軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「さて、セシリオさん。1年生チームの方も平均台の上に土魔法で台を取り付けた様ですが、3年生チームに比べて可成り細めの台になっていますね。これはどうしてなのでしょうか?」

「恐らくですが、最初の障害物である落とし穴で既に可成りの魔力を使って土魔法を行使しているので、魔力消費を抑えるためじゃないかと思います」

「なるほど!1年生チームの土属性の魔法は2人の女子が担当しているみたいですね。今、平均台は落とし穴とは別のメンバーが魔法を使ったと思うのですが、それでも魔力消費を抑えていると言う事はこの後も土魔法を使うと言う事でしょうか?」

「その可能性が高いと思います」

「あ、平均台は2チームともほぼ同時に終了しましたね」

「1年生チームが土魔法で呼び出した補助台は細目でしたが、メンバーの背が低いと言うか、体が小さい、もっと言えば足幅も小さいと思うので、3年の背が高いメンバーよりは比較的早く安定して平均台を渡る事が出来たのではないでしょうか。これは考えましたねぇ~」

「なるほど!同じ10センツ幅の台でも、足そのものの幅が5センツと10センツではその上を走る時に安定感が違って来るということですね」

「そこまで極端な差はないでしょうが、まぁ、そう言う事ですね」

「いよいよ次の水地獄に入りますね。2チームほぼ同時かと思ったら、1年生チームの方は女子が少し遅れ気味でしょうか?」

セシリオ様の解説が一段らくしたので、続けて競技の進捗状況をアナウンスし、観客の目線をレーンに向ける。

「魔法が得意なメンバー、走るのが得意なメンバー、各チームいろんな特徴を持ったメンバーが集まっていると思いますが、今回のこの魔法障害物競争と言うのは、どれだけ自身のチームの欠点を克服できるかにかかっていると言えます。例えば走るのが少し遅いメンバーが居たとしても、それを踏まえた上で、別の部分でスピードアップを図るなどの調整も必要となってきますね」

「そうですね。セシリオさん、このイベントの見どころは、障害物をどの様な手段で克服するかという発想の部分と、各チームの弱点をどの様にカバーしているかというところでしょうか」

「そうですね」

2チームの頭上から大量の水が滝の様に落ちていく。

「3年生チームは驚いた事に全員が土属性の魔法の様です。あああ、水地獄も土魔法で大きな屋根を頭上に作っていますね。1年生チームは風魔法でしょうか?落ちて来る水を下から弾き飛ばしていますね。魔力消費を抑えるためか、5人が肩を組んで一塊になって進んでいますね」

「そうですね。これは3年生チームの方が有利ですね。屋根が可成り大きくて、自分たちの足元に水が来ない様にちゃんと工夫されていて、各自が自分のトップスピードで走り抜けるみたいですね。対して1年生チームの方は肩を組んで5人で移動と言うのは、もうそれだけで移動に時間が掛かってしまうと思います。この後の障害で挽回する手段を持っているのかが勝利への鍵でしょうかね?」

解説席からみても1年生チームが3年生チームにどんどん引き離されていくのが見て取れる。

体も3年や4年に比べればまだ出来ていないし、魔法の技術もまだまだ。

タイムを競うので、1年生チームが勝つのは難しいとは思う。

でも、やってる方も見てる方も楽しめる様にしてあげたい。

「1年生平民組のみなさんは、まだ魔法を習って数か月なのに、良く魔法を使いこなしていますよね」

「そうですね。1年生なのに可成り優秀な皆さんですね」

「1年生のみなさん、是非、1年生チーム も(・) 応援してあげて下さい」

そう応援を誘導すると「頑張れー!」「もう少しだぁ」等、観覧席から励ましの声が掛かる様になった。

1年生チームの足が若干早くなった気がする。

「あ、セシリオさん。3年生チームは衝立をアースニードルでぶち抜いちゃいましたね」

「これは凄いですね。衝立の皮の部分は小さくはないですが、大きくもありません。正確に人間が通れるくらいの穴をあけるとすると、魔法の精度が高くなければ難しいでしょう。しかも、皮は弾力があるのであまり重さやスピードの無いアースニードルではここまで綺麗に穴をあける事は出来ないですね。これはアースニードルを使った人を賞賛したいレベルですね」

「そうなんですね。3年生チームは全員が土属性なので、衝立をどの様にクリアするのか興味津々でしたが、面白い物を見せてもらえましたね。おっと、1年生チームも衝立まで移動しました。こちらは火魔法ですね」

「1年生チームもスゴイですね。火魔法もある程度の威力が無ければ皮を燃やし尽くすには時間が掛かりますが、今回は可成り早い時間に焼き切りましたね」

「両チームとも魔法の精度が高い選手が居ると言うことですね」

「そうですね。これはこの先の障害物をどの様にクリアするのか、益々楽しみになりましたね」

1年生は3年に比べると少し時間が掛かっているけれど、この調子なら上限の10分以内にはゴールしそうではある。

でも、3年生のタイムを上回るのは少々難しいかな。

「3年チームは水路の上に土魔法で橋を架けました。問題なく対岸に全員が渡り切った様です。1年生チームは今全員が衝立を潜りました」

「これで3年生チームは後、振り子地獄だけですね」

「そうですね。やはり土魔法で振り子を避けるのでしょうか?」

「恐らく壁を作り出して振り子を止めるのではないでしょうか?」

「なるほど。あっ、1年生チームの方は水路エリアに入りましたが、水魔法で水を抜いている様です。レーン脇の貯水槽へ水を移動させていますね」

「1年生も頑張っていますね。本当に1年生なのかと疑うレベルで魔法が上手ですね」

「本当にそうですね。ああ、セシリオさんが言ってた通り、3年生チームは振り子の前に壁を作りましたね」

「しかし、3年生チーム、考えましたね」

「と言うと?」

「壁の位置ですよ。振り子の開始地点2カ所に広い壁を出しています。と言うことは、振り子は開始地点から動く事が無いと言う事です」

「はい」

「つまり、振り子の開始地点ではなく自分たちが移動する通路の中央に壁を作ったとしたら、振り子を止める事が出来たとしても、一度は壁に振り子が当たると言うことなんです。振り子が当たるイコール衝撃を壁で受け止めると言う事になり、壁の耐久性の問題が出てきますが、この3年中の1組チームの様に開始地点に壁を作れば、壁は何の衝撃も受けない、即ち耐久性に問題は出ないと言う事です。考えてますね~」

結局土魔法で固めた戦術を取った3年生チームは6分ちょっとでレーンを制覇し、1年生平民組は10分ギリギリにゴールをした。

観覧席の生徒たちは大歓声で両チームを称えた。

さぁ、ここからインタビューだよ。ベレンちゃん、頑張れ~。