何も分からないまま目を覚ました状態。

約一日と言ったのも感覚的な部分で、横から見える窓から朝日が差し込んでいることから、『アンダーアイ』を殲滅したのが昨日の昼過ぎぐらいで、その翌朝まで眠ってしまったのではないかという予測を立てただけ。

体の疲れもまだかなり残っているし、もう少しこのふかふかのベッドで眠っていたいところだが……。

あの後何がどうなったのか全く分からないため、現状の確認を行うという意味でも誰かを探したい。

ベッドから無理やり体を起こした俺は、まずは今いる部屋の確認から行っていく。

かなり広めの部屋で、俺が寝転んでいたベッドと同じタイプのものが六つ置かれている。

俺の他にベッドを使用しているものはおらず、今はこの部屋に俺しかいないが恐らく仮眠室か何かだろう。

均等に置かれたベッド以外には特筆した何かはなく、何気なしに外を見てみたのだが、今いる場所は三階くらいの高い場所。

それも下に見えるのがメインストリートなことから、王都の一等地に建っている建物だというのが分かった。

思い浮かぶのは『レモンキッド』だが、『レモンキッド』はもっと外れた位置にあるしこんな広い部屋はない。

となると、残された可能性は一つだけで……恐らく王国騎士団の屯所。

俺が今いる場所に見当がついたそのタイミングで、部屋の扉が叩かれてから誰かが入ってきた。

外を見るのを止めて振り返ってみると、部屋に入ってきたのはアレクサンドラだった。

「あっ! クリスさん、お目覚めになったんですね! 全然目を覚まさなかったので心配していましたが良かったです」

「アレクサンドラも無事だったんだな。……ここは王国騎士団の屯所だろ? 使わせてもらって助かった」

「いえ! 命を助けて頂きましたし、こんな何もない部屋しかお貸しできず恥ずかしいぐらいです」

首を横にブンブンと振り、本当に恥ずかしそうに俯いたアレクサンドラ。

それにしても意識朦朧としていたのにも関わらず、普通に動けているみたいだし元気な感じだな。

俺の方が眠っていたみたいだし、もしかしたらブルースやギルモアももう目覚めているのかもしれない。

「そういえばブルースやギルモアは大丈夫だったのか? それと他の王国騎士たちもかなりの被害だっただろ?」

「クリスさんのお陰でブルースとギルモアも無事でした。ダメージが酷くまだ目覚めてはいないのですが、命に別状はないとのことです。他の騎士につきましては……建物に突撃した騎士の約六割が戦死。生き残った四割も半数以上が重傷と、想定以上の大打撃ではありましたね」

ブルースとギルモアは無事だったのか。

他の騎士についても、あの惨状を見る限りは生き残っている方と言えるだろう。

闇市場の入口に隊の半分は置いてきている訳だし、死者数でいえば三十人ほど。

更に十人以上の重傷者を出したといえど、『アンダーアイ』を相手にしたと考えれば被害はかなり抑えられた方だと俺は思う。

「そうだったのか。建物に入った半数以上が死んだのは残念だと思うが、ブルースとギルモアが生きていたのは良かった」

「全てクリスさんのお陰です。改めて本当にありがとうございました」

「礼なんかいらない。元はといえば、俺が『アンダーアイ』の討伐を手伝ってもらっていた側だからな。巻き込んで悪かった」

深々と頭を下げてきたアレクサンドラを見て、なんだか申し訳なくなったため頭を下げて謝罪をする。

俺は明確な優劣をつけて、先にラルフとヘスターの方に向かった訳だしな。

決してお礼を言われるようなことはやっていないし、逆にこっちが謝らなければいけない立場とも言える。

「あ、頭を上げてください! 私達は命を救われた身なんですから! ーーそ、そうです! ラルフさんやヘスターさんも心配しておられたので呼んできますね!」

俺からの謝罪に慌てふためいた後、ラルフ達を呼びに行くと告げて逃げるように部屋から出て行った。

もう少し色々とその後どうなったかについて聞きたかったが、行ってしまったものは仕方がない。

ラルフとヘスターを呼びに行ってくれたようだし、二人から『アンダーアイ』のその後や俺が気絶した後のことを詳しく聞こう。

それまでは……特にやることもないし、ベッドの横に立てかけられているヴァンデッタテインの手入れでもして待つとしようか。