軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第609話 霊石狩り③

アレンの釣狩りは留まることはなかった。

1時間ほどかけて、10万体の霊獣を狩り終わったと同時に次の霊獣が要塞に迫る。

その霊獣も狩れば次もだ。

結局5時間かけて100万体を超える霊獣を狩ってその日は終わった。

竜人たちがやっと終わったのかと要塞の外壁の上で、安堵の涙を流したことをアレンは知らない。

100万体狩りをしてから1日が経過した日の朝だ。

竜人の体力や疲労も考えて、1日狩りをして、翌日は霊石や素材の回収の日とすることにした。

竜人たちは東西南北の4つの外壁に分かれてゴルフボールほどのサイズの霊石を集める。

霊獣のほとんどが肉体のない魔獣系統なので、霊石だけがゴロゴロ落ちている。

ソフィーが作った要塞の東西南北4箇所に設けた門から出て、竜人たちがワラワラと素材回収に当たってくれる。

「しかし、これだけの素材、本当に我らだけで頂いてもよいのか?」

アビゲイルが視界の先まで続く宝の山を見ながらアレンに問う。

「もちろんです。霊石と信仰カードに貯まったポイント以外は、命を懸けて戦って頂いた皆さんの取り分です」

「そうか。誠に申し訳ない」

(さて、霊石の算段が付き始めたし、霊力回復リングの御代わりか、霊力回復系の腕輪も手に入れたいな)

アレンは信仰カードを確認する。

そこには100億ポイントの数字がある。

アレンはメルルやアビゲイルなどに渡している物を含めて、何枚かの信仰カードを手に入れた。

少し前に魔法神イシリスにお願いして、貯まったポイントはアレンのカードに集約するようお願いしてある。

今回の100万体の霊獣狩りで40億ポイントの信仰値が貯まった。

1体当たり4000ポイントほどで、今後は1日でこの倍は信仰ポイントを貯めようと考える。

霊力回復リングの御代わりはもちろんのこと、霊力を自動で回復する腕輪が2つ装備できれば、現在の4倍の速度で霊力を消費できるようになるだろう。

外壁の上から、ワラワラと竜人たちが素材と霊石の回収を始めるのを見ていると、ソフィーも近づいてきた。

「私たちも手伝いますか?」

「ソフィーは2つ目の要塞を作るのを進めてくれ。あとは、宝物庫を兼ねた街もだな」

昨日の狩りの規模を倍以上にしなくてはいけない。

「承りましたわ」

「ああ、その前に、俺は創生スキルアップに努めるから、シアの所で精霊神の祝福をくれ」

「もちろんです」

アレンはソフィーとセシルと共に一旦転移して、本日の訓練を再開したシアの下に向かう。

***

「順調か?」

ついでにシアの調子も確認する。

「ああ、またスキルレベルが上がったぞ」

「それは何よりだ。ギラン様を捕まえるのも時間の問題だな」

アレンはニヤリと笑った。

「なぜ態々、挑発するのか」

『なぜ態々、挑発するのですか』

シアと、少し離れたところにいるギランの声がハモってしまう。

「では、精霊神ローゼン様、祝福をお与えください。『精霊神の祝福』を!!」

ソフィーが雨ごいをするように両手を天に掲げると光の雨が降り注ぐ。

こんなレベル上げでも動作に妥協がないことにアレンは感心する。

「じゃあ、こっちは俺たちに任せてそっちも頑張ってくれ」

「ああ」

***

シアの下から離れて、もう一度、原獣の園に戻ってくる。

「あら、霊石狩りで道草食っていることは言わないのね」

「当然だ、セシル。無駄なことを考えず、それぞれの試練に集中してほしいからな」

「それもそうね」

メルスや召喚獣たちは大地の迷宮RTAに戻ったため、仲間たちでは、セシルとソフィーしかこの要塞にはいない。

「では、私も要塞作りに行きますね」

「頼む。アビゲイルさんには、街も作る話をするから、午後には一旦合流しよう」

地上のアレン軍たちが保有する魔導具などの活用も考えてある。

生活を楽にするには魔導具なので、要塞にも配置する予定だ。

優先して配置してほしい魔導具をアビゲイルと相談することにする。

「はい」

ソフィーは鳥Bの召喚獣に乗って要塞作りに向かう中、これからのことを考える。

ソフィーに頼んだ2つ目の要塞が粗方作り終えた。

要塞内の生活がしやすいよう、居住環境を整えることも進めていく。

さらに2つの要塞とは別に、集めた素材を貯め込み、日々の生活をするための街作りも同時に行っていく。

(草や土系の建材にならない霊獣の素材は畑にでも活用するかな)

