軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第724話 アンドレ戦①

屈強なアンドレがアレンたちの前に現れる。

80階層から次の階層に行くための巨大な扉の鍵は、土の化身アンドレが持っている。

(予想どおり2回目の戦いだが、前回の俺たちのことを覚えているようだな。ステータスもまんま一致というか、年が1つ増えておる。誕生日を迎えているじゃねえか!)

【名 前】アンドレ

【年 齢】142781

【種 族】土の化身

【体 力】280000

【霊 力】250000

【攻撃力】230000

【耐久力】300000

【素早さ】300000

【知 力】210000

【幸 運】260000

【攻撃属性】土

【耐久属性】土、物理耐性(強)、魔法耐性(強)

クワトロの鑑定眼を使うと、魔導書にメモしたアンドレのステータスから年齢だけが1増えている。

余計な情報で頭の容量を1つ消費してしまったが、改めて亜神級の霊獣にはない30万という圧倒的な耐久力がある。

さらに、物理耐性と魔法耐性も(強)と、アンドレを倒せば確実にセシルはレベルがアップする。

(さて、無駄な思考はこの辺にして、作戦どおりやるぞ。こいつを2時間弱で倒さないといけないのか。骨が折れそうだぜ。ハクがいれば、暴走してもらって一発だったんだけど)

時間内に倒すのに必要な情報にアレンの知力の全てが集中していく。

『ピピッ』

『ピピッ』

『ピピッ』

24体の鳥Aの召喚獣の中で遅れてきた個体たちが続々と80階層のこの大広間に集まってくる。

攻略を優先して鳥Eの召喚獣が1体しかいないため、特技「鷹の目」を補完するようにゆっくりと広がりながら、共有したアレンに視覚情報を伝える。

Sランクの召喚獣たちも、大精霊たちも、アンドレを睨みながら、前衛、後衛に分かれ、戦いに備えた陣形を構築していく。

『ほう、攻略はしたときいているのだがな。どれ、この前のように我の体に入って鍵を奪えるとは思わぬことだな』

ゴクン

巨大な亀の姿をしたアンドレは首飾りをしており、アダマンタイトの鎖にオリハルコンの鍵が括られたものだ。

アンドレの背後の壁に埋まる巨大な門を開けるための物だが、この鍵を手にしないと先の階層へはいけない。

貴重な鍵をひょいと前足の爪に掛けたかと思ったら頭を上げゴクリと飲み込んでしまう。

「残り時間はない。お前たちは先に行け!!」

ここに来る前にセシル、ソフィー、ルーク、フォルマールは全長100メートル、翼長300メートルにはなろう巨大なクワトロの背に乗せている。

「え? でもアレン様!!」

「オリハルコンの鉱脈はすぐそこだ。今飛ばせば間に合うはずだ!!」

「分かりましたわ。ご武運を!!」

アレンたちを残して、クワトロに乗せたソフィーたちを大精霊たちが庇うように左周りにアンドレを避け、次の階層へ続く扉を目指して移動を開始した。

『また同じ作戦か。そうか、攻略は済んだが鉱脈のオリハルコンは貴重よな。我の口の中に早々に入れるとは思わぬことだな』

前回は鍵を奪うため、鍵を奪う役、鍵を待って扉で待機する役に分かれ、メルスがアンドレの口から体内に入り犠牲になった。

今はオリハルコンの牙の並ぶ巨大な口を閉ざしてしまう。

全長300メートルはあろう巨大な体が災いした前回の反省を踏まえて、口に誰かが入ってくることを警戒する。

(よし、意識はこちらに集中したと。敵の背後に移動させる作戦は危険が伴うが、ロザリナたちもいないからな)

大精霊8体による陣形を組んでおり、神の試練を超えてきた者たちがいる中、可能性は低いもののアンドレの攻撃でルークたちは倒されかねない。

意識がアレンやこの場に待機したSランクの召喚獣たちに集中する。

視線をこっちに向けたことを確認した後、扉に向かわせるように思わせたクワトロをUターンさせた。

羽ばたきを最小限に抑え、一気にアンドレの背後に迫る。

「よし、メルス、ルバンカ。いくぞ! 無駄に倒されるなよ! ペクタンは『防御茸』を!」

『プルップー!!』

大地の迷宮のルールでこの場にいる召喚獣も精霊たちもやられてしまうと、再召喚できない。

ロザリナのバフもないため、ネスティラド戦ほどのステータスはない。

さらにキールもいないので回復が追いつかないかもしれない。

ペクタンに特技「防御茸」を発動させて、耐久力の上昇を図る。

特徴的な鳴き声と共に頭のカサをフリフリと揺らすと、淡く光る胞子が飛び、周囲1キロメートルに耐久力1万上昇、物理、魔法、ブレス被ダメージ半減する。

クワトロはアンドレの背後50メートルの定位置で止まる。

アンドレもアレンたちも前のめりになって、攻撃に移ろうとしたとき、クワトロからルークが飛び出て、神器「精王之勾玉」を振るった。

「呪詛禁刃だ! おらああああああああ!!」

キンッ

棘の生えたオリハルコンの甲羅に漆黒に揺らぐ神器「精王之勾玉」から呪いが移るように斬撃を浴びせると、ほとんど無傷の切り口から闇があふれ出し巨大な骸骨が現れる。

『うあああああああああああああ!!』

「よし! 一発で効いたぞ! やはり脳筋の敵だ!!」

『ふぁ!? 何だこの骸骨……。それにこの陣形は!! まさか我を狙って!!』

アンドレはようやく自らが前後に挟まれ、狙われていることに気付いたようだ。

(知力が耐久力に比べて随分低いからな。デバフの耐性はネスティラドに優に及ばずか)

