軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ナサ―ル坊ちゃまの夏休み③

お昼ご飯は園内のレストランでお母様も一緒に全員で食べたんだ。

お兄様たちはハンバーガーとホットドッグやポテトフライ、サラダを食べていたけれど、僕には量が多いからホットドッグにしたんだ。

お野菜はあまり好きじゃないんだけど、この旅行中はサラダも美味しい汁を掛けてくれるからモリモリ食べれるんだ。

だから、ホットドッグと一緒に緑と赤と黄色っていろんな色の野菜の入ったサラダも食べたら、お母様が褒めてくれたんだ。

お昼ご飯の後は、家族全員で『悪霊の館』へ行く事になったんだ。

僕は羊のいる広場か草そりが良かったのにぃ・・・・。

まずお父様とお母様だけで中に入ったら、係のお姉さんがさっとお兄様たちの前に立ち、「少々お待ち下さいませ」と止めてたから、お父様とお母様のお二人だけでどんどん奥に入って行っている。

中は暗いから僕は一人では入りたくないんだ。

次にお兄様たち2人が一つのランプを持って中に入ったら、またさっきの係のお姉さんが僕とお姉様の前に立ちはだかった。

お兄様たちの背中が見えなくなってから、お姉様にランプを一つ渡し、「どうぞ」って言われたけど、僕、本当は中に入りたくないんだぁ。

小さな子供だけでは危ないからと特別にリリーも一緒にしてくれたんだけれど、怖いものは怖いんだ。

でも、お姉様が僕の手をしっかり握ってぐいぐい引っ張るから中に入らざるを得なかったんだ。

火が空を飛んでいて、左から右へ、そして左へ、高さを変えて飛んでるんだよ。

もしかして、これが悪霊なの?

僕、怖いよ。

でも、お姉様がぐいぐい手を引っ張るし、後ろにはリリーが居てくれるから何とか前に進んだんだ。

そしたら今度は進行方向に柵があって立ち止まらなくちゃいけなくなってて、しばらくそこに立ってたら、「ドスン」って鈍い音がして、床がゆれたんだよ。

しかもその「ドスン」って音、人が歩いているリズムで何度もするんだよ。

段々と足音が近づいて来て、床の揺れも大きくなって、すぐ横辺りに来たと思ったら何か冷たい物が僕の顔に「ぺしゃ」と当たって、僕は思わず大きな声で「びゃーっ!」って泣いちゃった。

おしっこもちょっぴり漏らしちゃったよ。

だって、悪霊が近づいて来て、僕の顔に触っている気がして怖かったんだもの。

ぐずぐず泣いていたら、柵がなくなったのだろう、容赦ないお姉様の手がまたグイグイひっぱるから通路を進んでいると、古そうな肖像画が正面と通路の両脇に数枚飾られていたんだけれど、目の所だけが光ってて、僕たちが歩くのに合わせて目が動くんだよ。

怖いよ、僕・・・・。

急に生暖かい風が首の所に吹いてきたり、「わっ!」と大きな声を出す、黒っぽい悪霊が扉から顔を出して来た時には、流石のお姉様もリリーも「「きゃー!」」って言って、通路を思いっきり走ったんだ。

僕はお姉様程早く走れないからコケそうになったけど、ここで独りぼっちにされたら僕死んじゃうから、思いっきり走ったよ。

出口だと思う光が射している所、黒い大きなローラーが2本縦に並べられていて、そこの間を通らないと外に出られないんだ。

だけどね、そのローラーの一つにね、さっきの怖い悪霊が貼り付けられているんだよ。

リリーが言うにはあれは人形なんだって。

でも、僕、あの悪霊に触りたくなかったから、中々あのローラーの間を通れなかったんだ。

なのにお姉様はさっさと僕の手を離して、自分だけローラーの間を潜って外に出たんだ。

リリーは僕の後ろに居てくれたんだけど、「お坊ちゃま、早く外へ出ないとずっとこの中は怖いですよ」って急かすんだ。

あんまり僕が怖がってどうしてもローラーの間を通る事が出来なくてずっとそこに立ち尽くしてたら、さっきまでそこにドアがあるって思ってもない所が開いて、入口の係のお姉さんが僕だけ特別にそのドアから外へ出してくれたんだ。

そうでなければ、僕は今頃悪霊に食べられていたと思うんだ。

明日もここへ来る予定だけれど、もう絶対、絶対、絶対、この『悪霊の館』へは入らないぞ!

僕がちょっぴりおしっこ漏らしてたり、めいっぱい泣いたから、リリーが売店で下着を買ってくれて、トイレでお着換えをして、顔も洗ってくれたんだ。

ここのテーマパークの中にはいくつか売店があるんだけれど、鉄道お化けの横と、ここの売店では下着も売っているんだってさ。

午前中に行った動物のふれあい広場へもう一度連れて行ってもらって、ウサギさんとか羊さんに触ってさっきの怖かった気持ちは忘れる事にしたんだ。

本物のウサギさんとか、羊さんって僕、初めてだから何度ここへ来ても嬉しいよ。

ウサギさんの餌も売っていて、僕も人参スティックをウサギさんの口の所へ持って行ったら、ちゃんと食べてくれたんだよ!!

今回は、ポニーの背中にも乗せてもらったんだ。

係のおじさんが手綱をひいてくれるから、ゆっくりポニーが歩くんだ。

お父様みたいに僕もいつかは馬に乗るつもりだから、ポニーに乗れてうれしい!

しかもこのポニー、まっしろでカワイイんだ。

まだボートにも、メリーゴーランドにも乗ってないし、草そりの丘とか、ジップラインって言う長~いロープにぶら下がって上から下へ向けて降りるのまであるんだけど、それは明日なんだって。

定期便の馬車に乗ってホテルに戻って来たら、夕食まで時間があるって言われたので、占いコーナーに連れて行ってもらったんだ。

お姉様がとってもはしゃいで色々聞いていたけど、最後には僕も1回だけ占ってもらえる事になったんだ。

何について聞いて良いか分からなかったから、「ポニーが欲しい」って言ったんだ。

そしたら綺麗な色んな絵が付いたカードがいっぱい並べられて、紫のベールをかぶったおばさんに言われた通りカードを纏めたり、切ったり、重ねたりした後、「ポニーは持つ事ができませんが、学園を卒園して3年後には茶色馬を手に入れる事が出来ます」って言われたので、とっても嬉しかったんだ。

夜は4階のレストランで湖を見ながら夕食だったんだけど、僕のお皿は昨日と同じで馬車の形をしていたんだ。

いろんな料理がその馬車に載せられていてとっても綺麗だし、かっこいいし、そして美味しかったんだ。

館に帰ってからもこの馬車のお皿でお料理を出して欲しいなぁ。

「今回の旅行はとても楽しいわね。この際、ゴンスンデのデパートも見て見たいわ」ってお母様がお父様に言って、僕たちの夏休み旅行は計画通り明後日帰宅するのではなく、更にゴンスンデまで行ってから帰る事になった。

やったね!