軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「よし、晩餐会のメニューに関しての話しはこれで終わりだが、お前に出した大きな宿題についてダンテスと相談してから帰宅する様に」

そう言って大公様は自室に引き込まれた。

父さんと私は大公様の背中に向かって、大公様のお姿が消える前に「「ありがとうございました」」と何とか礼を言えた。

大公様は背中を向けたまま手を振ってそのまま行ってしまわれた。

「さて、アウレリア様。宿題の方の打ち合わせをしましょう。ギジェルモ様もご一緒して頂いた方が良いかとは存じますが、お店の方がご心配でしたら後でアウレリア様だけを当家の馬車でお送りする事も出来ますが如何されますか?」

「店の方はスタッフのみんなに任せておりますので、アウレリアと共に打合せに参加させて頂きたいと思っております」

「かしこまりました。では、こちらへ」と、会議室の様な部屋へ連れて行かれた。

円卓がドデーンと据えてある、黒っぽい木で装飾された会議室で、妙に落ち着く。

この部屋のインテリアを担当された方は相当良い趣味だな。

「さて、アウレリア様」とダンテスさんが口火を切った。

「まず最初に、大公様が何を思って今回の宿題をアウレリア様に出されたかを説明させて下さい。アウレリア様のスキルを以てすれば、王都以外にもフローリストガーデンの様な美しく美味しい店を出せると思いますが、そうすると各店舗を管理するために定期的に店舗のある街を訪ねなければなりません。そうすると、王都以外で宿泊する必要が出てきますよね」

「はい」

「その時、アウレリア様が安心して宿泊できる場所を確保するというのが女主人であるアウレリア様に必要となってきます。そして、宿泊する宿を他人が経営する宿ではなく、ご自身が経営してしまえばより安全に旅が出来ます。もちろん、宿を経営する事で利益を得る事もできます。また、お店1軒の売り上げよりも複数の売り上げがあれば収入も増えますし、どれか1軒の経営が不振になっても生き残れます。それを思って、大公様が今回の宿題を出されたのです」

うわぁ~。大公様の旅を快適にすると言うよりも、私の安全を考えての事だったとは・・・・。

本当に大公様には足を向けて寝られない。

心にじんわりと暖かい物が広がっていく。

それは父さんも同じみたいだ。

二人で顔を見やってニッコリと笑った。

嬉しいもんね。

ありがたいもんね。

「ありがとうございます。大公様のお心遣いしっかりと受け止めました」

「もちろん、大公様が旅行される時に使いたいというのも一つの理由でもありますから、大公様が使い易い宿という観点からも考えて欲しいですけどね。で、今の所どんな事を考えていますか?大まかでいいので口頭で説明して下さい」

「はい」

そこで私が説明したのは、高級ホテルチェーンであるという事が分かる様に宿の名前に共通部分を付ける事。

例えば、ホテルコルネッホ・王都とか、ホテルコルネッホ・ゴンスンデみたいな感じ。

そして宿という言葉ではなく、ホテルとする事。

宿とすると、街道の村々にある素朴な宿との住み分けが名前を聞いただけでは付かないので、新たにホテルという言葉を作る。

全てのホテルにはレセプション、ラウンジ、レストラン、バーを作る事。

部屋は大部屋は作らない。

大きな都市ではシングル、ダブル、ツィン、スイートの4種のみ。

街道の村では貴族家3軒が鉢合わせても泊まれるくらいの規模の物にし、スイートと御者や側仕えたちが泊まる用の簡素な部屋のみにする。

敷地に有象無象が入れない様に塀で囲むので、塀から圧迫感を感じないで済む様に、広い庭園を造る。

もちろん出入りを管理するために警備員を置く。

レセプションとは別にコンシェルジュを置く事。

この世界ではまだコンシェルジュという職がなかったので、その説明も忘れずにやったよ。

場所によってはプールや遊技場、会議場等を設置する。

大きな都市にあるホテルでは、定期的に会議場等でコンサートや催し物を開催すること。

何にも考えてなかったけど、前世のホテルを思い出しながら色々話して言ったら、ダンテスさんも父さんもあんぐりと口を開けてこっちを見ている。

「お前の頭はどうなっているんだ?何でそんなにスラスラとアイデアが出てくるんだ?」と我が娘ながら驚いたという風に父さんがポロっと零した。

「そうですね、アウレリア様はスキルもスゴイですが、頭の回転や発想力が群を抜いていらっしゃいますね。これは今すぐ書類に起こしておきます。後はまず、どこでも良いので、建物やインテリアの案を図面や絵にして下さい。それを元に、どの街や村のホテルと言いましたか?コホン。どのホテルに当てはめるかなどを建築の専門家たちと話し合います。そしてその結果をまた、アウレリア様へお伝えしますね。大公様への報告は全て私が行いますが、アウレリア様ご自身で大公様へご相談されたい事などありましたら、私に申し付けて下さい。セッティング致します。しかし、すごい!レストランの時も舌を巻きましたが、これは本当にすごい!」とダンテスさんが興奮しまくってしまいました。

「あ、ダンテスさん。全てのホテルのリネンは統一して、ホテルのマークを刺繍した物を使いたいし、お皿も同じ様にマークの入った物で統一したいです。破れたり、割れたりした時の為に数は揃えないといけないと思うので、前倒しで発注した方が良いかも知れません」なんて言ってしまったので、更にダンテスさんは驚いてしまい、一瞬石化していました。おほほほ。

大公家で用意してくれた馬車で帰宅する途中も父さんが、「お前はどこでそんな知識や発想を得ているんだろう。自分の娘だから誇らしい気持ちと、あまりにすごいので畏敬の念が生まれてくるよ」と恐る恐るなのかいつものしっかり地肌に着く感じで摩るのではなく、少し頭から手が浮いた状態で頭をさすってくれた。

もしかしてこんな子供にはあり得ない発想で、気持ち悪いと思われたのだろうか?

父さんや母さんにそう思われたら私はどうしていいか分からないよ。

心配そうな顔で父さんを見つめると、「お前は元々、文字や計算の勉強もすぐに熟したくらい頭が良いし、常人では考えられないくらいスキルも多いから、普通の人間に出来ない事も出来てしまえるのだろう。お前の才能を伸ばしてやりたいと思うと共に、世間から奇異の目で見られ疎まれない様にと心配する気持ちもある。私たちの様な凡人がお前の親では、お前を守る事も出来ないのではないかと悩む事もある」と優しい声で頭を撫でる手を止める事なく話し掛けてくれた。

最後にはしっかり地肌を掴んだ様に頭を撫でてくれたので、泣きながら父さんに力いっぱい抱き着くと「誰が敵になろうとも、私達はお前の味方だから安心をおし」と言ってくれた。