軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第747話 神界闘技場強襲⑤※他者視点

勇者ヘルミオスは魔王軍総司令オルドーに対してゆっくりと距離を詰めていく。

その顔は憎悪で染まっており、普段のへらへら表情はない。

魔王軍最高幹部のキュベルだけではなくオルドーにも大事な仲間を奪われており、勇者としての壮絶な人生が表情に現われている。

ずっと隠した笑顔の仮面をとったヘルミオスがオルドーに対して小さく呟くように語り掛ける。

「すぐに済むから是非受けてほしい。武神様、神器オハバリを剣に……。 神技開放(アルティメット・マスター・ヒーロー) 」

アレンの仲間たちの誰もが神々の試練に挑戦してきた。

その誰よりも長い試練を超えたヘルミオスが淡々と戦いの準備を始める。

『ヘルミオスよ。お主のために全ての武器となろう。オルドーか。古き神よ。やつは強敵だ。……一撃で決めよ』

無限の武器に変わることができる神器オハバリが、剣の形に変わる。

クレナの大剣よりも小さく、アレンの剣よりも大きい、白金に輝く諸刃の神器だ。

「はい、武神様」

仲間たちのバフを貰い、全身に魔力をたぎらせるヘルミオスが神器オハバリを構えると、総司令オルドーが応えるようだ。

『ほう、武神から神器と神技を得たか。人の身の分際がどれほど矮小なことを教えるのも我の務めか』

ヘルミオスの表情も態度も、闘神3姉妹の次女である武神オフォーリアから神技や神器を得ていることも、総司令オルドーは気に食わないようだ。

だが、クレナがこの状況に待ったをかける。

「ヘルミオスさん、危ないよ! 皆で攻めないと!!」

クレナはオルドーに吹き飛ばされてから、魔王軍と距離を取りながら、キールたちの下へ駆け寄る

「いや、ヘルミオスさんなら問題ないだろう。神技も使って全力で戦いそうだし。それよりも、今何が起きてんのかもっと教えてくれ。剣神様は魔王軍が攻めてきたぞとしか答えてくれないし」

何かあったら回復するからと言うキールは状況の説明を求める。

「え? そうなの? えっとルプトさんが来て……」

クレナは分かる範囲で状況を仲間たちに説明する。

クレナの説明は剣神の説明より少しだけ詳しかったが、この時点では、魔王軍が時空神・魔法神の神域、神界闘技場、シャンダール天空国の3方向に分かれた情報は、第一天使ルプト自身も知らなかったし、クレナは知りようがなかった。

