軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「第三皇子を見た?あの輝く銀糸の様な御髪!背も高くて、あの高貴な御顔立ち!ああ、貴族クラスなら教科によっては同じ教室で勉強できる可能性があるのに、私たちは教室も、食堂も、寮でもすれ違う事すらないなんて不公平よ!」

マリベルは朝から憤慨している様だ。

昨日、第三皇子の姿を求めて学園内を彷徨っていた甲斐があったらしく、その姿を遠目に見る事が叶ったみたいなのに、遠くからしか見れなかった事で彼我の社会的地位の差を改めて身に染みた様だ。

「あああ、本当に恰好良かったわね・・・・。サムエル様ぁぁ」

ナナもマリベルと同じで、アイドルを追いかけるファンの様に、第三皇子に執心しているみたいだ。

まぁ、この二人に関しては通常運転だよね。

「でも、それにしてもサムエル様の横にピッタリくっ付いていたあの女!あれ誰よっ」

「なんでも第三皇子と血の繋がりがあるって聞いたわよ」

「ええ?ナナ。そこのところもっと詳しく!」

「えっとね、昨日学食で貴族生徒たちが話していたのを小耳に挟んだんだけど、サムエル様のお母さまの6番目の妹がウチの国の貴族と結婚しているらしいの。そこの家の娘がサムエル様の入園と同時にウチの学園に入って来たらしいよ」

「ん?ということは従妹なの?」

「そうみたい。どうやら子爵家に嫁がれたみたいで身分的には可成り下らしいけど、サムエル様付きということで一緒にクリサンテーモの寮に入ってるらしく、貴族生徒たちの中にも彼女の事を受け入れたくない生徒が多いらしいよ」

「へぇぇ。それにしても6番目の妹とか・・・・どんだけ子だくさんな家なの?第三皇子のお母さまの御実家って」とマリベルが呆れた顔をした。

すごいなぁ。

この二人の貴族家に嫁入りしたいという願望の強さは一向に衰えず、ちょくちょく貴族生徒間の噂話とかを精力的に集めているその努力には頭が下がるよ。

しかし、第三夫人とか第五夫人でも良いから貴族家に嫁ぎたいって気持ちが、私には理解できないんだよねぇ。

夫を他の女性と分かち合うって意味不明だよ。

貴族に生れついたら家の都合があるから、政略結婚の駒となるのは逃れられないでしょうが、平民ならその限りではないのでは?

そんな考えをポロっと小声で言ってみたら、フェリーペが「馬鹿だなぁ。あの二人の親が、彼女たちが貴族家に嫁ぎたいと思う様に小さな時から躾けてるから、あの二人は貴族家に嫁ぐ事を第一目標として学園に来ているんだよ。つまりは彼女たちの親の野心の結果だから、貴族の政略結婚と何ら変わらないぞ」と至極当然の事の様に言うのにも、実はちょっと引いちゃったよ。

言ってる事は言葉としては理解できるんだけど、心が付いていかないって感じかな。

「私は夫を他の女性と分かち合うくらいなら、一生独身でいいよ」

「あ、リア、それ、私も同じかなぁ」と勇者様。

「でも、平民でも妻を複数娶っている商家も少なくないぞ」とフェリーペがこれまた当たり前の様に言ってくるので、「じゃあ、私、結婚しな~い」と言ってみたら、急に慌てだした。

「お、おまっ、結婚しないと子供が出来ないぞ」とかなんか支離滅裂だ。

心の中では別に結婚しなくても、する事すれば子供が出来る可能性はあるのだよと思ったけど、口に出すと面倒なので何も言わなかったけどね。

第三皇子の登場で貴族の女子生徒はみんな色めきたったのも事実で、今のところ政略結婚を視野に入れ第三皇子を見ているわけではないのだろうが、サムエル様の見た目やその地位が魅力として映るのだろう、キャイキャイ言ってるのを私たちも何人か見かけた。

「まぁ、私たちには関係ないから、どっちかって言うとドッジボール大会やドールハウスの方が大事だな~」という勇者様の一言に3人全員が無言で頷いた。

新学期が始まったので、そろそろ1年生チームを中心にあややクラブとの練習試合を一通りやらなければならず、今日の午後には錬金術クラブでドールハウスの部品がどこまで出来ているのかと、何が足りないかの確認をせねばならず、話すらする事の無いであろう他国の皇子ははっきり言ってどうでも良い。

午後、錬金術クラブでドールハウスの進捗状況を全体点検をしてみると、もう少し食器セットを色違いなどで作った方が良いだろうし、テーブルクロスやカーテンなども種類を増やすためにもっと縫わないといけない感じだという意見に落ち着いた。

「馬車の方はもうほぼほぼ出来てるから、俺たちもハウスの方を手伝うぞ」とフェリーペが言ってくれたので、全員でハウスの方の作業を進める事になった。

人手が増えたのならもっと色々作り込みたいと思っていたので、「洗面台とか調理台ももっと色んなデザインの物を増やしたいね」と言ってみたら、ランビットがやる気になって「どんなデザインを増やしたいの?」と身を乗り出した。

貴族家の様な豪華な台所用と平民の家の両方のバージョンにしてみようと案を出したら、すんなりそれが通って、同じデザインなのに一見して石で作ってある様に見える物を木で作っている様に見せてバリエーションを増やしてみたりした。

これが全部手作りなら時間が掛かってしょうがないだろうけど、錬金術の装置があるので設計図さえ作ってしまえば意外と早く作れるんだよね。

まぁ、魔力が続けばという条件が付くけど、魔力持ちが4人もいるので問題ナッシング!

どっちかって言うと手縫いになるカーテンとかシーツとかテーブルクロスの方がよっぽど時間が掛かるのだ。

皆でワイワイ言いながら作業するのはとっても楽しい。

次は何を作るかとか、何色にするのかとか、材質は何にする?なんていう他愛もないやり取りが普通に面白いんだよね。

明日はあややクラブだから、今日の内にある程度ドールハウスの方も進めておきたい。

ということで全員能力全開で作業をしちゃったっす。