作品タイトル不明
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「午前の部のみなさん、おはようございます。飛ぶ順番に並んでもらっていると思います。大丈夫ですよね?」
フェリーペの確認で各チームのリーダが頷いた。
「「「はーい」」」
「今日一日、怪我の無い様に楽しみましょう。飛んでも飛ばなくてもスタート台の上に登るメンバーは必ず救命胴衣を着けて下さいね。スタート台はここから見てもとても高い事が分かるでしょう?手すり等が無いので足を滑べらせて落ちたら湖に直撃してしまいます。救命胴衣を着用していると、そう言った場合でも怪我をしなくてすみますからね。着用は絶対ですよぉ~」
この世界の救命胴衣は落ちる時、スピードをゆっくりにしてくれる機能が付いているので、地球のより優れているものね。
フェリーペが参加チームの1番目の人を連れてスタート台の方へ移動し始めた。
ランビットが待合スペースの他のチーム全員が救命胴衣を着用しているかどうか、ぱぱっと目視した。
問題なかったのであろう、チェック表に印を入れ、解説席に座って居るセシリオ様に「救命胴衣OKです」と言い、今度は音楽クラブや馬術クラブの方へ歩いて行った。
ランビットって黙っていてもやるべき事を見つけて来て、パパっとやっちゃうタイプみたい。
錬金術のパーツづくりの時も、他のメンバーの仕事が進んでいてもそうでなくても、余暇を惜しんで黙々と設計図とか引きまくりだったものね。
あ、あれしなくっちゃって思うと、大抵、ランビットがやってくれてるんだよね。
こういう社員さんがいると、会社は発展すると思うよ。
あ、卒園後はウチの高級ホテルで働いてもらえないかな~なんてお馬鹿な事を考えていたら、ファンファーレが鳴った。
鳥人コンテスト開催である。
「イエーイ!昨年に続き、やってまいりました。学園のイベントへようこそ!本日の鳥人コンテストは、どれだけゴールの近くまで飛べるかと、どれだけイケてる仮装をしているかを競うイベントです。12組のチームがそれぞれの工夫を凝らした機体や魔法で飛行し、鳥に近づきます。みなさんも参加チームと一緒に楽しんで下さい。それでは、ここに、第二回鳥人コンテスト開催を宣言しますっ!今年もめいっぱい安全に楽しみましょう!」
闇王様の開会宣言の後は音楽クラブの演奏が入り、いよいよMCである私の仕事が始まる。
「イエーイ!このイベントの間の挨拶は昨年に引き続きイエーイに統一します。みなさんもこの敷地内で挨拶をする時は是非イエーイと言って下さいね。そしてみなさん、本日は鳥人コンテストへようこそお出で下さいました。ルールは昨年と全く一緒です。先ほどウチのあややクラブの部長から少し説明にあった通り採点は2つの面で行われます。一つはゴールとされるブイまでの飛行距離。近ければ近い程良いです。このブイには錨が付いていますので水上で少し流されるブイと言うよりは、その錨の位置との距離を競うと理解して頂いて良いです。そしてもう一つは仮装です。仮装の採点については事前に選ばれた審査員が行います」
ここでスクリーンに審査員の画像が映し出された。
「また、採点基準は中央広場の掲示板に記載がありますので、ご興味のある方はご一読下さい。さて、今年も解説席には二人の方に来て頂いております。フント先生、セシリオ様、今年も解説をよろしくお願いします」
「「よろしく」」
もちろん、私たち解説やMCの画像がスクリーンに映し出される。
「それではまず最初のチームのご紹介から~。1番水浴びチームのみなさんです」
スクリーンにチームの画像がパっと現れる。
ちっちゃな歓声が上がる。
「水浴びチームのみなさんは3年生で、チーム名はリーダーのオールバル様が関係しているそうです。オールバル様は暑がりで、機体を作っている時も暑い暑いとすぐに建物の外へ出てしまい、頭からバケツの水をかぶったそうです。水浴びと言うよりも、バケツチャレンジとでも呼んだ方がしっくりくるかもしれませんね。この大会も暑い中行われますので、今日オールバル様がバケツの水を頭からかぶっている姿を見る事が出来るかもしれません。さて、このチームは去年も参加していますが、昨年は残念ながら飛行は失敗に終わったそうです。セシリオ様、水浴びチームの仮装のテーマ、ヒント無しで分かりますか?」
「太陽でしょうか?」
「そうです。太陽がテーマです。独創的な衣装ですね。頭の被り物が飛行中邪魔にならなければ良いのですが・・・・」
「いやぁ、流石に飛ぶ時は脱ぐのではないでしょうか?」
なんて四方山話を交えたMCをしていると、水浴びチームがスタート台から飛び立った。
「ああああ。今年も飛ぶのは失敗に終わりましたね」
「そうですね。しかも被り物を取らずに飛んじゃいましたね。邪魔にならなかったんでしょうかね?」
「本当ですよね。フント先生、こちらの水浴びチーム、魔法はどうでしたでしょうか?」
「風魔法ではありましたが、込めた魔力が少なかった様ですね」
「被り物って魔法の発動に関係しますか?」
「いやぁ・・・・被り物をして魔法を詠唱する事自体、そうそうないですからねぇ。どうなんでしょうかねぇ」
解説も始まり、長い一日が始まった。