軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第754話 シャンダール天空国強襲⑥※他者視点

魔神王ガンディーラは超神合体ゴーレムごと竜人たちの陣形をつぶすためにスキル「メガロン砲」を発動した。

超神合体ゴーレムのスキル「光盾」でも防げず、メルルが起死回生のため、神技「 迷宮主降臨(ディグラグニ・オン) 」を発動した。

巨大な魔法陣からオリハルコンで出来たゴーレムであるダンジョンマスター・ディグラグニが現れた。

『メルル、おせえええええぞおおおおおおお!! って、うおおおおおおおお!? 』

『ダンジョンマスター出現……。撃墜指示』

ディグラグニが上空を背中に取り付けた2つのジェットエンジンで滑空していると、ガンディーラがスキル「メガロン砲」を発動させながら、上空目掛けて魔神たちに指示を出し、攻撃魔法を放ち始める。

グルグルと本体を回転させ、軌道を変えながら魔王軍の攻撃を躱し、超神合体ゴーレムの上空から直角に降りてくる。

「よし、合体だ! 神技になって 迷宮主降臨(ディグラグニ・オン) はもっと強力になったからね」

神界に来た際、アレンがメルルのために、ディグラグニに対して報酬の交渉に入った。

強化外骨格としてタムタムの外装となりゴーレムのステータスを上昇させる以上の効果が神技「迷宮神降臨」にある。

なお、魔導キューブ越しにメルルとタムタムは聞いているのだが、同時発動は初めてだ。

「……だ、大丈夫だよな。ダンジョンマスターへの接続信号送信」

メルルとガララ提督の圧を受け、本当にやるのかと言わんばかりにゴーレムの合体維持の役割のある胴体役たちが接続信号をディグラグニに送る。

ガチャアアアアンッ

ディグラグニは変形を繰り返し、コの字となった2門の巨大な砲台に形を変え両肩の上から合体できる形に変形し、接続信号を受けながら距離を縮め、接続後は完全に固定される。

『ダンジョンマスター・ディグラグニ参戦……。任務遂行率50%減』

ディグラグニが登場したことによりガンディーラは警戒心を最大限にする。

【神技「 迷宮主降臨(ディグラグニ・オン) 」の効果一覧】

・発動者のゴーレムと合体できる

・極大(1門)、特大(2門)、大(4門)、中(8門)、小(16門)の魔導砲使用可

・全ステータス10万上昇

・効果は1時間

・発動者の指示で変形可能

※ダンジョンマスター・ディグラグニの神名は「迷宮神」だが、「迷宮主」で表現統一

「お、おおお……消費魔力量が格段に上がったぞ」

超神合体ゴーレム自体のステータスが全て10万上昇し、スキル「光壁」の踏ん張りが効きやすくなる。

だが、元々神技「超神兵」と神技「迷宮神降臨」は同時に発動するには無理があったようだ。

バチバチバチ

ディグラグニと接合した肩から首にかけてだけではなく、全身のいたるところのゴーレム同士の接合部分から弾けるような音を立て悲鳴を上げる。

「無理だ!? こんなの維持できるわけがない」

『か、かなり厳しいです……。早期の戦闘終了が必要です』

25体のゴーレムとディグラグニの合体を維持させている胴体役とタムタムから弱音が零れる。

スキルや神技の威力を上げる方法はいくつかある。

バフなどの補助魔法や補助スキルをかけ、ステータスを上昇させたり、クリティカル率を上げる方法もあれば、属性を有利な種類に変えたり、デバフで対象のステータスや耐性を下げる方法もある。

