軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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昨夜のダンスパーティは闇王様とアドリエンヌ様の近い内に「私たち婚約します」宣言で、何か色々な物が頭の中からぶっ飛んだ感じで、終わってみれば二人の婚約の事しか頭に残ってなかった・・・・。

アドリエンヌ様の好意で3人お揃いで作った色違いドレスはとても好評だったんだけどね。

ただ、お二人の婚約はまだ正式に決定していないので、対外的には口外禁止なんだよね。

それでも、パーティの時も何人かの生徒は噂をしっているらしく、お二人がダンスを始めたらゴニョゴニョ言ってた人もいたんだけどね。

セシリオ様が言っていた闇王様の御両親が世紀の大恋愛結婚って話も詳しく聞きたかったんだけど、あやつめ、自分の言いたい事だけ思わせぶりに呟いたら、さっさと色んな子とダンスを始めちゃって問い詰める事ができなかった。

今日は土曜なので家に帰るので、いつもの様にフェリーペんところの馬車に乗っけてもらってる。

「フェリーペ、足、大丈夫だった?」

「え?ああ、うん。大丈夫だったよ」

目が死んでるよ、フェリーペ君。

最低でも5回は踏んづけちゃってるので、痛いんだろうなぁ。

ごめんよぉ。

そうこうする内に家に着いたので、お礼を言って馬車を降り、母さんとエイファの顔を見るため、走って家の中へ。

後、モナミの様子とか、父さんがホットドッグ屋さんの良い物件を見つけられたかどうかも聞きたいしね。

最近は、思い立った時だけ賄い作りをしているけど、お店の料理はあややクラブで細々と作っては持って帰っているスノーボールクッキーくらいしか私の作った物はお客様に出してないんだよ。

週末に大公様が来られる時は最初から最後まで私が作るけど、頻繁に来てくれる精鋭の先輩たちのはお店のスタッフに作ってもらってる。

大公様はたまにしか来てくれないんだよね~。

そりゃぁ、大公様が来られると緊張はするけれど、元気なお姿を見れるのは嬉しいんだよね。

どうやら大公様は知人に会いに偶にあっちへこっちへと旅行されてるみたいなのに、王都内の食事処へはあんまり行かれない様だ。

ご自分の館が王都にあるからこそ王都内のレストランへ行くと言うのは億劫に感じられているみたいで、それでも来て下さる時ってウチの店を心配してのわざわざ様子見って事らしい。

まぁ、その時は全力でおもてなししてるんだけどね。

「父さん、ただいまぁ」

「ああ、アウレリア、おかえり。ダンスパーティはどうだったかい?」

「フェリーペの足を少なくとも5回は踏んじゃった」

「!」

「あはははは」

「そ、それは週明けにでも何か作って持って行った方がいいんじゃないかな?」

「そうだねぇ~。で、父さん、モナミの様子はどう?」

「う~ん、まだ痛いらしい。かわいそうになぁ。でも、お医者さんが良い人で、痛み止めを出してくれているので夜は何とか寝れるらしい。ただ、一日中痛み止めを使うのはかえって体に良くないらしく、夜だけしか薬を飲んでないんだよね」

「そうなんだぁ・・・・」

こっちの痛み止めも中毒性があるのかもしれないね。

「あら、アウレリア、お帰りなさい」

「あうあう」

エイファを抱いた母さんが奥の部屋から出て来た。

「ダンスパーティはどうだったの?」の会話をここでも繰り返した。

私の運動音痴を知っている両親からしたら、フェリーペはすんごい紳士に見えるらしい。

まぁ、実際、紳士なんだと思うよ。

ダンスの授業の時から何度足を踏まれても練習にキチンと付き合ってくれるもんね。

ありがたやぁ~。

ホットドッグの方は、今日の午後、父さんと一緒に2軒の候補地を内覧出来るらしい。

早めに場所を確保しないと、孤児院の経営も難しくなるからね。

そんなこんなで家族だけでお昼を食べた後、王都の平民街、それも比較的孤児院に近いあたりに候補が2箇所見つかったので、今、父さんと二人で歩いて向かっている。

一つは広場に面しているけど、縦長の所謂鰻の寝床風な物件。

横幅は狭いけれど、ちゃんとお客様に対応できるくらいのスペースはある。

もちろんイートインなんてないよ。

屋台の代わりなんだもん。

もう一つは広場よりもうちょっと孤児院より。

こっちも狭い事は狭いけれど、最初の物件よりは間口が広い。

しかも家賃はこっちの方が安い。

「お客がより見込めるのは広場の方だろうなぁ」

父さんが見ていたのは人の流れだ。

どれくらいの人が歩いているかをしきりに気にしていた。

この広場は孤児たちが屋台を引いて商売していた広場でもあるから、こっちの方が既についている固定客を逃さなくて良い感じだ。

問題があるとすれば、材料の搬入が狭い扉を介してになることと、狭いくせに家賃が若干高い事。

「家賃は気にしなくていいよ。賃貸ではなく購入にしたら大分安くなるしね」

「父さん、材料の搬入は扉からじゃなくて、このカウンター越しに外から中へ入れればいんじゃない?」

店内にスタッフが入る為のほっそい扉が表に面して設置されているんだけれど、本当に細いので材料搬入するにも大変そうな感じだったのだ。

「ああ、そういう手もあるなぁ。なら、ここにしちゃうか?」

「そうだね。ただ、孤児院の子たちの意見も聞いた方がいいんじゃない?」と言うことで私が急いでホットドッグ売りをしていた子たちを連れて戻った。

「わぁ~、お店だぁ」

「うん、お店だね」

「もう、重い屋台引かなくていいの?」

「雨が降っても商売できるね」

孤児院の子たちは概ねこの店舗を気に入ってくれたみたいだ。

父さんは早速大家さんと公証人の事務所へ行き、購入の手続きをするそうだ。

私はモナミの事が気になるので、孤児たちと一緒にもう一度孤児院へ戻った。

「お嬢様、色々とありがとうございました・・・・」

私の顔を見てモナミが起き上がろうとしたけど、手を火傷しているので手に負担が掛かる事はやめるべきと、急いで止めた。

「院長先生から聞きました。お嬢様が今建てられている宿屋に勤めさせてもらえるって」

「うん、モナミが良ければ是非ウチで働いて欲しいの。ただ、田舎の村に住む事になるけど、良いかな?」

「ありがとうございます。ありがとうございます」

モナミは涙を流しながら感謝を伝えてくる。

「仕事はキツイかもしれないけど、悪い環境じゃないと思うの。今までモナミが真面目にホットドッグの屋台をやってくれて信用できるから、そういう人に働いてもらえるのはウチにとってもありがたいの」

モナミは父さんが私を迎えに来て孤児院を後にする時まで、ずっと目が薄らと涙でウルウルッとなっていた。

少しでも、モナミの将来への不安が軽減されて欲しい。

あんまり力になれなくてごめんねと心の中で呟きながら、父さんの手にひかれ家まで帰った。