軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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鳥人コンテストの当日スクリーンに投影する為の各チームの紹介画像の撮影が漸く始まった。

この撮影の機会は、各チームの情報を聞き出すチャンスでもある。

MCする際、膨らみを持たせるために必要な作業なのだ。

今年は面白いチームが参加しそうだと、私のサイドエフェクトがそう言っている。

ふぉふぉふぉふぉ。

しっかり聞き取りしなくちゃな~んてね。

「すみませ~ん。もう少し真ん中寄りにお願いします。行きますよ~」

「1、2、3、ハイ」

パチャリと画像板に映像を撮るのはボブとランビットの仕事だ。

その間、勇者様がメンバーの名前を聞き出し、画像のどの顔が誰なのか、撮影時の立ち位置等の突合せをしてくれている。

そして錬金術クラブの先輩が前回の即売会で売っていたキャプション用のアルファベットを使って参加者の名前を画像の中に入れ込む。

あっ!忘れない内にこのキャプション用の板の代金も学園側に請求しないとだね。

私はその間、このコンテストの準備にどのくらい時間を掛けたのかとか、誰が中心人物なのかとか、仮装のテーマは何とか、どこを工夫したとか、一見コンテストには関係の無い参加者のホームルームの話とか、機体をどこで組み立てたのかとか、誰のアイデアなのかと言った事を聞き取るのだ。

どのチームが昨年参加したとか、今年はチームのメンバー交代があったのかなどは、参加申請時に登録情報として入手しているので、今回は、メンバーの性格とか、チーム内の力バランスとか、そういう所に情報収集の能力を注いでいるのだ。

「チーム名をお願いします」

「虹です」

「メンバーは全部で5人ですか?」

それぞれの名前を教えてくれたので、今度は所属のホームルームの話だ。

「私たちは1年平民クラスです」

「全員ですか?」

「はい」

「この機体は何か魔法を使って飛距離を稼ぐなどの計画がありますか?」

「はい、このリエーフが風魔法で飛距離を稼ぐつもりです」

この小さな男の子が一人で飛ぶのかぁと思ってみていたら、リエーフは「パイロットは此奴です」と別の女子学生を手で押し出した。

「俺は副操縦士なので、機体そのものの操縦はこのラミーです」

「えっと、魔法を使う人以外にパイロットとなると、二人分の体重が機体にかかってしまいますが、どうして2人で操縦すると決められたんですか?」

「俺が魔法を使う時って、機体の向きとか高さを同時に操作できないので、ラミーに操作してもらいます。ラミーは俺の次に体重が軽いので操縦士に抜擢しました」

「ちょっ!」と体重の話をされてラミーがポコンとリエーフの頭を叩いた。

「私の方が軽いんです」とラミーは言い張っているけど、どうみても身長差がありすぎて、ラミーの方が重たそうだ。

別に太っている訳ではないけどね。

こんな感じでチームのメンバー間の仲の良さとか、普段、何の話題で盛り上がっているのかとか、色々、本当に色々聞きまくった。

そしてメモを取りまくりました。

これを出場チーム全部にやらないといけないので、数日仕事となる。

ボブとランビットは機体の安全性をチェックしている。

これには、学園の先生方も一緒だ。

だって、ボブたちは機体について専門的な勉強をしているわけでもないし、そこまで知識が無い。

故に、先生方にお願いして、機体のチェックは一緒にやってもらっている。

まぁ、先生方にもそこまでの知識は無いのだけれど、最終的な安全についての責任は学園側が負う事になるので、学園側のチェックも必要になるという事だ。

当日、スタート台から飛び立てるのは、この機体チェックにパスしたチームだけなのだ。

本当なら、湖で予行演習とか出来れば良いんだけど、普段春先から秋くらいまではボート屋さんが営業しているので、そうそう湖の貸し切りはできないのだ。

今回は学園側が色んな手配をしてくれており、一般の人々にも広くイベントの告知をしてくれるので、あややクラブとしては昨年に比べ、仕事量が違うので楽で嬉しいのだ。

実は、今もオブザーバーとして第三皇子やディアナ様が端っこで見学をしているけど、口出し厳禁と最初から念を押しているので、みんな空気の様に扱っている。

しかし皇子はとても熱心だね。

さっきからメモを取る手が止まる事がないね。

「もし皇子がこれ程の身分ではなく、他国の人でもなく、ディアナ様と一緒でなく、とっつきやすい人ならあややクラブに入れたかもね」って、この前フェリーペたちに言ったら、「お前、それ、皇子の全否定やん」と呆れられていた。

そうか・・・・全否定だったか・・・・。

私たちはまだ皇子についてはそこまで彼の人となりを知っているわけではないけど、ディアナ様をそのまま放置しているこの一点において、ウチのクラブの誰も彼を受け入れたいとは思っていないのだ。

どうしてディアナ様は私達に敵対するのだろうか?

あれ、どう見ても上から目線だよね?

今日の撮影と取材を無事終えて、イベントクラブの人たちと別れ部室へ戻る際、ちょっとだけザお貴族様ズに聞いてみた。

「う~ん。もしかしたらって思う所が無いわけじゃあないけど、それにしてもオレたちの誰か個人に対して敵意を持っているって感じじゃなかったな」

「私は、ディアナ様ってこの学園で顔を合わせるまで存在そのものを知らなかったよ」とセシリオ様が少し頭を傾げている。

「私たち貴族は貴族年鑑という本を持っていて、貴族全員の紋章や家族構成なんかは小さな時から叩き込まれるんだが、ディアナ様に関しては何の情報も持っていませんでしたよ」とセシリオ様が言うと、すかさずアドリエンヌ様も「あ、しょれは私もでしゅ。ディアナ様のお母さまの事は有名でしゅが、お子様がいらっしゃるとは知りましぇんでしたわ」と、ディアナ様のお母さまとは?とザ平民ズ全員が訳が分からず固まった。

「ディアナ様の母親?」

勇者様がみんなを代表してアドリエンヌ様に聞いてくれた。

「ええ。帝国の皇室の血を引き継いでいらっしゃるとか・・・・」

「それがどうしてウチの国の子爵あたりに嫁いで来ているのでしょう?」

フェリーペが疑問に思うのも分かるよ。

皇族の血をひいていらっしゃるのなら、少なくともウチの王家、少し落としたとしても侯爵あたりへの輿入れなら分かるが、子爵とはあまりに低すぎてバランスが取れていない気がする・・・・。

「お姫様の一目ぼれって聞いているぞ」

「「「え」」」

「アドルフォ様、一目ぼれって・・・・貴族にそんな事が許されるのですか?」

平民組は初耳なのでみんなが仰け反るくらい驚いている中、多少なりとも貴族との商売なので貴族とは何ぞやを小さな時から叩きこまれているフェリーペの口からポロリと質問が出た。

平民なら、好き嫌いで結婚を決める事もあるが、お貴族様にそんな自由は無い。

特に王族とか上位の貴族は結婚そのものが事業と言える。

自家にとって都合の良い相手との政略結婚がデフォなのだ。

話しながら歩いているといつの間にかみんなで部室に着いて、中に入って私は1人でおやつを用意している中、残りの全員が闇王様の説明を聞く体勢に入った。

もちろん、私もしっかり聞き耳だけはたててるよん。