それ以外にも「合わせ技」というものがある。

フォルマールのようにスキル「真強打」を発動させた上にスキルや神技を発動すればさらに威力が上がる。

勇者ヘルミオスは神技「武の極み」を使用し、発動した神技やスキルの威力を格段に跳ね上げる。

今回、メルルが使用した神技「超神合体」と神技「迷宮主降臨」の合わせ技は神技同士の掛け合わせによって圧倒的なまでの力を手にすることができる。

強力な力には代償があり、フォルマールはスキル「真強打」を発動する分、攻撃の回数が減ってしまう。

勇者ヘルミオスは圧倒的なまでの取得難易度と発動タイミングのセンスが求められる。

今回のメルルが発動した2種類の神技は25人のドワーフ全員に膨大なまでの負荷を代償として求められた。

意識が飛びそうなまでの負荷を与えられているのだが、ディグラグニにその悲壮感は伝わらないようだ。

『それにしても、どういう状況だよ! 魔法神様がピンチなのに俺を神界に戻さないでよおおおおおお!!』

「今はそんなこと言っている場合じゃないよ!」

『なんだと、メルル! そんなこととは何だ!!』

メルルが信仰値を提供することによって亜神から神の名である「迷宮神」となったディグラグニだが、本体自体は地上のS級ダンジョンにある。

ディグラグニはどうも魔法神の研究所に置いているダンジョンコア経由で救援に駆けつけるべく神界へ行こうとしたが、理の問題や魔法神の許可が取り付けられず、ずっと傍観していたようだ。

