軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第831話 チームアレン⑥ブレマンダ戦(4)

ブレマンダは複数体の上位魔神を超える力を持つ敵たちを3体呼び出せる。

呼び出した敵を精霊の力を使って倒すには代償を求められる。

精霊使いは精霊により絶大な力を行使することができるがその代償に命を奪われる可能性があった。

魔王城1階層でチームを分ける際、キールを他のチームにする案も検討したが、精霊王ポンズとコンズの力を使って扉を破壊しようするとソフィーとルークの負担が多いことに気付いた。

圧倒的な回復魔法を誇るキールには、他のチームの安定を図る作戦もあったが2人の体力を即座に回復してもらうため、アレンのチームに来てもらった。

『おやおや、揉めていますね。迷っている間に私は私のできることをしましょうか。ゆっくりご相談くださいね。私は魔王城を守護するもの』

新たに現れたリンブルラに対して笑みを零すブレマンダは、バロンカロンと一緒にバフをかけて強化を図る。

「分かっている。守りを優先し、ソフィーとキールは同時に2体以上の精霊に力を行使させないよう注意してくれ」

「お、おい、アレン!!」

聞いているのかと言わんばかりにフォルマールは不満顔だが、アレンはブレマンダににらみを利かせながら一言呟く。

「……ブレマンダを倒すぞ。速攻でな! クレナ、合わせろよ!!」

前世でもこの状況で周りの雑魚から倒した記憶はない。

「うん、そうだね。アレン!!」

『グラハン、一気に畳みかけるぞ!!』

『ああ、勝負の時だな!!』

『憑依合体! 生命循環! 戦士の咆哮!! うおおおおおおおおおおおおお!!』

アレンの体を真っ赤な熱気のようなものが覆っていく。

覚醒スキル「憑依合体」を発動し、ペクタンの加護「生命循環」によって、体力が25%切った時に発動する特技「戦士の咆哮」で全ステータスを1・2倍にした。

『む! 来ますね!! ですが私の無限障壁は破れませんよ!!』

覚醒スキル「憑依合体」によってグラハンを取り込んだアレンが跳躍しブレマンダに再度切りかかる。

『ソウルセイバアアアアアア!!』

アレンの剣が青白い炎に包まれ、4枚の障壁で守られたブレマンダに迫る。

跳躍し、一気に距離を詰めたアレンが憑依したグラハンの特技「ソウルセイバー」を叩き込む。

バキバキ

パリンッ

バキバキ

(くっ!? 2枚目も無理なのか? 固すぎる!!)

アレンの剣はガラス質な感じで砕け散る2枚のブレマンダの「無限障壁」を砕き、2枚の目のところでヒビを入れたところで斬撃が止まってしまった。

「やああああああ!! 秘奥義……!!」

「むん! 秘奥義……!!」

『まて! 攻撃するな!!』

アレンは鳥Fの召喚獣の特技「伝達」を使い、タイミングを合わせ追撃しようとしたクレナとフォルマールを制する。

2枚目の「無限障壁」を蹴り上げ、ソフィーたちの前面に戻る。

「ちょっと、アレン。攻撃しないの?」

「ああ、思った以上に障壁を砕けなかった。仕切り直しだ」

アレンが障壁を砕き、クレナとフォルマールがブレマンダを倒す作戦がグラつく。

ファルネメスに跨るクレナも、跳ねるように飛び上がり、アレンたちと前線を合わせる。

『おやおや、どうしたのです? 少し障壁の数が多かったでしょうか? 私は防御に特化しておりますので攻め手が少ないです。これはどうやら、長期戦になりそうですね』

(随分余裕の態度だな。まだ何かあるのか?)

ブレマンダはニヤニヤが止まらないようだ。

メキメキ

ほんの2秒も経たずアレンが完全に破壊した1枚とヒビを入れた1枚の「無限障壁」は元に戻ってしまった。

(ブレマンダは長期戦でパーティーの分断を続けるのが望みか。パーティーの司令塔の俺がいない方が魔王軍は自由に動けるのかな。それにしても、俺のステータスが低くなっているからな。知力依存のソウルセイバーの全力が出せないぜ)

アレンは威力確認のための攻撃であったが、やはり最大威力には程遠い。

アレンのステータスはホルダーの召喚獣の種類によって大きく依存する。

召喚獣によって貰える加護のステータスが異なる。

【アレンの召喚獣の召喚枠や特性】

・最大召喚枠は90体

・Sランクの召喚獣8体、Aランク以下の召喚獣は63体※

・成長ランク9はAランク1体ずつ可能

※Aランクのメルスは除く

さらに、メルスやリオンのための天使B以下、神A以下の召喚獣枠は戦いのために必ず必要なので外すことができない。

メルスとの連絡手段の1つとしてホルダーの枠は2つ空けておきたい。

・現在のアレンのホルダーの枚数の状況(88枚の内訳)

【 虫 】計30枚:A30枚(成長レベル9は1体)

【 獣 】計01枚:S1枚

【 鳥 】計12枚:S1枚、A4枚、E5枚、F2枚

【 草 】計01枚:S1枚

【 石 】計30枚:H30枚

【 魚 】計02枚:SB(各1枚)

【 霊 】計04枚:SABC(各1枚)

【 竜 】計01枚:S1枚

【天 使】計04枚:SBCD(各1枚)

