作品タイトル不明
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期末試験ならぬ期末レポートも主席だったよ。
う~ん、報告書とか書きなれていそうな闇王様とかが得意そうだったので、まさか主席になるとは思わなった。
そんな事をダンヒルさんに言ったところ、レポートを拝見したいと言われてしまった。
ちょっと恥ずかしかったが採点されたレポートをダンヒルさんに手渡した。
「まず、表紙が良いですね。ダマに文章が始まらずレタリングされた綺麗な文字でタイトルと制作者名、作成年月日が記入されている事で、レポートを読まずしてだいたいの内容の想像が付きます。たくさんあるレポートの中から直ぐに見つけられるという利点もありますね。表紙って大事なんですねぇ」
「え?まぁ何も考えずに付けちゃいました」
そう答えたらダンヒルさんから良い笑顔を向けられた。
「すごいですね。表紙をめくると目次があるんですね。何々?序論、本論、結論と参考文献リスト及び資料ですか・・・・。アウレリア様、すごく論理的な構成だと思います。私も学園は卒園しましたが、この様な構成のレポートは初めてみます。もしかしたら教授陣でさえ、この様な論理的且つ分かりやすいレポートを作った人はいないんじゃないでしょうか・・・・」
「まさか、そんなぁ・・・・」
「いやいや、冗談ではなく、これは凄いレポートです。まだ中身を読んでませんが、このレポートが客観的な視線を持って、論理的に書かれた事が分かります」
ダンヒルさんは私のレポートをべた褒めしている。
はずかしいよぉ。
「ほほう、序論でアウレリア様が学園に所属する4年生である事、自分で高級ホテルやレストランを経営し、使用人を多数使っている事が分かりますね。つまり、このレポートの内容を理解するのに最低限必要なアウレリア様の情報が入っている訳かぁ・・・・。ほうほう、この複数の施設の経営を行う事で研修とする場合の目的が書いてありますねぇ。本当にすごいですね。ふむふむ、その目的をどの様に達成するかの分析が本論なのですね。よくまぁ、細かい分類をされていて、これは凄いです。ほうほう、結論ではまだ研修の途中なので結果を述べる所まではいかないが、目標を達成するために何をどこまで進めているかがグラフや表で分かりやすく書かれていますね。これは主席で間違いない評価だと思います。これは本当にすごいです!!」
ダンヒルさんの目の輝きが怖いよぉぉ。
そういうレポートの書き方は日本では当たり前なんだよぉ。
そう、所謂テンプレなんだよぉ。
それなのにこんなに褒められると恥ずかしいよぉ。
「これ、大公様にお見せしたいんですけれどよろしいでしょうか?」
「え?」
「このレポートを大公様の誕生日プレゼントにされては如何でしょうか?大公様はアウレリア様の成長をそれはそれは楽しみにされていて、このレポートを読まれたらとても喜ばれて体調も良くなられると思います」
ううううう。
大公様の体調まで持ち出されると断れなくなるジャマイカぁぁぁ。
「うう、それで大公様がお喜びになるなら・・・・」
「なられます。絶対になられます。では、アウレリア様の気が変わる前に大公屋敷へ持って行きますね。すぐに戻りますから何かあったらお待ちください。行ってまいります」
ああああ。
こちらが何の反論も出来ないままに、ダンヒルさんは部屋を出て行った。
段々と私の気質を理解して来ているダンヒルさんが、私の気が変わる前にって事で即行行動に出たみたい。
ダンヒルさん、恐ろしい子。
一旦学園は休みに入っているけれど、私は勇者様の事が気になっていた。
やっぱりホテルのオープンが2軒も控えていて、鉄道の乗客輸送の開通も控えていると、とてもでは無いが、他の事なんて出来なかった。
頭の片隅に時折、今頃メグたんはどうしてるかな?なんて思う事があっても、目の前の仕事に直ぐに思考が戻ってしまっていた。
でも、今ならメグたんの様子を見に行ける。
ただ、もしかしたらゴンスンデに帰っているかもしれないんだよね。
そこでそぉっと勇者様が研修をしている洋装店を遠巻きに見守っていると、前にメグたんを叩いた先輩店員らしき人物が店のお使いで外へ出て来たのを見掛けた。
別にその先輩さんが居たから、或いは居ないからと言って何も変わらないんだけど、メグが今王都にいるかどうかを知るには店に入るのが早いから、先輩がどこかへ行ったのを見届けて店の中に入った。
するとカウンターの奥で何かの作業をしている勇者様が目に入った。
急いで左右を見渡してみたけれど、他に店員らしき人はいなさそうだったので思い切ってメグたんに声を掛けた。
「メグ、今話しかけても大丈夫?」
机の上の物を数えていたメグが、パッと顔を上げ、こっちを見た。
「あ、リア。ホテルのオープン、おめでとう~」
「あ、ありがとう」
「鉄道もすごいねぇ」
「う、うん」
なんか一気に毒気を抜かれた感じだ。
「話ってどうしたの?」
キョトンとした顔でこっちを見る勇者様に、あなたが心配で様子見に来ましたとは、店内で言えないなぁと思い、「その後どうかな?って思って」って言って初めて、私が勇者様を心配して店まで来たんだって分かったみたい。
「うん、大丈夫。リアに時間があれば、そっちへ寄るから、ゆっくり話そう」と言ってくれたので、その夜、ウチで夕食を一緒に食べようって事になった。
「時間は多少遅くなっても気にしなくていいから、絶対に来てね~」と言いつつ、店を後にした。