作品タイトル不明
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トランプだの、花札だの、リバーシだの、ダーツだので遊びまくるあややクラブの面々だが、鳥人コンテストの準備も順次進めている。
フェリーペたちが夕方の学食を指定し、参加希望者の登録手続きを募った所、可成りの数のチームが集まった。
各チームの名前、参加者、仮装のテーマ、去年の参加の有無、どんな機体を考えているかを聞き取りながら、それを表に落としてもらった。
1年生の方は希望者を募り、別の日に、これまた夕方の学食で昨年の画像板の映写会を開いていたので、どんな大会か分かった上で、参加を表明してくれたチームがチラホラ。
「学園側に参加チームの上限数を相談していて、まだ回答が来ていない。参加者たちも早目に準備を始めたいだろうから、今、学園側をプッシュしているところだ。皆ももう少し待っててくれ」
部室で闇王様が情報共有をしてくれるのだが、最近はそれが終ると直ぐにトランプ大会になってしまうのが玉に瑕だ。
フェリーペとボブがトランプの勝負に参加すると、勝つまで粘るので偶に寮の食堂の時間に間に合わなくなりそうな時がある。
酷い時には、「リア、夕食もここで作ってもらえないか?ほら、この前のサンドイッチだっけ?」なんて平気で言ってくる。
自分が遊びたくて残っているのなら作ってもいいんだけど、他のメンバーの我儘で夕食を作ったりするとそれが当たり前になりそうなので、今まで一回もその要請に応えた事は無い。
「ほら、寮まで距離があるんだから、そろそろ帰らないと間に合わないよ。まだ続けるなら、私とメグはもう帰るよ」と男子たちのお尻を叩く。
「ちぇっ、こんなに面白いゲームは今までなかったから、夜通しでもやりたいくらいさ」
凝り性なボブならではの発言だよね。
「俺もボブと同じ意見だ。なぁ、リア、今度さぁ、あややクラブ朝までトランプ大会ってやってみないか?部員だけでやるから、まぁ、夕飯と朝食はお願いしたいんだけどね。どう?」
「はぁ、フェリーペ、勉強もしないといけないでしょ?遊ぶのだって時間を決めて遊ばないと、やらなければいけない事も出来なくなっちゃうよ」
「そうは言うけどさぁ・・・・。トランプだって麻雀だって中毒性があるんじゃないかと思うくらい面白いんだよ」
「うん、フェリーペの言う通りで、駆け引きがめちゃくちゃ面白いぜ」
「ランビットも良く分かってるな!」とニヤリとほほ笑むフェリーペ。
まぁ、学園側に夜通し遊んだのがバレてあややクラブの活動を制限されたり、まだ幼い体に鞭打って完徹なんてして体調を崩したり、勉強が遅れて何のため学園に通っているのか本末転倒になったりしないようにねと心の中で呟いた。
そうこうしている内に学園側から参加チームは午前と午後6チームずつという回答が来た。
どのチームを入れるかについては学園側の代表である、ガスペール先生やドナルド先生も話し合いに参加するとのことなので、夕方の学食を予約。
闇王様は、嫌々ながらもイベントクラブへ2名までオブザーバーとしての参加を許可しますという手紙をメッセンジャーボーイを通して渡したらしい。
その手紙の中にはオブザーバーは発言が許されない事、万が一発言したら即退場してもらう事を明記したと闇王様が良い笑顔で教えてくれた。
グッジョブ!
さて、数日経って学食での話し合いとなった。
場所を予約していたので、部外者はゼロだ。
ひろ~い学食の中央より少し右寄りのテーブルをいくつか繋げて大きなテーブルにし、あややクラブ8名、先生2名、イベントクラブ2名が座った。
もちろん、皇子とディアナ様だ。
「それでは夏休み直前に開催される鳥人コンテストの参加者決定についての会合を始めます。お互いに顔見知りなので自己紹介等は省きます。イベントクラブの2名は発言権がございませんので、ご了承願います。また、イベントクラブのお二人は去年いらっしゃらなかったので、これまでの経緯を説明します。先生方は経緯はご存知でしょうが、再確認する意味もあるかと思いますのでご一緒にスクリーンをご覧ください」
闇王様がスクリーンを手で指し示すと、学園側にお願いしていた壁に貼り付けた白い布に手書きの資料が映し出された。
これは投影機をオーバーヘッドプロジェクターの様に使用し、画像板に似た透明な板を作り、そこへ手書きで書き込んだ物だ。
色もちゃんと反映されるので、見やすくしかも分かりやすくなっている。
「まずこのイベントは昨年の同じ時期に開催しています。参加者は全員ウチの学園の生徒ですが、観覧は入場料を支払えばどなたでも囲われた催し会場に入れる仕組みとなっていました。また、経費軽減のため、会場の一部に出店などを誘致し、会場から外に出る事なく昼食を摂る事が出来るようにしました」
今度は昨年度の画像版を投影した。
スタート台から機体が飛び立つ瞬間を撮った物だ。
「この様に、午前と午後、数組が順番にスタート台から飛び立ち、どこまで飛べるかを競うイベントでした。ゴールの旗が付けられたブイを目指して飛んでもらい、どれほど近くまで飛べるかを計測し、一番近いチームが優勝。また同時に参加者は仮装をしてもらい、その仮装にも審査員が点数を付け、一番良かったチームが優勝です。つまり、このイベントでは2つの優勝チームが出る事になります。もちろん、1つのチームがどっちの優勝も掻っ攫うと言う事も可能です」
今度は画面が協力者を図で表したモノになった。
「こちらに昨年度の協力者を図にしたものです。もちろん、参加者。これは100%学園の生徒です。音楽クラブが各チームがスタート台から飛ぶ時に効果音を、乗馬クラブが都度撮影した画像板を投影機まで運んでくれました。湖に落ちたパイロットや機体などはレスキュー隊が回収してくれました。溺れた人はいませんでしたが、万が一そういう人が出たら、このレスキュー隊が対応する事になっていました。もちろん、校医の先生も会場で控えていてもらっていました。後、昼食やオペラグラスを販売する出店、町から会場まで臨時便を出してくれた乗合馬車の協会、画像板や画像保存機を貸し出してくれた錬金術工房、スクリーンやスタート台を作ってくれた大工さんたち、そして入場料を徴収する等を学園側がしてくれました」
画面は次のあややクラブの作業一覧に変わった。
「昨年度のあややクラブはこのイベントの企画、そして学園側への開催の打診、生徒たちへのイベント告知、場所の確保、出店の選出、画像板の撮影と投影、会場でのアナウンス等を担当しました。このアナウンスについてはクラブ外の方に解説も頼んでいました。拡声器を使って説明する事で観客へ見どころなどを伝えました。ここまでが昨年度の準備のお話です」
今度はスクリーンに今年度のあややクラブの作業一覧が映し出された。
「今年は場所の確保、出店や入場料関係、観客の輸送、レスキュー隊の手配等を学園側がして下さるそうなので、ウチのクラブでは出場者の選定と画像板の撮影と投影、当日のアナウンス、それから学園内の他のクラブへの協力の打診ですね。この場合は昨年同様、音楽クラブと乗馬クラブのみとなります。ここまでで分からない事や気になる事はありますか?」
先生方は闇王様の説明に何の疑問も持って無い様だ。
だって昨年、実物を見てるもんね。
でも皇子は見た事がないので質問をしたい様だ。
「オブザーバーだけれども、これに関しては質問をしても良いのかい?」
その問に闇王様は無言で頷いた。