軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第92話 狩りの指導

森の中は色々な匂いがするからか、やたらとテンションが高いスノー。

今にも鞄から飛び出しそうなのを俺は必死に押さえながら、道中で襲ってくる魔物を退け、拠点へと辿り着いた。

スノーを拠点の中で放し、俺も一息つくために腰を下ろす。

さて、まずは何からやろうか。

俺が一番やりたいことといえば、オンガニールの確認なんだが、それは最後のお楽しみとして取っておこう。

生えてなかったらやる気が一気にだだ下がるから、最後に確認するのが気持ちの面でも一番良いはず。

となると、無難に有毒植物の採取からか、いきなりスノーに狩りを教えるか、なのだが……。

俺は少し迷った末に、スノーに狩りの仕方から教えることにした。

元気が余りまくっているし、このタイミングで教えて、採取に行っている間はこの拠点で寝ていてくれるのが理想。

そんな考えから、まずはスノーの狩りから着手することに決めた。

さて、どう狩りを教えるかなのだが、人形でのキャッチボールができていた訳だし、俺が実際に狩るところを見せれば勝手に覚えてくれるのか?

道中のゴブリンやコボルトに襲われた際は、鞄から飛び出して助太刀しようとしてくれていたしな。

尻尾を振り回しながら遊びたがっているスノーを見ながら、どうするかを決めた俺は、スノーを連れて実際に動物を狩ってみることにした。

狙うは、簡単に狩れる野兎だな。

スノーを鞄に入れて拠点から連れ出し、野兎を探して付近を歩き回る。

――おっ、早速発見。

目の前に無警戒に跳ねて回る野兎がいたため、俺はそーっと近づき一気に耳を掴んで捕まえた。

即座に締めて、血抜きを行っていると、スノーは興奮したように鞄から身を乗り出して吠えている。

野生の本能なのか分からないが、死んだ兎に対して吠えまくっているな。

とりあえず後は、この兎の肉を食べさせてあげれば、狩りというのがどういうものなのかを理解できるはず。

血抜きをした兎を持って、再び拠点へと戻ってきた俺は、スノーに肉を与えてみることにした。

生でも大丈夫だとは思うが、スノー自身がまだ小さいため念のため火を通してから与えてみる。

「ほら、ちょっと食べてみろ」

持参した皿に焼いた兎肉を置き、スノーの前に置く。

少し前からミルクだけでなく、固形物もあげるようになっていたから大丈夫だとは思うが……。

興味津々で駆け寄ってきたスノーは、兎肉の匂いをしばらく嗅いでから、味見するかのようにゆっくりと口にした。

すると、何故か軽くジャンプし、一度吠えてから勢いよく兎肉を食べていく。

どうやら口に合ったようで、あっという間に皿に盛られた肉を完食した。

「美味かったか? これが“狩り”というもので、自力でご飯を食べる方法だ」

「アウッ!」

言葉が分かっているのか分からないが、返事をするように吠えたため、俺は数回頭を撫でた。

後は、今のスノーに丁度良い獲物を見つけてきてあげるだけだ。

スノーを拠点に置いて、俺は付近で何か小動物がいないかを探す。

流石に野兎は大きすぎるから、もっと小さい動物がいればいいんだが……。

辺りを探していると、木に登っていくリスが見えた。

リスなら今のスノーでも狩れるだろう。

一気にリスの登って行った木へと近づき、ジャンプしてとっ捕まえる。

殺しはせずに、このリスをスノーのいる拠点に放してみることにした。

さっきので理屈が分かったなら、うまく狩ると思うんだけどどうだろうか。

拠点を塞いでから、リスを放して少し遠巻きにスノーの様子を窺う。

リスに気づいたスノーは、首を何度か傾げたあと、上体を低くさせて構えると――一気に飛びついた。

これは成功したか?

…………一瞬そう思ったのだが、噛みつきや引っかきはせずに、ただリスとじゃれているだけ。

楽しそうにリスを追っかけまわし、リスは必死にスノーから逃げ回っている。

最終的には二匹とも疲れてしまったのか、体を寄せ合うように寝てしまい――俺の目論見は完全に失敗に終わった。

……まぁ、簡単に上手くいくとは思っていなかったし、この一週間で一匹だけでも何か狩ることができればいい。

そう気持ちを切り替え、俺は寝ている二匹を置いて、植物採取へと向かったのだった。