軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

422.ドゥリン公爵家

【モーズソグニル・ドゥリン】

ドワーフ族。ツヴェルク国ドゥリン公爵家、三男。

【火】属性。

165cmとドワーフでは大きめ、赤色の長髪にヘアバンド。緑の瞳。

魔術科の魔道具バカ。

「ーーってことがあったんだ。だから録画してくれたランスには感謝だよ。」

「あー、そういうことか。ランスの文だけじゃ、よくわからなくてな。まあ、でもともかくお前が元気そうで良かった。」

「ありがとう。ってか、何が貴族っちゃあ貴族だよ!公爵家ってガッツリ貴族じゃねーかよ!」

「あっははは。でも学院じゃ関係ねーだろ?」

「そうだけどさ。」

モズにツヴェルク国に入ってからの事など話していると、店が賑わいだした。夕方になり仕事終わりの人達が、飲みに来たようだった。

「あっ、やべ。宿、取ってなかったんだ。」

「あ?てっきりウチに来るもんだと思っていたから準備はさせてるぞ?」

「は?マジで?いいの?」

「当たり前だ。あー、でもさすがに変声チョーカーだけは外せ。そして貸せ。」

「あはは、了解。」

『ファミーリエ』を出て、モズの家、ドゥリン公爵家に向かう。お屋敷へ入ると家令さんをはじめ侍女さん達に迎えられ、ご家族の皆さんに挨拶をする前に湯浴みとマッサージを受けた。着替えはストレージにあるのでそれに着替える。

ちなみに今回の装いは、濃水色のハイネックのAラインドレス。アクセサリーは、ファンタズモ産の真珠を使ったもの。

ちょうど着替えが終わった頃。

トントントンと客室の扉がノックされる。侍女さんが対応してくれると、モズがエスコートに来てくれた様だった。

「……お前が貴族令嬢なこと思い出したわ。」

「おい!失礼だな。歴とした令嬢だわ。」

と、モズと言い合っていると、ふふふっと侍女さん達が笑っていた。

「……。じゃあ、行くか。」

「う、うん。」

応接室に通されると、そこにはモズの両親とモズの長兄夫婦、モズの妹さんがいた。

「突然お伺いしまして、申し訳ありません。王立学院では、モーズソグニル様にはお世話になっております。エグザリア王国、ランペイル辺境伯家が長女、ジョアン・ランペイルと申します。」

「よく来たね。息子から話は聞いているよ。大変だったようだね。まあ、座りなさい。」

と、大柄な顎髭のドゥリン公爵が座る様に促してくれた。私が座ると、公爵が他の家族を紹介してくれた。

公爵の右隣に座っている女性がモズのお母様の公爵夫人。左隣の細身でメガネの男性が嫡男でモズの長兄さん、その隣が長兄の奥様。そして、公爵夫人の横に座っている女の子が、モズの妹さんで9才のソバカスの可愛い子だった。

「モズが女性を連れてくるのは初めてだから、てっきり恋人かと思ったんだが……。違うのか……。」

と、メガネを上げながらいう長兄さん。

家族紹介を受けた後に、ツヴェルク国に来た理由ーーピグレート侯爵家のことは内緒ーーを話したことで、公爵以外が落胆したので何故か聞いたら、そんな理由だった。

「あー、なんか申し訳ありません。」

と、謝るしかない私。

「あらあら、こちらが勝手に思っていただけなのよ。貴女が謝る必要はないわ。」

と、公爵夫人。

「まあ、モズ兄様のような魔道具バカを好いてくれる方なんていないですわ。」

と、9才ながら辛辣な妹さん。

「ったく、俺のことはどうでもいいんだよ。で、父上、お願いした件どうでした?」

「ああ、大丈夫だ。明後日の昼に時間を頂いたよ。」

モズは、王宮勤めである公爵に私の用件を伝え、アポを取ってくれたようだった。

「ありがとうございます。」

*****

食事の後、お土産のお酒類とケーキを家令さんにお願いして出してもらった。

「「「「美味い!!」」」」

と、どぶろくを飲む男性陣。

「まぁ〜、なんて美味しいんでしょう。」

「ええ、飲み易いからいくらでも飲めそうですわ。」

と、カクテルを飲む公爵夫人と長兄夫人。

「こんな美味しいケーキ初めて食べたわ。」

と、満面な笑みの妹さん。

「ジョアン嬢、モズの恋人でないのなら俺の恋人にならないか?」

と、どぶろく片手に言うのは、先程帰宅したばかりのモズの次兄さん。

「おい!兄貴!!絡み酒になってるぞ。」

「いや、俺は酔ってはいない!!」

「それは、酔っ払いの常套句じゃないか。」

モズと次兄さんが言い合うと、公爵夫人がふふふっと笑いながら2人を見る。

「……2人とも、煩いわよ?わかるわよね?ねえ?」

「「……はい。」」

おお、ここでも夫人が最強だった。

まあ、奥様の方が強い方が家庭は上手くいくのかもしれないな。

「そういえば、ジョアン様?」

「は、はい。」

公爵夫人に話しかけられて、何もしていないのにドキッとしてしまった。

「ジョアン様は、ツヴェルク国のことはどこまでご存知かしら?明後日、謁見されるのであれば多少なりともこの国の歴史をわかっていた方が良いかも知れませんわ。宜しければ、明日、国立図書館へご案内さしあげますわよ。」

「宜しいのですか?であれば、ぜひお願いします。」

「ええ、もちろんですわ。……わかったわね?モズ?」

「は、はい!」

「ところで、先程から謁見とはどういうことですか?」

と、次兄さん。

「ああ、お前にはまだ話していなかったな。今回、ジョアン嬢がツヴェルク国に来たのは、エグザリア王国の王太后様からのご依頼によるものなんだよ。」

「エグザリア王国の王太后!?ジョアン嬢って、エグザリア王国の王子妃候補だったりするのかい?」

と、次兄さん。

「いえ、違いますよ。それに関しては幼少期に、決して婚約者に選ばないとお約束頂いておりますので。」

「「「「「「は?」」」」」」

公爵家ファミリーと家令さん、侍女長さんが口をあんぐりと開けて固まっている。

「ジョアン嬢、それは何故だい?王家に嫁ぐということは名誉なことだろう?もし、差し支えなければ理由を聞かせてくれるかね?」

公爵家からしたら、そんな良縁を最初から断ることが不思議でしょうがない。だから、理由を聞きたかった。

「王族なんて面倒でしかないじゃないですか。」

そんな理由に再び固まる公爵家。ただ1人、モズだけは小さく「ジョアンはそんな奴だよな」と呟いているけど。