軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

377.緊急招集

お父様が王城に報告し、翌日、関係者が緊急招集された。

ちなみに攻略対象者のタッグパートナーは、フレッド殿下にアルバート殿下、アラン兄様にリュークさん、ノア先輩にヴィー、ソウヤにリキ、エドにカリム、マッさんにザックだったが、ザック離脱で急遽コッシーに変更された。コッシーは色んな事にパニックになっていたが、今はしっかりと席に着いている。

「皆、ご苦労。件の男爵令嬢が動き出した。……先日、ランペイル家の従僕見習いを狙ったと思われる事件があった。幸いにも、従僕見習いの怪我は既に回復をしている。しかし、事件を起こしたのは王立学院内、下手すれば何の関係もない生徒達にも危害が及んだかも知れない。……宰相。」

「はい。併せて、アニア国第4王子のラムディール殿下、並びに護衛兼従僕のイデア殿の両名が行方不明となっている。このことは、外交問題にも繋がる事案であり、早急に解決せねばならない。既に、調査も行われているが……リバークス侯爵、その後の進展はどうだ?」

宰相様の言葉に、全員、リバークス侯爵に注目する。

「はい、我が公安隊にて調査を進行中です。現段階の報告によりますと……ブラン男爵及び男爵家の使用人の全てが、男爵令嬢の【魅了】にかかっている模様です。そして、先日のランペイル家の従僕見習いに対する襲撃は、男爵令嬢の指示で行われたことが判明。指示を受けた家令が襲撃後、実行犯に金銭授受したのを隊員が確認しております。また、ラムディール殿下に関しましては、行方不明になる前、先週末ですが、ある屋敷のお茶会に参加していることがわかりました。護衛兼従僕に関しましても、同じようにその屋敷へラムディール殿下と共に訪れたことが確認されております。しかし、その後消息不明となっている為、そのお茶会を開催した主催者の身辺をあらっております。」

と、リバークス侯爵が説明する。

「リバークス侯爵、件の男爵令嬢はどうしているんだ?」

と、アルバート殿下が聞く。

「普段通りに学院に通っている模様です。」

「普段通り?」

「はい、部下によると通常通りに授業を受け、授業後は予定がなければ寮に戻るという生活を。」

「では、そのお茶会を開いたと言う屋敷に向かってもいないのか?」

「はい。その様です。」

「どう言う事だ?では、ラムディール殿下の行方不明とは関係ないと?」

陛下の言葉に、周りはザワザワとする。

「では、公安隊はそのままラムディール殿下、イデア殿の捜索にあたる様に。次に、ランペイル辺境伯、そちらの情報は?」

宰相様の言葉に、全員お父様の方を見る。

「リバークス侯爵からの報告により、我が家の従僕見習いを襲撃した者はすでに捕縛しております。その者の話では、ブラン男爵家の家令に依頼されたと。依頼内容としては、ランペイル家にいる獣人に怪我を負わせる様にと。何故、学院内で襲撃したのか問うと、家令がその様に指示したと言うことです。」

「なるほど、して、その襲撃者は今どこに?」

と、宰相様。

「まだ、我が家におりますが?」

「……無事なのか?」

「……生きて は(・) おります。」

「速やかに騎士団へ引き渡すように。」

「……。」

「ランペイル辺境伯!」

「……承知しました!」

お父様と宰相様のやり取りに、私達は苦笑する。

お父様、そんな投げやりに「承知しました!」って……。

その顔、絶対、承知してないよね?

「しかし、なぜランペイル家の従僕見習いを攻撃したのだろうか?」

陛下の疑問にも納得だった。

「その点につきましても、未だ調査中です。」

と、リバークス侯爵。

攻略対象者が我が家にいるわけもないし、まして私が誰かの婚約者でもないのに。何で、バースとテトを狙ったの?

「もしかして……。」

「ジョアン嬢、何か知っているのか?」

私の呟きに反応したアルバート殿下が聞いてくる。

「あっ、いや、私の想像でしかありませんけど……。」

「構わん、申してみよ。」

陛下に促されて、私の考えを話す。

「ゲーム内では私、ランペイル辺境伯令嬢は地味デブメガネで、フレッド殿下の婚約者である公爵令嬢の取り巻きです。公爵令嬢の為に、ヒロインに対してありとあらゆる虐めを実行します。ですが、現実は、公爵令嬢のキャシーちゃんはアルバート殿下の婚約者で、私も地味だとは思いますが日々鍛練した結果デブでもメガネでもありません。それに接点もないため虐めをすることもありません。」

「そうだな。」

「ですが、ヒロインと思い込んでいる件の男爵令嬢は、ゲーム通りにいかないことに頭を悩ませているようです。それを、ゲーム通りにする為には、自分が虐められたら軌道修正が出来るのではないかと考えたのではないでしょうか?」

「では、虐めてこないジョアン嬢が自分を虐めてくるように、ランペイル家の従僕見習いを襲撃させたと?」

と、宰相様。

「はい、たぶん。虐めの口実を作るためにバースとテトを襲撃し、襲撃されたことで私を怒らせ、自分が虐められるようにしたのではと。だからこそ、あえて野次馬としてザックが倒れているのを笑いながら見て、それを誰かに目撃されるように行動したのではないかと私は思います。」

「確かに、通常であれば自分の屋敷の従僕見習いに手を出されたら、報復するだろうな。」

と、フレッド殿下。

「しかし、そこでジョアン嬢が行動したとしても、理由が報復であればゲーム内とは違うよね?」

と、ノア先輩。

「はい。冷静に考えれば、その通りです。でも、ゲームの軌道修正をしたいという焦りから、それに気付いていない可能性も……。」

「もし……もし、希望通りにジョアンが行動した場合、件の男爵令嬢はどう動く?」

と、ヴィー。

「きっと公爵令嬢の指示で、自分を虐めてくるんだと言いふらすのでは?」

「理由が報復だと言っても?」

「彼女にとっては理由なんて必要ないのかも知れない。虐められることが重要で。」

「じゃあ、言いふらしても何も得にはならないじゃないか。」

「でも、件の男爵令嬢の周囲の生徒や教師達も【魅了】になっていたら……。」

「……なるほど。その後、その者達が他でも言いふらしていたら、非がなくても非があるように捉えられるか。」

「うん。」