軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ペペの起業奮闘記③

「もう死んだ!忙しすぎて死ぬぅぅぅ」

リア先輩が大声を上げた。

さもありなん。

こっちも死にそうに忙しいから、リア先輩が忙しすぎるっていうのは分かるよ。

だって、リア先輩にはテーマパークの他にも、王都のレストランやあっちこっちの高級ホテル、その内の1つにはカジノ、別のにはデパート、ビジネスホテルもあれば、鉄道もあり、調味料工業団地とかあるからね。

僕の何倍も忙しいってのは想像できるよ。

だけど同時に人が揃っているっていうのも実は羨ましいんだよね。

表立っては父君が、事務仕事はダンテスさんが、そして開発などはあややクラブの元メンバーでもあるランビットが、調味料工業団地も名前は知らないけどもさもさ頭の女の人が、鉄道に関しては大公様の精鋭の一人が力を発揮してるそうだ。

もしかしたら僕の知らない事業もされていたり、もっといろんなキーマンを抱えているのかもしれない。

すごいのは今まで手掛けた事業、どれも成功しているって事だよね。

それも大成功。

リア先輩の年齢は聞いた事がないけれど、1学年上って事は僕と年もそんなに違わないって事だ。

そんな年齢の人がこんなにも手広く色んな事業を成功させているっていうのが凄い。

だから大公様の精鋭に選ばれたのかな。

いや、大公様の精鋭だからこそ、ここまでの成功を勝ち取る力があったのだろう。

アッと言う間にテーマパーク内の建物が出来て、今はアトラクションを建てている所。

その前にはナイトル店からテーマパークまでの道も作っていたから、仕事が早いよな。

こっちも急いで必要な人員を揃えて教育しないとだね。

漸く従業員寮も出来て、半分は雇った人たちで埋まったけど、残り半分も見つけて来なくちゃいけない。

売れない役者たちはみんな雇えたし、清掃なんかは特技が必要な職業でもないから問題無いのだけれど、パレードのメインになる見目の良い男女とかがまだなんだよな。

それと衣装関係の人たち。

衣装と服は違うんだってリア先輩が言っていた事が漸く分かって来た気がする。

園内の制服は民族衣装だから問題無いとしても、パレードの衣装は派手だし、フリルとかいっぱい付いたデザインになるから、裁縫の技術をある程度持っている人でないと対応できないだろうし、何より制服も含めて刺繍が多いので大変だ。

外注するにしても補修なんかの為に一人はお針子をウチのお抱えとして雇いたいし、社員寮だと食事も提供しないといけないから、料理人だって必要になってくる。まぁ、村の主婦を雇って何とかしてはいるんだけどね。田舎料理しか出て来ないんだよね。

雇人の人数が増えたら、調理人の数も増やさないとだしなぁ・・・・。

何もない田舎なので、各自で作れって言っても難しいよなぁ。

高級ホテルで食事するにしても毎食はとてもじゃないが高くて食べられないだろうし・・・・。

リア先輩は今までこういう些末な事までひとつずつ解決して行ったんだろうなぁ。

魔法障害物競争を企画した時だって、本当に緻密に、そして途中で変更が必要になったらさっさと変更したり、まぁ、それはリア先輩だけじゃなくって闇お・・・・ゲフンゲフン、アドルフォ様もそうだったけどね。

セシリオ様やボブ先輩は仕組みとかシステムを考えるのがとても上手だったし、あそこのクラブは本当に人材が揃っていたよな。

しかし、それもこれもリア先輩が居なければ何も始まらなかったんじゃないだろうか?

その証拠に、あややクラブの方たちは口を揃えて、アイデアはリア先輩って言ってたもんね。

僕にリア先輩が期待してくれている程の成果を出せるだろうか?

あの人、本当に凄い人だからなぁ。

望まれる水準がとてつもなく高いんじゃないだろうか?

そんな風に不安な気持ちで一杯になった。

僕は俯いてたんだろうなぁ。

どっかから戻って来たベレンが、そんな僕を見て「イベントって楽しい事をやるんだから、それを考えたり作ったりする人は楽しい気持ちでいないとダメだよ」って言った。

あ、これ、学生時代にも彼女に言われたなぁ。

魔法障害物競争の時、あややクラブの人たちの凄さに触れ、憧れると同時に、自分の不甲斐なさにすごく落ち込んだ時があった。

その時もベレンは同じ事を言って励ましてくれた。

そうだね。前を向かないとね。

明日は、リア先輩の父君と追加の融資の件で話し合いがある。

こちらが自信なさそうにしてたら、貸そうと思っていた資金も貸せなくなるって思われるかもしれない。

よっし、空元気で良いからポシティブに考えよう。

最初の融資の時、先輩の父君は、「土地、建物、アトラクションはこちらの資金で用意し、こちらで管理をするけれど、人を雇うと言うのはとても大変な事だし、お金も掛かる。ある意味博打でもあると私は思うんだよ。人件費に関してはこちらである程度の金額を算出して貸す事にするけれど、従業員寮くらいは自分たちで資金を集めてごらん。反対に言うとね、それくらいの資金を自分で集めれない様では、人集めも難しいと私は思うんだよね。どうかな?」と言われた。

両親からも借金したし、ベレンも家から借金をしてくれた。

従業員寮も出来るだけ安く建てる様に、色々工夫する方法も探した。

曲がりなりにも従業員寮は建てる事が出来た。

その結果、融資をしてもらえたけれど、今度の会合ではどんな課題が出されるかなぁ?

いやいや、前向き!前向き!

一人で解決できなければベレンもいてくれるんだしね。

元ひよこクラブの何人かも一緒に働いてくれる様になったんだし、ここで立ち止まっちゃだめだ。

こんな大きなプロジェクトが初仕事だとしても、どんな課題でもどんと来いだ!

リア先輩について行きますっ!