植物系や鉱物系の霊獣を倒した後に残る素材には、建材や売買には向かない雑草のような草木や、土くれもある。

竜人たちが行う原獣の園の活動は霊獣狩りでは留まらないと考える。

せっかくなので、素材の備蓄するための宝物庫を兼ねた街で、田畑に活用しよう。

今後、釣狩りを進めていく中で、周辺の霊獣を狩りつくす可能性は十分にある。

原獣の園の奥地にさらに新たな要塞の増設も進めていくことも考えていかねばならない。

アレンがワクワクしながら、どうしたら効率よく霊石を回収できるか、要塞の広場で思案していると、今度はセシルが話しかけてくる。

「これだけ霊石が集まると金の卵を作るのも時間がかかりそうね」

アレンの横にいるセシルは地面に転がる霊石の1つを掴んで呟いた。

霊石を1万個消費するのに1日かかるなら、この場に落ちている100万個を超える霊石で「金の卵」を作るのにどれだけかかるのか。

創生スキルについては、メルスが霊力がないため、どうしてもアレンだけでスキルの行使する必要があった。

「いや、セシル。今後に備えて創生スキルのレベル上げを優先する」

「あら、魔石と同じね」

「そういうことだ」

【創生スキル使用に必要な霊石と霊力】

・鳥Hの召喚獣は、霊石1個、霊力1000必要

・草Gの召喚獣は、霊石2個、霊力2000必要

・石Fの召喚獣は、霊石5個、霊力5000必要

・魚Eの召喚獣は、霊石10個、霊力10000必要

・霊Dの召喚獣は、霊石20個、霊力20000必要

・竜Cの召喚獣は、霊石50個、霊力50000必要

・天使Bの召喚獣は、霊石100個、霊力10000必要

・【ー】Aの召喚獣は、霊石200個、霊力20000必要

※一部の召喚獣のランクについては未達成のため推定

【創生スキルレベルアップに必要な必要経験値】

・スキルレベル3に必要なスキル経験値は10万

・スキルレベル4に必要なスキル経験値は100万

・スキルレベル5に必要なスキル経験値は1000万

・スキルレベル6に必要なスキル経験値は1億

・スキルレベル7に必要なスキル経験値は10億

・スキルレベル8に必要なスキル経験値は100億

※一部のスキルレベルについては未達成のため推定

アレンは先日貰った12万個の霊石を使用し、霊石20個と霊力2万が必要な霊Dの召喚獣を創生と削除を繰り返す。

この時、金の卵など誕生しないので、スキル「高速召喚」も発動しており、ものすごい勢いで魔導書がパラパラと動くだけだ。

アレンの霊力はステータス分6万ほど、装備で7万ほど増加する。

さらに、ソフィーに魔力の底上げをしてもらい最大魔力20万になる。

これは最大霊力20万とも言い換えることもできる。

霊力20万は秒間で1%ずつ回復するため1日に使用できる霊力は単純に計算すると以下のようになる。

200000×1%×3600(時間当たり)×6(1日当たり)=4320万

※神技は1日1時間しか使用できない

※創生スキルは神技のため1時間しか使用できない

※クールタイム半減装備を2つ装備すると6時間に1回まで、クールタイムを減少できる

※ソフィーの神技「精霊神の祝福」でクールタイムリセットしてもらう(7時、21時)