「もう、ディグラグニ! ここをパパッと倒して救援に行こうよ!!」

駆動室を響かせながら畳みかけるように不平不満を言うディグラグニに対して、メルルは一喝する。

『……確かにその通りだな。こんな金ぴかの偽りのゴーレムに本物を見せてやる。魔導砲を発射するぞ!!』

ディグラグニのうっ憤と不満の対象がガンディーラに向けられる。

両肩の全長100メートルにもなる巨大な砲台に魔力が込められていく。

それは超神合体ゴーレムと攻撃を主体とする右腕役のドワーフだけではなかった。

「ぬが!? 俺らの魔力もかよ!!」

本来であれば右腕役が担うのだが25人全員の魔力が消費される。

25人全員の魔力が駆動室内に溢れ、超神合体ゴーレムに吸収され、両肩の2門の魔導砲(特大)の砲門の発射口に集められていく。

神技を発動したメルルがスクリーンに生じた照準を操作パネルに手を当て調整する。

「いくよ! 魔導砲発射!!」

『消し飛べやあああああああああ!!』

メルルの操作に答えるように2門の砲台に変形したディグラグニがガンディーラ目掛けてスキル魔導砲(特大)を発射した。

2つの超高熱の熱線がガンディーラのスキル「メガロン砲」をぐいぐいと押し込めながら、ぐいぐいとガンディーラに迫る。

『1点目魔力タンク消費完了。2点目魔力タンク消費開始。メガロン砲出力100%発射!!』

ガンディーラは1つ目の魔力タンクが空になると左肩に装着していたのだが、接合を外して地面に落とし身軽になる。

2つ目の魔力タンクの出力を100%に切り替え、超高熱のスキル「メガロン砲」をこれまで以上の出力で発射する。

『へぎゅあ!?』

『ぐるああ!?』

ガンディーラと超神合体ゴーレムの両サイドには上位魔神や魔神がいるのだが、あまりの高温に耐えかねて燃える者まで出てきた。

感情がないのか無機質に敵味方お構いなしで目の前の脅威を排除しようとする。

「え? ぬぐううううううううう!?」

「お、おい、メルル。押し負けてんぞ。気合い入れろ!」

『き、気合でどうなるものでも……。魔力量が足りていません』

2体の間の中間地点まで押し変えていたのだが、こちら側にどんどん、相手側のスキル「メガロン砲」の超高熱のビームが迫ってくる。

ガララ提督の精神論にタムタムはツッコミを入れるが、答えたのはディグラグニであった。

『そうだな。おめえら! 魂込めろよ!!』

超神合体ゴーレムの両肩に乗る2台の魔導砲(特大)は一瞬にして変形し、頭上に取り付けられた1台の魔導砲(極大)に形を変える。

発射口に全ての魔力を集めていくとドワーフたちが違和感を覚える。

まるで魂を抜かれそうな浮遊感と全身の激痛がドワーフたちを襲う。

「ぬがああああああああ!!」

「うあああああああああ!!」

『で、ディグラグニ様!?』

25人のドワーフとタムタムの全魔力だけでなく、霊力も体力も1台の魔導砲(極大)に集められていく。

命の限界を吸って、全てを込めて魔導砲(極大)を発射するようだ。

『消えな!!』

「……発射!!」

ディグラグニの地響き上げるほどの叫びに、メルルは辛うじて目の前のタッチパネルにある発射ボタンを押すと、これまでの何よりも強力な魔導砲が発射される。

周囲の魔神や上位魔神を蒸発させ、ガンディーラに超高熱のビームが迫る。

ガンディーラの肩にある全長100メートルにもなる砲台を蒸発させ、肩、首、頭部まで融解させ、左腕が地面に落ちてしまった。

魔導砲(極大)の熱線ビームはそのまま遥か彼方まで飛んで行ってしまった。

『損傷重大。パワーポッド至急要請求……。至急要請求……。』

25人のドワーフ、タムタム、そしてディグラグニ、さらに2つの神技の合わせ技によってガンディーラは行動不能なほどのダメージを負った。

体を起こす力もないのか、跪き胸元の信号を赤く点滅させ、さらなる追加ユニットを求めるようだ。

だが、ダメージを無視した攻撃の反動が超神合体ゴーレムに襲い掛かる。

パチパチ

ガシャアアアン

強力な技の併用には相応の代償が求められた。

一発の大技の使用で通常の神技「迷宮主降臨」による持続時間を大幅に下回ってしまう。

「が、合体の維持が……」

合体を維持する胴体役もそれを指示する頭役も限界を超えて魔導砲(極大)の負荷が襲い掛かった。

25体のゴーレムとディグラグニに分かれてしまう。

「もう少しで倒せるのに……。タムタムいける!?」

『本体用石板の交換を求めますが、大丈夫です』

メルルが天の恵みで体力も魔力も全回復させると崩れ落ちたゴーレムたちがなんとか石板を変え、戦いを続行しようとする。

だが、魔神王ガンディーラも魔神王バスクも倒せておらず、上位魔神や魔神の損耗も2割程度だ。

倒し切らなければ、敵陣が回復してしまう。

この状況の中、戦況を俯瞰していたメルスが動き出す。

戦わねばというところで、頭上の鳥Fの召喚獣が大声で覚醒スキル「伝達」を使用する。

『援軍の準備が整った。遠距離攻撃するからメルルたちはそのまま倒れた低い姿勢を維持してくれ!!』

「え? 準備? 準備ってなんだよ?」

メルスが召喚獣を使って裏で作戦を進めていたようだ。

『デカブツの損傷が大きい。今が敵陣を叩く時だ。戦線を離れるからドゴラたちはバスクを抑えていろ!!』

「ちょっと、おい、メルス!!」

具体的な話を聞けないままメルスが転移すると、バスクたちと戦いながらドゴラが大声で叫ぶ。

『おいおい、メルスちゃんがいなく……。なんだ?』

勝手に何処かへ行ったメルスの行動を挑発しようとするが、最後まで言い切ることはなかった。

メルスがすぐに戻ってきた。

「お? おおおおお!! 竜人たちだ!!」

タムタムのスクリーン越しに見たのは万を超える竜人たちだった

竜人、獣人、神界人が戦う前衛たちの背後に2万もの竜人たちの陣形があらわれる。

メルルのスクリーンのほとんどが竜人だが、獣人たちも一緒に何百人か転移してきたようだ。

原獣の園には今でもアレンたちが作った霊石集めのため3つの要塞に分かれた場所で竜人たちが霊獣狩りをしている。

その場所に設置した鳥Aの召喚獣の特技「巣」の設置により、戦闘への参加の準備を進めていた。

1つの要塞から2万人もの竜人たちを戦力に連れてきたようだ。

彼らは巨大な要塞の上から攻撃できるよう投擲系のエクストラスキルを持つ竜人たちだ。

『竜人たちおよびその前で戦うゴーレムたちを避け、魔神たちを一掃せよ!!』

メルスは後方に配置した竜人たちに、鳥Fの召喚獣の覚醒スキル「伝令」を使い竜人たちにも、視覚的に戦況を把握させ、指示を出す。

「天空国を侵攻してきた者たちを討てええええええ!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

隊長格の怒号のような合図に地響きが轟くほどの声で竜人たちが遠距離攻撃系のエクストラスキルを発動する。

「おお、皆来てくれたのか!!」

前線で戦うアビゲイルがすぐに頭上を飛び越え、魔王軍の陣形に迫る槍や弓などの遠距離攻撃に歓喜の声を上げるのであった。