神級の力があるが、ルークのスキル「呪詛禁刃」が一発で通じた。

耐久力、素早さに比べて知力は低いため、デバフの耐性はそこまで高くないと踏んでいた。

デバフの発生確率はデバフ耐性に依存するのだが、デバフ耐性と知力は強い相関関係がある。

たとえデバフ耐性強であっても、知力が低ければ効果は低く、デバフにかかってしまう。

知力の高さによって指数関数的に耐性の効果が跳ね上がる。

発生確率がペロムスなしで1%切っていたネスティラドと、アンドレの数分の1であろう知力だと、ロザリナのバフがなくても一発で効いてくれたようだ。

「よし、ムートン! 錆びさせろ!!」

『おう!!』

『ぐは!?』

黄色いスライムのような形状の毒沼の大精霊ムートンがルークの頭の上から酸性の液体を吹き付ける。

アンドレの強固なオリハルコンの体から煙が立ち上がり、美しい光沢が錆びるように色あせる。

(よしよし、耐久力をしっかり下げてくれよ。ここからバフが十分ない状態で倒しきらないといけないんだからな)

既にグラハンの覚醒スキル「憑依合体」を使い、知力依存の攻撃はできるが攻撃力が低すぎる。

耐久力と体力が高く、物理と魔法耐性の高いアンドレを時間内に倒すため、ルークのデバフが肝心だった。

「よし、準備は整った! いくぞ、皆!! マグラも遠慮はいらない。前に出ろよ!!」

今まで主力をやってこなかったが、攻撃特化の召喚獣はまだいる。

『ふん、分かっておるわ! 竜王の魂だ! ぐおおおおおおおおおお!!』

驚愕するアンドレに対して、全方位に陣を組んだアレンたちが一斉に攻撃を仕掛けるのであった。

マグラは、全長100メートルの鱗の下からでも分かる筋肉質な肉体は、乳白色の腹部と翼の内膜、脇から背面と翼の外膜は緑のザ・ドラゴンという様相をしている。

どうもアレンの中のイメージが強く反映されているようだ。

太く筋肉質な足、翼長が300メートルになり、足の半分ほどの大きさだが凶悪な爪がある前足、頭部には中央を挟んで2本と、3本の角が生えているのだが、中央の角は切られた状態のままだ。

これはアレンが竜神マグラの角を切った状態で召喚獣として取り込んだのだが、召喚獣になっても復活することはなかった。

さらに出し惜しみなく覚醒スキル「竜王の魂」を発動させる。

全長100メートルの体に白金に輝く胸当て、両手に爪、尾の先端にはモーニングスターを思わせる刺々しい刃が装着される。

ブウン

『ぬぐあ!!』

遠心力を効かせて、尾の先の刃をアンドレの腹部に叩きつけ、後方に数十メートル吹き飛ばす。

『ソフィーさん、フォルマールさん。振り落とされないように』

亀の怪獣と竜との戦いに、空中に陣取るクワトロが共有した視覚を元に後退する。

・マグラのステータス(+竜王の魂)

【体 力】119600+100000

【魔 力】106600+100000

【攻撃力】132600+100000

【耐久力】106600+100000

【素早さ】132600+100000

【知 力】132600+100000

【幸 運】106600+100000

※強化、金の卵、防御茸、大精霊神の加護、精霊神の祝福あり

(やはり、マグラ程度の攻撃力だとルークの今程度のデバフだと体力はあまり削れなそうだな)

「マグラ! 炎極殺だ!!」

『分かっておるわ。自由に戦わせよ!! ぐおおおおお!! 炎極殺!!』

アレンの指示に竜の神まで上りつめ、1万年生きたマグラが不快そうにしながらも、特技「炎極殺」を吐きつける。

『ぬぐおおおお!?』

吹き飛ばされ体勢を立て直すまもないアンドレが高熱のブレスを受け、明らかに苦しそうに絶叫する。

なお、アンドレの背面にいるクワトロや大精霊たちは、大きな盾だと言わんばかりに移動し、マグラのブレスを避けた。

(よし! アンドレはブレス耐性がない。竜王の魂はステータス10万増えて、ブレスの威力も上昇するからな)

『ぐぬぬ……。このままではいかんな。大地よ、我に癒しの力を……』

「うわ、俺のスキルが消えていくぞ……」

「ちょっと、ルークのデバフも消えるじゃない」

土の化身アンドレが自らの回復スキルを発動すると、体力が全快するでだけではなかった。

ルークの発動したスキル「呪詛禁刃」の骸骨がもだえ苦しむように、漆黒の闇となって消えていく。

アンドレの体は、毒沼の大精霊ムートンの掛けた酸の効果も消え、オリハルコンの輝きが復活するのであった。