お互い睨み合いが数秒続いたのちに、ヘルミオスは全魔力を剣に込める。

10メートルを切り、さらに近づく両雄がスキルを発動させた。

「 神切剣(ホーリーソード) !!」

『 神切剣(インフェルノブレード) !!』

2人とも同じスキルを選択した。

5メートルを超えるオルドーが大の大人よりも巨大な漆黒の大剣に魔力を込めて、ヘルミオスに振り下ろす。

ヘルミオスは神聖属性の白き輝きを神器に宿し、一気に距離を詰めた。

ギイイイイイイイン

鼓膜が破れそうなほどの金切り音と共に2人の斬撃の瞬間、衝撃波が2人を襲う。

スキルの威力は2人の間で拮抗していなかった。

2人の立っていた位置の中間でぶつかり合った剣はゆっくりとヘルミオス側に押し負け始まる。

「くっ!?」

『どうした。勇者よ! あの頃からちっとも強くなっていないではないか! あの時、我の力を得たのに不甲斐ないぞ!!』

体格もそうだが、ステータスもスキルの威力もオルドーが格段に上であった。

オルドーのスキルに力負けし、ヘルミオスの足元が蜘蛛の巣状に床石が粉砕し、ゆっくりと足が道場の床に埋没していく。

打ち合った剣が徐々に首元へ迫り、首元から自らの神器によって血が滴るが、それでもヘルミオスの視線は強く、戦意は決して揺るぐことはなかった。

表情に恐怖など微塵もなくオルドーだけを睨みつけながら、ゆっくりと口を開く。

「武の極致!!」

ヘルミオスが神技「武の極致」を発動すると全霊力の消費と共に、白く輝く神聖属性の光が肉体の全身を巡り、ゆっくりと神器オハバリに宿っていく。

『ぬ? ん、がががが!?』

「うおおおおおおおおお!!」

「お、オルドー様!!」

急にヘルミオスのスキルの威力が上がり、お互いの剣のぶつかる位置がゆっくりとオルドー側に傾き、オルドーは困惑する。

オルドーが勝つことを確信していた上位魔神や魔神たちが、人間との打ち合いに押され、困惑を隠せない。

「ずあああああああああああ!!」

『ぐおおおおおおおおおおお!!』

魂の叫びのように声を轟かせ、ヘルミオスがさらに押し込もうとすると、オルドーも腹の底から力を込め、押し返そうとする。

結局両者は弾けるように同じ勢いで吹き飛ばされてしまった。

「ヘルミオスさん、危ない!!」

クレナが咄嗟に吹き飛ばされた先のヘルミオスを受け止めてあげる。

「はは、ありがと。やっぱり強いや。さすがは魔王軍最高幹部だね」

一矢報いることができて落ち着きを取り戻したのか、憎悪に染まるヘルミオスの表情からようやく笑みが零れる。

聖帝のグレタがぶつかり合って削れたヘルミオスの体力をすかさず回復させた。

転職を済ませ星5つになったヘルミオスのパーティーが集まってく。

「もおおお、無茶してから……。でも、試練が終わって出てきたら一体何なのよ」

ロゼッタがあきれ顔で700体に渡る魔神たちとその幹部2体を見て絶句している。

ヘルミオスは元々、クレナの試練を協力し、自らも力をつける形で神界闘技場にやってきた。

パーティーの仲間たち、アレンのパーティー、ガララ提督のパーティーの協力を経て、武神オフォーリアの試練を超えることができた。

アレンたちのパーティーも試練を受けてきたが、その誰よりも長い期間修行に励んできた。

【神界でのヘルミオスの試練の流れ】

・5月下旬 アレン、ヘルミオスのパーティーが神界闘技場へ到着

・6月上旬 ヘルミオスの武神の試練開始

・9月下旬 ヘルミオスの試練終了

【名 前】ヘルミオス

【年 齢】27

【職 業】英雄王

【加護①】武神(特大)

【レベル】99

【体 力】8195+14400

【魔 力】5914+14400

【霊 力】20314

【攻撃力】8195+14400

【耐久力】8195+14400

【素早さ】8195+14400

【知 力】5914+14400

【幸 運】6319+14400

【加護②】全ステータス30000、クリティカル6割上昇、スキル発動速度6割減、全スキルスキルクール6割減

【神技】武の極致〈6〉

【スキル】英雄王〈8〉、回復〈8〉、鑑定、飛翔〈8〉、破魔斬撃破〈8〉、英傑〈2〉、覇弓轟雷弾〈8〉、無心連撃拳〈8〉、甲破斬〈8〉、強奪手〈8〉、神切剣〈7〉、天稟の才〈7〉、組手〈7〉、斧術〈8〉、剣術〈9〉、双剣術〈7〉、短剣術〈7〉、槍術〈8〉、盾術〈7〉、棒術〈6〉、爪術〈6〉、弓術〈6〉、投擲〈7〉、神技開放

・装備36

【武 器】神器オハバリ:攻撃力50000、素早さ30000、クリティカル率100%増、クールタイム半減、スキル経験値2倍取得

【防 具】オリハルコンの鎧:耐久力10000、耐久力10000(※1)

【指輪①】攻撃力5000、攻撃力5000

【指輪②】攻撃力5000、攻撃力5000

【腕輪①】体力5000、攻撃力5000、クールタイム半減

【腕輪②】体力5000、攻撃力5000、クールタイム半減

【首飾り】攻撃力3000、攻撃力3000

【耳飾り①】体力2000、攻撃力2000、攻撃ダメージ10%増

【耳飾り②】体力2000、攻撃力2000、攻撃ダメージ10%増

【腰 帯】光防御耐性、体力10000

【足輪①】素早さ5000、転移、回避率20%増

【足輪②】素早さ5000、転移、回避率20%増

【スキル「天稟の 才(スキルマスター) 」の説明エクストラモード版】

①スキル「天稟の才」を発動した状態で、他人が使用したスキルを見ると、それを取得し使えるようになる

②新たに取得したスキルは、天稟の才のスキルレベル

③取得したスキルを使い続けることで、スキルレベル9まで育てることができる

④取得したスキルは、星6つの「才能」で使用した場合と同じ効果を発揮する

⑤取得できるスキルは、天稟の才のスキルレベルが6まで、1レベル1つまで

⑥取得できるスキルは、天稟の才のスキルレベルが7以降は、1レベル2つずつ取得可能

⑦限度を超えて取得した場合は、既に獲得したスキルから1つを捨てることになる

⑧一度捨てたスキルを①の条件を満たせば、再度取得することはできるが、その際にはスキルレベルが②となる

⑨天稟の才のスキルレベルが3に到達すると、スキル「英傑」を獲得する

⑩天稟の才のスキルレベルが6に到達すると、スキル「英傑」がスキルレベル2になる

⑪天稟の才のスキルレベルが9に到達すると、スキル「英傑」がスキルレベル3になる

⑫「天稟の才」のクールタイムは1時間

【神技「武の極致」の説明】

・神技、エクストラスキル、スキル、武術(剣術等)を発動中に、この神技を発動すると威力が向上する。

・神技発動の瞬間、以下のパラメータ×スキルレベル分増加する

①全ステータス1万

②クリティカル率10%

③スキル発動速度10%

・神技開放中何度でも使用可能

キュベルがふわりと吹き飛ばされたオルドーの下へと飛んで移動する。

『オルドー様、お怪我はありませんか……』

『ええい!! 気安く触れるな!! 全く問題ないわっ!!』

魔神の1体が吹き飛ばされた先に駆け寄り、立ち上がろうとするオルドーに手を貸そうとして、殴り飛ばされている。

人間相手に無様な目にあったことに怒りが収まらないようだ。

『ほおおお、素晴らしいね……。まさかここまで強くなるとは思わなかったよ。そうは思わないかい』

キュベルがヘルミオスの成長に驚いているのか仮面の下で目を細めている。

『だが、この程度よ。まだまだ我の敵ではないわ!』

怒りで額に血管を浮かせたオルドーが大剣を杖代わりに床板に突き立てながらゆっくりと立ち上がる。

『おや、これは時間をかけすぎたかな』

『む? これは魔法陣』

キュベルが道場の隅で、勇者ヘルミオスや剣神、天使たちが陣形を組む戦闘に魔法陣が現れていることに気付く。

第一天使ルプトが数千の天使を引き連れてきた。

『遅れました! 援軍です!!』

天使たちの先頭にいる第一天使ルプトが救援の到着を告げるのであった。