軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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孤児院からは今年もホットドッグ屋が出店していた。

今年も去年と同じ衣装で仮装しつつ売っていた。

去年の彼らを見て、多くの出店の店員も思い思いの仮装をしていて、それを見ながらの買い物は大好評だった。

お祭り気分は否が応でも盛り上がるのだ。

午後の部も粒ぞろいのチームが出場してくれたが、ペペ君のひよこチーム程のインパクトを残したチームはなかった。

テーマ曲を引っ提げての登場がすごく印象に残ったので、こりゃあ来年以降は各チームが音楽クラブにテーマ曲の作曲と演奏を依頼しまくりそうだな。

私がこのイベントを開催するにあたりファンファーレを導入したのと同じで、音楽の効果はものすごく威力があるのだ。

特に何気に耳に入る効果音の役割は絶大だ。

ファンファーレも飛ぶ直前の時は、さぁ飛べ!さぁ、今だ!感を盛り上げるし、無様に着水した時の失敗ファンファーレは残念感が2倍にも3倍にも膨れ上がり、観客の嘲笑を誘う。

前世のアニメにしても映画にしても気付かない時に効果音が入ってるけど、見てる方は意外とその音に特に注意を向けずに画面と台詞を追ってたりする。

でも、あの効果音がなければ臨場感は激減する事だろう。

ましてやこういうイベントでの効果音は必須だ。

ただスタート台から飛ぶのではなく、一定の音楽を合図に会場が今か今かと固唾を呑んでいる内、飛んでくれる方が盛り上がるもんね。

それを1年生の内に気付くとは只者ではないよね、ペペ君。

私があややクラブの主宰なら、即勧誘だね。

今年最後のチームが飛び、湖に落ちたパイロットと機体の回収を行っている。

「イエーイ!さぁ、皆さま、本日全てのチームが鳥となり空を飛びました。今一度、参加チームを振り返りたいと思います。拍手を以て賞賛下さい」

そのままチーム名と仮装のテーマと飛行の合否を簡単に述べて行く。

それに従って、スクリーンに再度チーム紹介画像が映し出された。

観客はその都度、律儀に拍手と歓声で会場を沸かしてくれた。

これも昨年と同じ手順だ。

「さぁ、以上が参加12チームです。それでは優勝チームの発表をあややクラブ部長のアドルフォ・クラッツオさんから発表頂きます」

ドラムロールが音楽クラブから聞こえてくる。

「飛行部門の優勝はっ!!!今年新登場の1年生チームのひよこチームです。ゴールまでの距離は1グロを切って85マートル!」

会場から割れんばかりの拍手と歓声が起こる。

「続いて仮装の優勝チームは」

闇王様が言ったんそこで言葉を切り、またまた音楽クラブのドラムロールが入った。

「同じくひよこチームです!おめでとう!」

先ほどの歓声も大きかったと思ったけれど、更に大きな歓声に会場は沸いた。

「只今より、あややクラブ部長より優勝トロフィーと花束、勝利のオリーブ冠の授与を行います。トロフィーは昨年の優勝チームから返還頂きました。昨年の優勝チーム名が書かれたリボンが付いております。来年の鳥人コンテストではこのトロフィーはあややクラブに返還され、今年のひよこチームの名前の付いたリボンが付け加えられます」

闇王様がスタート台の高台にいる事でヒラヒラと舞うリボンの付いたトロフィーをペペ君に授与し、続いてアドリエンヌ様から渡された花束も闇王様からひよこチームの別のメンバーに渡された。

「続いて優勝した優秀な人という意味のオリーブ冠の授与ですが、これは優勝チームの一人一人の頭に被せます。オリーブ冠はあややクラブで栽培しているオリーブの木を活用しています。さぁ、みなさま、盛大な拍手をお願いします」

オリーブ冠という新しい習慣の周知の瞬間、異様に盛り上がった。

それにはひよこチームの面々が冠を被せてもらった瞬間に両腕を上に上げたり、飛びあがって喜ぶ動作がおおいに役立っていると思われた。

「この冠はずっと僕が持っていていいんですよね」との問いかけに、闇王様が「うむ。乾燥させておけば、可成りの間もつらしいぞ」と答え、それに喜んだひよこチームのメンバーがオリーブ冠を被ったまま、ボディービルの様な筋肉を強調する様なポージングを始めた事も会場を沸かせた。

そりゃぁ、大きな大会で優勝した事を証明するモノがずっと自分の手元に残るのであれば誰だって嬉しいよね。

無事にトロフィーとオリーブ冠の授与が終ったので、今度は総評だ。

「今年も無事、鳥人コンテストが終了し、飛行部門も仮装部門も優勝者が決まりました。フントス先生、今年の大会の総評をお願い致します」

「昨年は大会最初の年ということもあり、参加者も手探りの状態での参戦でした。多くの学生は去年の大会を見ておりますので、今年は更に工夫が凝らされていて見ごたえがありましたね。多くのチームが去年も参加した経験がありましたが、今年は飛行も仮装も同じ新登場のチームとなりました。すごい快挙だと思います。素直にひよこチームを賞賛します。来年は、多くのチームが打倒ひよこチームという目標を掲げてがんばってくれる事でしょう。今から楽しみですね」

「総評をありがとうございます。さて、みなさま、これにて今年の鳥人コンテストを終了致します。ご来場、ありがとうございました。出口が混みますので、出店などをご覧頂き、一度に大勢の方が出口に殺到する事のない様、ご協力をお願い致します。来年も開催予定ですので、また来年もよろしくお願いしますっ。それではまた来年!イエーイ!」

事故もなく、無事、鳥人コンテストを終了しほっとしたところ、誰かの強い視線を感じ辺りを見回すと、少し離れた所に立っている皇子とディアナ様が目に入った。

ウゲッ。

その視線にはセシリオ様も気付いた様で、私の肩を軽く叩いて頷いた。

「さぁ、会場の片付けは学園側がやってくれるので、僕たちは部室へ戻ろう」

「はい・・・・」

触らぬ神に祟りなしなので、私たち二人はスタート台にいる闇王様の所へ行き、その後投影機や画像保存機の所にいる部員を回収してとっとと数台の馬車に分乗して部室に戻った。

部室に入るなりセシリオ様がみんなを招集した。

闇王様でなくセシリオ様が招集というのは珍しい。

鳥人コンテストが終了したばかりなので、闇王様からの労いの言葉が発せられるだろうから態々招集しなくても全員が集まるのに何故?と思っていたら、「最後、皇子とディアナ様がこちらを凝視してたんだ。あれは・・・・ある意図があったと思う」と爆弾発言をかましてくれたので、闇王様も労いの言葉を発するのを忘れて固まっていた。

「どんな意図があると思った?」

「・・・・。アウレリアさんをアナウンス要員としてのスカウト・・・・そんな風に見えた」

えっ!私?

不思議に思ったのは私だけらしく、残り全員がさもありなんと言った風情で頷いていた。

ええええええ!!

誰か助けてえぇ。