軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ペペの起業奮闘記②

リア先輩の描いた絵では、建物がピグミンの木造の建物で、屋根は茅葺、柱にはカラフルなペンキが塗ってあり、特徴のある幾何学模様が描かれている。

リア先輩曰く、コロボックルが出て来そうと言ってたが、コロボックルって何だ?

園内で働く人の服もピグミンの民族衣装で、女性は白の綿に建物の柱と同じ様なカラフルな幾何学模様が刺繍され、男性の服は黒地に同じ様にカラフルな刺繍がされている。

アトラクションは新しい技術なのに、園内の雰囲気はピグミンの牧歌的な雰囲気になっている。

周辺の麦畑ととても調和していると僕は思う。

ベンチなんかも細めの丸太で作ってある感じだし、針葉樹ではなく、広葉樹が多く植わっている感じだ。

園内の植樹は忙しいだろうに、リア先輩の父君が嬉しそうに植えて、整えていた。

「私のスキルと経験を活かせるからねぇ。多少忙しくても私がやりたいんだ」とおっしゃっていたので、恐らく樹木関係のスキルをお持ちなんだろう。

「テーマパークの営業時間内では、掃除をする人はこういう道具を使って、踊りながら掃除をしてもらいたいの」

ああ、これって塵取りだっけ?

塵取りに長い棒が付いていて、しかもゴミを入れる所には蓋までついている。

箒は一般的な箒だな。

「兎に角、テーマパークの中に入ったらお客様は全員、オルダル国ではなく、ピグミン国に居ると感じれる様にしたいのね。で、そこで働く人たちは、ピグミン国の御伽噺に出てくる精霊の役をして欲しいの。人間っぽく無く、精霊の様にって事ね。だから、スタンドで食事を売る人も、園内を掃除する人も、アトラクションを運転する人も、精霊になり切って欲しいの」

「あの・・・・聞いてもいいですか?」

「はい、どうぞ」

「リア先輩は、どうして働いている人たちが精霊でなければいけないと思っているのですか?」

「それはね、テーマパークの中に一歩足を踏み入れたらお客様に日常を忘れてもらいたいから。ここはオルダル国ではなく、テーマパークなんだってね。だから、立ち居振る舞いが多少大げさになってもいいから、人間じゃない感を出して欲しいの」

「う~ん。中々難しいですね」

「ぺぺ君の所は、俳優さんたちも雇っているんだよね?」

「はい」

「なら、彼らを先生に、歩き方とか、指先の動かし方とか、目線の配り方とかを教育すればいいんじゃないかな?完璧でなくていいから、少しでも日常感を拭えればいいのだから」

「なるほど・・・・やってみます」

リア先輩の頭の中にはこうあって欲しいというイメージがくっきりと浮かんでる。そんな気がする。

だって全然ブレないんだもの。

ああ、そのイメージをそのまま僕の頭の中に植え付ける事ができたら、イメージを共有できて話は簡単なんだけどなぁ。

まぁ、リア先輩は何時も絵を用意してくれるから、イメージを補完するのにとっても役立っている。

それ以上をのぞむのは贅沢ってものかもしれない。

「イベントの方はいくつか案を出してもらって、その中から複数選んで、イベントカレンダーを作ってみたいの」

「どれくらいの数、イベントが必要ですか?」

「最低でも季節毎に1回はイベントが欲しいかなぁ」

「もちろん僕も案を出しますが、リア先輩の方で何か考えている事があったら教えてください」

リア先輩はしばらく考えたみたいだけど、「大食い競争とか、美人コンテストとか、歌のコンテス・・・・あっ!音が鍵になるイベントは映像に記録できないからダメかぁ・・・・ならジェスチャークイズ?」と何かモゴモゴ言ってる。

映像って?画像のこと?

そんな事を思っていたら、ボブ先輩の所で新たに動く画像を記録する道具の開発に成功したって教えてくれた。

だけど音声は同時に記録できないから、耳で聞く事は考えず、目で見るだけで楽しめるイベントが良いとのこと。

う~ん、それなら確かに美人コンテストとかは良いかも。

イベントクラブが前にやってたけど、出場者を募るのが難しいだけで、予算も道具も少しで済みそうだ。

大食い競争ってどんなんだろう?

もし無料で料理を大量に食べれるなら、貧乏人が大挙して押し寄せるんじゃないかなぁ?

リア先輩が言うには賞金を出す代わりに、参加費用を取れば大丈夫って言ってるけど、そんなにうまくいくかな?

後、目で見て楽しむ・・・・服を作る工房で綺麗な服を作るのを競わせるとか?

「あっ!それいいね。2通りイベントが出来るかも」

リア先輩は僕の一言で早くもイベントを2種類も考え付いたの?

それ、すごくない?

「一つはファッションショーって言って、各工房で作ってる自慢の洋服を綺麗な女性とか男性に着せさせて舞台の上を歩かせるの。で、裕福な貴族を招待して、欲しい服をその場で注文してもらったり、最後に優秀な工房を表彰するなんてのもいいね。優勝工房を決めるには、審査委員にどの服が良かったか選ばせるとか、イベントを見に来た人に投票してもらって一番票の多い工房が優勝とかね」

おおおお!それはすごい発想だ。

「もう一つは」

え?さっきのが2つのイベントじゃないの?優勝する工房を決める方法が2種類あったよね?

僕の驚きに気付かないのか、リア先輩の話は続く。

「題材をこちらが決めて、その題材に合わせた服を各工房に作ってもらって優劣を競うの」

おおおお!僕はこっちの方が好きかもしれない。

でも、こっちが勝手に題材を決めると、参加してくれる工房が少ないかもしれない・・・・。

「もし、工房が参加するのを渋る様なら、素人の中から、裁縫で身を立てたいと思う人を集めてコンクールにするって言う手もあるよね。その場合、優勝者は有名な工房へ就職できる可能性があるって感じにしたら参加者には困らないよね」

うはぁ。リア先輩ってアイデアの宝庫だ。

2種類って言いながら、結局は3種類のイベントをパパパっと思い付くなんて、凄い。

前から、いろんなアイデアを思いつく人だなぁって思ってはいたけど、これ程ポンポンと新しいアイデアが出てくるとは思わなかった。

凄すぎる!

商会を運営して行く上で、リア先輩と出会えた事は何にも代えがたい財産だ。