軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

373.共通点

しばらくして、リキとカリムと共にマッさんがやって来た。

「何か話があるってことだったけど?」

と、席についたマッさん。

「うん、あのさ、あの男爵令嬢と会ったりした?」

「あぁ、アレか。今日、話しかけられた。本屋を出た所で。」

「「「「「「あ〜。」」」」」」

「アイツ、人がようやく出来た時間を邪魔しやがって!!しかも、道のど真ん中でわけのわからない事を言いやがって、そのお陰で危うく研究所にギリギリだったよ。」

「わけわからない事って?」

「ん?あー、それな。最初、誰かを探している様子だったんけど、俺と目が合うと指をさしてきて、あーって叫んだと思ったら近づいて来て

「えーなんで?ボサボサ、ロン毛じゃないの?マヌエルって言ったら、本ばかり読んで不潔でガリガリで友達もいなくて分厚い眼鏡かけて……私がプロデュースして感謝されるはずだったのにぃ〜!!」

って地団駄踏んでたから、隙を見て逃げた。な?わけわからねーだろ?」

「「「「「「……。」」」」」」

「これは、あの時のだよな?」

「あー、間違いなくな。」

「「「「うんうん。」」」」

「ん?ソウヤ、リキなんだよ?皆んなまで頷いて。」

私達は気づいたが、マッさんだけわからない。

「マッさん。マッさんが、髪の毛切るようになったり、眼鏡をかけなくなったのは、どうしてだか覚えてる?」

と、ベル。

「そりゃあ、覚えてるよ。ミューラとジョアンに寮のテラスで髪切って貰って、眼鏡はジョアンのドライフルーツのお陰で視力回復したからだ。」

「じゃあさ、もしミューラもジョアンも手を貸さなかったらどうなってたと思う?」

と、カリム。

「どうって、まあ、髪なんて切らなくても支障ないし、伸びてただろうな。今は、定期的にミューラが切ってくれるから?」

「おい、そこで惚気るなよ。」

マッさんは、私のドライフルーツで視力回復をし、メガネ男子を卒業。そして、何かに没頭すると時間も何もかも忘れるマッさんの髪の毛やら体調を気遣っているうちに、ミューちゃんとお付き合いをする様になったらしい。それでなのか、わからないけど、いつのまにか一人称が《俺》になってた。

「マッさんはさー、何かに没頭すると時間忘れたり他のことどうでも良くなるだろ?」

と、エド。

「まあ、確かに……。」

「だから、もしミューラとジョアンがいなかったら、あの女が言うように、髪も切らなくて食事も風呂もとらない、本ばかり読んで不潔でガリガリで、友達もいなくて分厚い眼鏡かけてたんじゃねーの?しかも、ミューラに髪切るように言ったのって、ジョアンだったよな?」

と、リキ。

「あっ。」

「ようやく理解した?」

私が聞くと

「ああ、わかったよ。ってことは、ジョアンのお陰だな、ありがとう。」

「どう致しまして。って、言っても私はキッカケに過ぎないでしょ。マッさんを維持してるのは、ミューちゃんだろうから。」

と、言うと真っ赤になるマッさん。

「でも、これでわかったな。」

と、カリム。

「「「「「「何が?」」」」」」

「この3人は攻略対象者だけど、あの女が知っている人間像とは違ってる。しかも、共通して言えるのは、3人全員にジョアンが影響を与えているってこと。」

「俺は、ジョアンのお陰でばあちゃんが腰を患うことがなかった。」

と、ソウヤ。

「俺は、ジョアンのお陰でエルファ国の食糧難が緩和された。」

と、エド。

「俺は、ジョアンのお陰で、ミューラが髪の毛を切ってくれることになって、視力回復もできて、ミューラと付き合うことになった。」

と、マッさん。

「うん、最後は私のお陰じゃないから。」

「あっ……ごめん。」

話が終わり盗聴防止と認識阻害を解除する。マッさんは、またリキとカリムが魔術科寮に送って行った。

「「「「はぁ〜。」」」」

誰ともなく溜息をつく。

「これは、さすがに報告だよね?」

と、わたしが言うと

「まあな、さすがにな。」

と、ソウヤが両手を後頭部にまわし苦笑する。

私は、掌にペガサスを出すと、お願いねと呟いて文を飛ばす。それを見ていたエドが

「誰に飛ばしたんだ?」

「あー、王妃様。他の攻略対象者と飴ちゃんが出会う理由を聞きたくてーー」

「ジョアンちゃん!」

「「「「うわっ!!」」」」

ラフな格好の王妃様が急にテラスに転移していた。ラフと言っても、下位貴族が着るようなドレスだったが。

「あら?ごめんなさいね。」

「皆、悪い。母上が。」

驚いて気付かなかったが、後ろにはフレッド殿下がいた。

ちょうど、リキとカリムが戻ってきたところで、再び盗聴防止と認識阻害、それに加えて結界を展開する。そして、今までソウヤ達と話した内容と共通点を話した。

「なるほどね〜。その3人の共通点は間違いなく、ジョアンちゃんね。」

「それで、他の攻略対象者がヒロインに惹かれる理由を教えて貰いたいんですけど。」

「えーっと、フレッドの場合は、元々傲慢な性格で、派閥の争いからアルとの不仲、婚約者との不仲、アルの婚約者からの逆セクハラとかに嫌気が差して、授業をサボっていたところ昼休みになり大きな木の所でヒロインと会うのよ。そこで、悩みを打ち明けて惹かれ合うって感じかな?」

と、王妃様。

「じゃあ、私は関係ないですよね?」

「あら?関係あるじゃない。」

「へ?」

「だって派閥争いがなくなったのは、ジョアンちゃんが初めて王城に来た時に、フレッド付きの近衛の失態をアルに指摘した事で近衛を変えたんだし、その派閥ごと消えたのは奴隷事件。あの事件にいち早く気付いたのはジョアンちゃんでしょ。婚約者だって、元々アルがキャシーちゃんを見初めたからだけど、正式に婚約出来たのはあのお茶会でよ?それに、キャシーちゃんの考え方とかを変えたのは、ジョアンちゃん。ね?」

「うっ。確かに……。」

私が反論出来ずに、ガッカリ肩を落とすと、フレッド殿下が私の頭をポンポンする。

「ジョアン、お前のお陰だな。感謝する。」

「本当よー。ジョアンちゃんに初対面でズバッと苦言を呈してもらったお陰で、傲慢な子にならなかったんだから。」

「は、母上、そこまで言わずとも!」

と、顔を真っ赤にするフレッド殿下。

「あはは、そうですよね。あの当時、どうしようもないガキ大将でし……痛っ。」

「調子にのるな!」

「うふふ。本当、ガキ大将だったわね。」

「母上まで!」

「うふふふ。」

「「「「「「あははは。」」」」」