※6時、7時、13時、14時、20時、21時から1時間の1日6時間

※時の大精霊を顕現できるルークがこの場にいたら、話が大きく変わっている

さらにソフィーの霊力の自然回復するスキルもかけてもらっている。

アレンは追加の霊石も貰いながら、今日中に創生のスキルレベル6を目指す。

創生スキルの2巡目も1か月以内に達成したい。

クールタイムの関係もあるので、1日中創生スキルは使えないので、使えるときに十分な量の霊石と霊力の回復が必要そうだ。

「セシル、一緒にボアソの街へ移動するぞ。新たな竜人をこの要塞に連れてこないといけない」

「ええ、せっかく要塞を2つ作ったしね」

「アビゲイルさん、ちょっとよろしいでしょうか」

「ぬ? なんだ」

アレンは次の行動に移すことにする。

1日で霊石100万個は全然満足するところではない。

アレンは魔導書をパラパラと絶えず動かしながら、今日できることはまだまだあるので、そちらも進めることにする。

「明日からは今いる守人たちを2つの要塞に2万人ずつ分けます。そこへ、追加の竜人を迎えたいのです」

「なるほど、経験のある兵の分散と霊獣狩りの速度を速めるということだな」

アレンは、アビゲイルの理解が早くて助かると思う。

「そうですね。ですので4万人は来ていただけると助かります」

「それなら、ソメイ様にも会っておこうか。そろそろ返事も来る頃だ」

「そうですね。トクガラ様方の守人たちも協力をお願いする予定ですし」

「ぬ? 彼らの守人たちもこちらに呼ぶのか?」

「当然です。王家にも近い彼らの守人たちは近くに置いておいた方が賢明でしょう」

「なるほど、手の届く範囲にということだな」

「そのとおりです。それに、これだけの素材が収集できる狩場です。誰の下にいるのが美味しい思いをするのか教えるのも手だと思いますよ」

アビゲイルがぞくぞくする程、アレンの顔が悪い物になっていく。

族長のトクガラの守人長ダッカスは、ソメイの渡した剣や防具に目の色を変えていた。

(地位が欲しい者には地位を。金が欲しい者には金をって、どこの政治家が言っていたかな)

アレンは前世の記憶が蘇る。

「我ら竜人は、自らの務めを果たしたいだけなのだ。手加減を頼むぞ」

「もちろんです。さあ、行きましょうか」

アレンとセシル、それにアビゲイルはボアソの街へ転移した。

ソメイに会うと、トクガラはソメイを首長に竜人は1つになるという快諾してくれていた。

その後、2日おきに4万人ずつ竜人を原獣の園に連れて行き、結局2つの要塞はそれぞれ10万人を収容するほどの規模となった。

宝物庫を兼ねた街にも竜人の入植が1万人程度だが始まっている。

素材の加工や畑作をしてもらう予定だ。

守人たちの食料も確保したい。

アルバハル村には、アレンが作った畑や街で働きたい者がいないかと声をかける。

才能がない者でも、釣狩りの後ろで参加している感を出せば、1日かそこらで、レベル60にカンストし、地上の転職ダンジョンで才能が得られる。

才能次第では畑以外にも釣狩りに参加させても良い。

遠距離攻撃系のスキルがあれば、それを前面にやってくる霊獣に放つだけの簡単なお仕事だ。

***

それから5日が過ぎた。

アレンは涎を垂らしながら、5日間の成果を魔導書で確認する。

セシルが、笑いが止まらないアレンの表情を諫める。

かなり道草を食ったが、既に使用した分も含めるとアレンの霊石は1000万個を超えた。

1日平均で2つの要塞で300万個は貯めることができるようになった。

メルルたちの大地の迷宮攻略組が亜神級の霊獣を狩ってくれていることもあって、信仰ポイントがぐんぐん稼げている。

なお、信仰ポイントは大地の迷宮と霊獣狩りを2日ワンセットで140億ポイント稼ぐことができる。

だから、限界ギリギリのポイント交換をさせてほしいと交渉したところ凄いものを交換できるようになった。

これらの信仰ポイントを使って、クールタイム削減と霊力秒間回復量アップをもとに魔法神イシリスと交渉を続けた。

実際に交渉したのは、研究施設にいるキューブ上の物体だ。

【信仰ポイントと交換できる魔法具】

・50億ポイント 霊力回復リング 霊力秒間1%回復

・1000億ポイント 聖霊の腕輪 体力5000、魔力5000、霊力秒間3%回復、クールタイム半減

・1000億ポイント 霊力回復リング改 体力10000、魔力10000、霊力秒間3%回復

・2000億ポイント 神霊の腕輪 体力30000、魔力30000、霊力秒間5%回復、クールタイム半減

・3000億ポイント 霊力回復リングS 体力30000、魔力30000、霊力秒間5%回復

・3000億ポイント 三界の腕輪 体力50000、魔力50000、霊力秒間10%回復、クールタイム半減

交渉に交渉を重ねたがクールタイムはどうしても半減以上にしてくれなかった。

というよりも、とんでもない信仰ポイントを要求された。

1000億ポイント以上の指輪や腕輪を手に入れるまで、1%回復の指輪で我慢しようと思う

なお、上位の魔法具といらなくなった魔法具及び信仰ポイントなら交換できることまで交渉ができた。

しかし、信仰ポイントは、魔法神イシリスの研究で消費されてしまうため、魔法具を信仰ポイントに交換することはできなかった。

【交換可能例】

霊力回復リングと信仰ポイント950億ポイントを聖霊の腕輪と交換できる。

【アレンが現在装備している霊力を回復している魔法具】

・霊力回復リング2つ

「さて、話もついたことだし、レームに会うとしようか」

「ちょっと、幻鳥レーム様にはお話を聞きに行くのよ?」

セシルはアレンの不穏な言葉に釘をさしておく。

「分かっている。だが相手次第だ」

「その言葉、不安しかないわ」

こうして、アレンたち霊石狩りの要塞作成と竜人たちの新たな狩場が出来た。

幻鳥レームを神鳥にするという本来の目的地へ向かうアレンたちであった。