軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「アドルフォ様、10分って結構ギリギリでしたね」

「はぁ、はぁ、そうだな」

闇王様はまだ少し息が切れているのに、何故かペペ君は息を乱していない。

体は小さいけどめっちゃ鍛えているとか?

「ぜぇぜぇ」

私も全速力で走ったので息が上がっている。

決して運動音痴だからじゃないよ。

球技とかならちゃんと人並みなんだからね。

ダンスとか体操とかが出来ないだけなんだからねっ。

「ぜぇぜぇ」

私の横には膝に手を当て前かがみになっているアドリエンヌ様もお貴族様のお嬢様とは思えない感じで息が上がって、体力使って、兎に角立っているのが精いっぱいって感じ。

ごめん!アドリエンヌ様。お嬢様らしくない姿を晒す事になって・・・・。

「アディ、クリア条件の時間を10分以内って言うのは厳しそうじゃないか?」

セシリオ様は息を切らしていないけど、結構汗はかいている。

闇王様は息を整えるためか、それとも考えるためか、暫く無言だったけれど、「セシリオ、これはまだ最初のトライで、大会までに何度か練習すればタイムも短くできると思うぞ。だから、オレは足切りの時間は10分で良いと思うんだがな」と言い、皆の顔を順繰りに見た。

反対意見が無かったのだろう、闇王様は無言で頷いて、「よし、部室へ行って、それぞれのチームの試技について意見交換しよう。それで問題点とかを洗い出しできるかもしれんし・・・・」とあややクラブの方へ皆で歩いて行った。

観覧席に居た生徒たちは未だにワイワイ興奮して仲間内で話しているし、協力して下さった先生方にはお礼を言って背を向けたのだが、どうやらウチの部室まで一緒に来たそうにしており私たちの後ろを付いて来ていたので、セシリオ様が「先生方、ありがとうございました。これから先はイベントの中身についての会議になりますので、ここで失礼します」と、にっこり笑って先生たちをその場に置いて私たちは部室へ。

魔法障害物競争試技で体力を使いまくった私はおやつを作る気にもなれなくて、作り置きしているスノーボールクッキーとスキルで呼び出した肉まんを作戦会議室のそれぞれの席に並べた。

もちろんアドリエンヌ様がとっても美味しい紅茶を淹れてくれた。

アドリエンヌ様も男子たちの走るスピードに追い付くために可成り体力を消費したはずなのに、にこやかに紅茶を皆の席に置いて行く。

勇者様は部室の2階から乾いたタオルを数枚持っており、先ほど転んで泥んこになっていたひよこクラブの子に手渡していた。

彼は既に水魔法で頭から水を掛けてもらっており、泥は付いていなかったのだけれど、風魔法で乾かしてもらっていた所が均一でなかったため、タオルをありがたそうに受け取っていた。

こういう心遣いが出来るところがメグたんの良いところだよね。

「これ、自分たちがやっても楽しかった」

「そうだな。僕もめちゃくちゃ楽しかった」

「傍から見てる方も楽しかったのかな?観覧席の生徒たちはすごく盛り上がってたよね?」

「これで大きな時計があったら余計にハラハラドキドキできて盛り上がるんじゃねぇ?」

「そうそう。それにしても汚れても良い服を着て参加する様にしないと、転んじゃうと悲惨だなぁ」

「うっ!転んでも大きな怪我はしなかったけど、確かに泥んこになったら気持ち悪かったよ」

「実はもう一回やってみたいなぁ」

「2レーンで同時に競うから、相手チームが気になってしかたなかったけど、その分ヤル気がぐんぐん出たよ」

皆、試技をしてみて楽しかった様だ。

声も大きいまま、自分の意見を言いたくて仕方ないって感じ。

本当に楽しかったんだね。

私もそうだ。

めっちゃ楽しかった。

だけど一つ大変だった事を挙げるとするならば、男子たちの走るスピードが速すぎて、それに遅れない様にするのが大変だった。

「思ったんだけど、男女混合だと女子には走るっていうのがキツイかもしれないなぁ」

闇王様も女子の負担には気付いていたみたいだ。

「そうですね。でも、魔法の属性を揃えようと思うと性別に構っていられないんですけどね。これはどのチームにも必ず女子生徒1名は参加させる様にしないと公平性を欠くかもしれないです」

ペペ君が言うのも分かる。

分かるんだけど・・・・。

「それって女子の参加はお荷物って事ですかっ?」

勇者様がかなり憤慨している様だ。

「いやぁ、そういう心算で言ったんじゃないんだ」

「でも、ペペ君が言った事ってそういう事ですよね?」

ペペ君は怒った勇者様にちょっとタジタジになっている。

「公平性って、この場合何なのかなぁ?」

セシリオ様が落ち着いた口調で遮った。

「1年生とかはまだ男女の肉体の成長差は大きくないよね。しかも、4年生で最高実年齢の生徒と1年生の最低実年齢の生徒が出場したとして、その差はどうやって埋めるのですか?」

「あっ」

ペペ君にも漸く公平性という罠が見えて来た様だ。

「誰でも自由に参加できるのが公平なんだと思います。その上で、どのチームも優位性と弱点、両方持っているはずで、それをどの様に活かし、どの様に克服するかが面白いと私は思います」

「リアの言う通りだな。俺もそう思う。参加は公平に。その他はそのチームの特徴だ」

フェリーペの援護射撃が嬉しい。

「例えば、男子生徒ばっかりのチームを作ったっていいんだし、20人のチームを組んでも、3人のチームを組んでも運営側としては関係ないと思うんだ。ねぇ、アディ、女子ならではの発想とかもあるだろうし、男子だけのチームはそういう優位性を持つ事が出来なくなる代わりに、体力的な優位性は保てるという事で公平に参加、これでいいんじゃないかな?」

「うん。セシリオの言う通りだな。ひよこクラブの皆もこの意見に賛成と言う事で良いか?もし、別の意見があるのなら、遠慮なく言ってくれ」

「アドルフォ様。僕の考えが単純でした。僕も皆さんの意見に賛成です」とペペ君が言うと、残りのひよこクラブの面々も「「私たちも賛成です」」と同意の様子。

満場一致で男女比や年齢差などは考慮しないと言う事に決まった。

先ほど、レーンの現場で足切りタイムが10分と言うのも決まったので、今度は私たち2チームがどうやって障害物を克服しようとしたかの分析に入った。

2つのチームの攻略方法の違いは、それぞれのメンバーが持つ魔法属性の違いに起因することが多かったんだけど、やはり土魔法が多いとこの競技はクリアが楽になるかもという事で落ち着いた。

一応の検証が終って、特にレーンで修正を施すところも無く、ちょっと安心だね。