【 神 】計03枚:SAB(各1枚)

常に固定しているわけではないが、地上で戦うアレン軍たちを考えると、現状、このホルダーのカード構成にせざるを得ない。

魔王軍の戦力と作戦がこのホルダーの構成にしているとも言える。

・戦士の咆哮時のアレンのステータス(+武器防具)とバフ盛り

【体 力】123000/492286(体力25%維持)

【魔 力】472146

【霊 力】472146

【攻撃力】732462+50000

【耐久力】542881+12000

【素早さ】1149235

【知 力】684300+30000

【幸 運】374274

なお、そうであってもSランク、特に天使系、神系の加護のステータスの影響を大きく受けるため、上位神並みのステータスを誇る。

(さて、攻めてみたが油断させて敵を増やすことはしないようだな)

70万を超える知力でブレマンダの表情を見ても分析した攻撃手段に騙しはないと判断する。

「……仕方ない。剣士の忠誠を使って一気に倒す。グラハン、一端削除するぞ」

『うむ、勝負の時だな』

聖珠ポイントを29消費し、グラハンを再召喚する。

Sランクの召喚獣が月に3回生み出すことのできる聖珠はコツコツ貯めてきたので、スキルのクールタイム解除のための聖珠ポイントの使用は全く問題ない。

「あの? それは体力をかなり低下させます。危険ではありませんか?」

グラハンの覚醒スキル「剣士の忠誠」は体力を10%以下で維持しなければいけない。

ペクタンの加護「生命循環」で発動可能であるが、魔神王2体と亜神級の敵2体という状況で発動可能なのかとソフィーは心配する。

「長期戦で敵の消耗を誘う状況でもないからな。よし、ペロムス、お前の魔法具を全部『幸運』に変えてくれ」

アレンは次の作戦に備えてペロムスに指示を出す。

「え? そんなことをしたら死んじゃうけど」

背後にいるペロムスに指輪や腕輪についた体力や耐久力ではなく、全て幸運のステータス特化に変えるよう指示を出す。

勝手に守ってくれる精霊のような存在も、強力な防具もないペロムスは

「ペロムス、死ぬときは一緒だ。物理耐性に強が付くし大丈夫だ。絶対に上手くいく。タブン」

剣神セスタヴィヌスによって貰ったグラハンの覚醒スキル「戦士の忠誠」は周囲の仲間たち全員に物理耐性〈強〉の効果を付与する。

「ええ? 今、小さく『タブン』って言わなかった?」

「アレン様がそのように言っています。ささ、皆で装備を変えましょう」

「おう、観念しろ」

「勝利のためだ、ペロムスよ」

ルークとフォルマールも作戦のためだとペロムスの体力と耐久力を奪っていく。

「ちょ!? みんな!? 僕、死んじゃうよ!! フィオナァアアアア!!」

『……私たちは何を見せられているのでしょうか』

大広間に響き渡るペロムスの絶叫にブレマンダがドン引きしている。

こうしてペロムスの指輪、首飾り、耳飾り、腕輪、腰帯に至るまで全て幸運だけに変えた。

(これでもシアたちに幸運を分けてしまっているからな。まあ、無いよりはマシか)

「さて、勝たせてもらうぜ」

『よろしいのですか? 上手くいくような作戦には見えませんでしたが?』

「ああ、必ず勝利する完璧な作戦だ」

『ほほう?』

(よしよし、いくらでも警戒して守りに入ってくれ。ブレマンダさえ倒せば勝ったようなものだからな)

アレンやペロムスの体力や耐久力などが下がったため、敢えて挑発してブレマンダには無理した攻撃を仕掛けてこないでほしいと心理戦も欠かせない。

敵味方緊張感が最高潮になる中、アレンは剣神から手にした覚醒スキルの名を口にする。

「……剣士の忠誠。いくぞ!!」

・戦士の咆哮+剣士の忠誠のアレンのステータス(+武器防具)とバフ盛り

【体 力】55000/568740(体力10%維持)

【魔 力】545516

【霊 力】545516

【攻撃力】839435+50000

【耐久力】631879+12000

【素早さ】1339198

【知 力】950640+30000

【幸 運】430408

※戦士の咆哮は体力25%で発動可能なため、10%以下の体力で剣士の忠誠と重複可能

※剣士の忠誠で戦士の咆哮は改となったため、全ステータス1・4倍

バチバチ

覚醒スキル「剣士の忠誠」を発動させたアレンの全身から閃光が弾ける。

『お、おおおお……。なんという力でしょう。これは脅威に値しますね』

「ペロムス、準備はいいか?」

ネスティラドと戦った時みたいに金貨を握りしめるペロムスにアレンは声をかける。

「だ、だ、だだ、大丈夫じゃないよ!」

「何言ってんだ。この作戦の全てはお前の双肩にかかっているからな」

「これ以上緊張させないでよ!!」

アレンはさらにペロムスにプレッシャーを与える。

クレナやフォルマールを一瞥し、頷く様子を確認する。

『さて、ここからが本番というわけですか。緊張しますね。守り切れるでしょうか』

ニヤニヤとするブレマンダに対してアレンは大きく声を荒げた。

「いくぞ、皆!!」

アレンは100万を超える素早さで一気に加速して、ブレマンダに向かって突っ込むのであった。