軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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本日がランディの王都観光最後の日だ。

昨日は外から学園を見てみたり、自分の親にお土産を買いたいというランディの要望に応えてもう一度商店街を歩いてみたり、借りた馬車で貴族街をぐるぐる回って貴族の館っていうものを外からお宅拝見をして終わった。

大貴族の館はその周りに広大な庭があるので建物を見る事が出来なかったが、中級や下級の貴族になると、庭が小さかったり、無かったりで建物をしっかり見えちゃう邸も多かった。

馬車止まりがある家、無い家、色々あって結構お宅拝見って面白いんだよね。

建物そのものもどんな建材で建てられているのかとか、何階建てなのかとか、そもそもそのデザインとかを見るのって面白いんだなってランディも言っていたので、楽しんでもらえたのだろう。

「貴族街ではこんなに立派な石畳なのに人があんまり歩いていないんだね」というランディの感想に、「お貴族様はみんな馬車を使うからね」と父さんが答えてた。

なんでも貴族は歩いた方が早い場合でも、馬車での移動が定番で、馬車を使わないと傾いた家と見られるそうだ。

う~~ん、貴族って大変なんだね。

今日は最終日なんだけどボブに頼んでいた工房見学にOKが出たので、ボブとフェリーペと一緒に一日遊ぶ事になった。

「いらっしゃい~。ランディ、ポンタ村以来だね」

ボブん家なのに歓迎の挨拶はフェリーペがした。

う~ん、無口なボブの代わりにフェリーペが足りない言葉を補うのは平常運転だね。

それを知らないランディは頭の上にクエスチョンマークを浮かべて「リア、ここってボブん家では?」なんて聞いて来た。

「うん。ただ、ボブは無口だから、言葉が足りない事が多くて、幼馴染のフェリーペが言葉を補う事も多いんだ。歓迎の言葉を言わないから邪険にしているわけじゃないから、ボブがあんまりしゃべらなくても気にしなくていいからね」

ランディは何か納得していない様だけど、まぁ、一日一緒にいたら追々分かるよ。

「やぁ、来たな!画像の投影機で儲けさせてもらってるぞ」とボブの父さんが工房から顔を出して来た。

「そっちの子がお前の従兄か?」

「はい。ランディって言います」

「ランディです。今日はよろしくお願いしますっ」

生まれて初めて錬金術の工房を見るランディはワクワクが止まらない様で、早く工房を見たいのがそのウズウズした態度に見て取れた。

「おう!ゆっくりしっかり見て行けや。家の子が大抵の事は説明できるから、おい、ボブ。ちゃんと説明するんだぞ」

オジサンの言葉にボブは無言で頷く。

そんなボブの頭をオジサンがガシガシと撫でながら「こいつぁあ、無口だし、人見知りだけど、錬金術の事は大好きで大抵の事は知っているからしっかり質問してくれや」とランディにニッコリ笑って、私達が持って来たお土産を持って工房の奥へ戻って行った。

「じゃあ、まず、こっちの応接間に座って、どんな物を作ってるのか見てもらおう」とフェリーペが仕切ってくれた。

2つある応接コーナーの奥の方に既に見本の品が並べられていた。

「これは、扇風機っていって夏に使う物なんだけど、風を産みだす装置なんだ」と言って、扇風機を回してくれた。

「うわぁぁ。これ今は寒いけど、夏だと涼しくなるからいいな」ランディは生き生きした目で扇風機を点けたり消したりしている。

「こっちのは投影機って言うんだけど、実はリアのアイデアを元にこの工房が作り上げた装置なんだ。ボブ、カーテンを閉めて来て」というフェリーペの指示に従ってボブがカーテンを閉めている間にフェリーペと二人で投影機の仕度を済ませた。

ボブが戻って来て席に座るのを待って「じゃあ、投影するぞ」とフェリーペが投影機のスイッチを入れ、壁に様々な画像を映し出した。

ランディは何も言わずに目だけを真ん丸と見開き、固まっていた。

「おい、大丈夫か?」そう言ってフェリーペがランディの肩を揺すって初めてランディが覚醒した。

「これ、これは何だ?」

「これは、こういう画像板っていうのに画像を写し取って、この装置で壁とか白いものに投射するんだ。そうすると後々残したいと思った場面を機械で切り取り、保存して、いつでも好きな時に複数の人と一緒にその画像を楽しむ事が出来るんだ」

「なっ!」

「フェリーペ、今の私たち4人を画像板に記録できないかな?もちろん、画像板の支払いは私がするよ」

「問題ないと思うぞ。ボブ、それでいいか?」

「ああ」とボブが工房の奥にひっこみ、その間に私がカーテンを開け、フェリーペが投射機のスイッチを切った。

丁度その時、奥から運んで来てもらった画像保存機を使って工房の人が私たち4人の画像板を撮ってくれた。

さっそく映写機に設置すると私たちの映像が壁にうっすらと映し出され、私は慌てて店のカーテンを閉めた。

すると今度はくっきりと私たち4人の画像が壁に映し出された。

「うわぁぁー」と声を出しながらランディは映し出された画像に近寄るけれど、自分が光を遮っている場所だけ影が出来ている事に気付いた。

「あっちのソファーに戻って僕を見てごらん。これはね、光で暗い所に映写しているから、僕の体の上に映像が映し出されて、僕の体が遮っている所は影が出来ているでしょ?簡単な原理で動いている装置だって分かるでしょ?でも、これが出来て色んな事が変わったんだよ。これが出来る前までは少人数でこの画像板を光に透かして見る事しかできなかったけど、今では不特定多数で同じ画像を一緒に見る事が出来る様になったんだ」と無口なボブは錬金術の事とか、仕組みの事になると雄弁になる。

「ランディ、この画像板は私からのプレゼントだから、ポンタ村に持って帰って叔父さんたちにも見せてあげてね」と映写機から画像板を抜き取り、ランディの手に渡した。

指紋が付くといけないと、直ぐにボブに取り上げられ、工房のマークの入った封筒に入れて返してもらった。

「さて、夕方にはリアん所のレストランで食事をって事になってるから、それまでに工房を見終わらなくっちゃいけないから、見学をするぞー!」というフェリーペの仕切りで私達は工房の奥へ向かった。