作品タイトル不明
288.誕生日パーティー①
パールと共に演習場に向かうと、皆んな笑顔で迎えてくれる。
いつも通りに家族だけだと思っていたのに、その中には、ここにいるはずもない兄様達、ベルやエリック様、ガンダルさんに、ニッキーさんもいた。
「えっ!?何で?」
『サプライズよ。』
どうやらパールも知っていて、知らなかったのは私だけ。
「さっ、主役も来たことだし、皆んなグラスを持ったか?良いかな?では……ジョアン、誕生日おめでとう!乾杯!」
「「「「「「「「「おめでとー!!」」」」」」」」」
「ありがとう、皆んな!」
「おめでとう、可愛いジョアン。」
「おめでとう、ジョアン。」
「ありがとう、お父様お母様。どうですか?」
プレゼントで貰った、ドレスを着ているのでその場でクルッと回ってみる。
「ええ、とても綺麗よ。」
「うんうん、綺麗だよ。そんな可愛いジョアンとは、あとで一緒にダンスだな。」
「えっ?ダンスですか?」
「あら?ジョアン、授業でもやっているんだもの大丈夫よね?」
「は、はい……。」
「「おめでとう、ジョアン。」」
「ありがとうお祖父様、お祖母様。プレゼントありがとうございます。とても履きやすいです。」
2人からのプレゼントは、今履いているヒールだ。普通のヒールよりも軽くて、とても歩きやすい。
「ジョアン、今度はドレスとヒールでも戦える術を教えますからね。」
「はい……。」
ドレスで戦う時があるの?怖いわ……。
「「おめでとう、ジョー。」」
「おめでとう、ジョアンちゃん。」
「ありがとう、ノエル兄様、ジーン兄様。エリック様も。3人共、いつ帰ってきたの?」
「さっきだよ、可愛い妹の為だからね。」
3人からのプレゼントは、ランタン、剣、本だった。
「ランタンは、僕からだよ。これは魔道具で、つけて寝ると安眠を得られるんだ。」
「ノエル兄様、ありがとう。大切にします。」
「俺からは剣だ。春から騎士科で使えるやつだ。俺がずっと使ってきたやつと同じのな。まあ、もし使いにくかったら買い替えてくれ。」
「ジーン兄様、ありがとう。使わせて貰います。」
「で、最後は俺から。これ、本に見えるけどノートなんだ。騎士科でも意外と座学が多いから使ってくれたら良いなぁ〜と思って。」
「エリック様、ありがとうございます。使わせて貰います。」
「「姉様、誕生日おめでとう。」」
「フウちゃん、ライちゃん、ありがとう。」
双子ちゃんからは、綺麗なガラスに入った液体。
「これね、僕が調合して、ライがビンを作ったんだ。」
「香水なの。」
2人のスキルは、フウゴが【調合】【アクア】【身体強化】。ライラが【加工】【ドライ】【隠密】。
「ありがとう、2人共大好きよ。」ギュッ。
シュッ。早速、使ってみた。フルーティーな良い匂いがする。
「これで、姉様もモテモテね。」
「えっ!?」
ライラの言っている意味がわからない。
「だって、姉様、全然彼氏作らないから。」
「そうよ。冒険も良いけど、もう14才だしね。見た目は完璧な令嬢なのに〜。」
「見た目は……。あー、なんか、ごめん。」
「この香水使えば大丈夫だよ。」
「この香水、ドーラちゃんの葉っぱとお花とフルーツとアクアの水で作ったの。」
「ドーラちゃんの葉っぱ……えーー!?」
マンドラゴラは、媚薬の元……。あとで、サーチしないと。私が言うのもアレだけど、規格外な8才児……。
「ジョアン、大丈夫?」
「……あっ、ベル。今日は、ありがとう。びっくりしたよ。」
「うふふ、誕生日おめでとう。これ、プレゼント。キャシーちゃんと私からね。一緒に選んだの。」
「ありがとう。開けても良い?」
開けると、 簪(かんざし) のような綺麗な髪飾りだった。
「うわぁ、綺麗。ありがとう。」
「これ凄いのよ。ほら、ここに毒が仕掛けられるの。キャシーちゃんと私もお揃いで仕立てたのよ。」
「毒……。」
「うん、キャシーちゃんがね、社交界にデビューしたら何があるかわからないって教えてくれてコレに決めたのよ。」
社交界に毒って……。怖っ!
「ジョアンちゃん、誕生日おめでとう。」
「おめでとう。」
「ジュリー姉様、ギル兄様、ありがとうございます。」
「これは、私達からよ。」
2人からは、バングルだった。
「これは、認識阻害と盗聴防止の機能がついてるのよ。バングルに付いている魔石を回すと発動するから。右に回せば認識阻害、左なら盗聴防止。両方なら押せばいいからね。」
「ありがとうございます。大切にします。」
「あら?香水つけた?」
「えっ?あっ、さっきフウゴとライラから……マンドラゴラの葉を使ったらしくて……。」
「「えっ!?」」
「す、凄いわ!フウちゃん!!今から、作り方聞いてお兄様に商業ギルドに申請させなくっちゃーー。」
「あっ、おい、ジュリー。」
2人とも使った私の心配じゃなくて、そっちなのー!?
「あれ?父上達は?」
「あー、フウゴの所に。」
「そっか。誕生日おめでとう、ジョアン。兄上と俺からな。」
「ありがとう、ヴィー。」
アラン兄様とヴィーからは、水色の石のついたピアスだった。
「あれ?この石って。」
「ああ、10才の誕生日の時に渡したペンダントと同じ魔石だ。今回は、何も付与してないけどな。」
「ありがとう、大切にするね。」
「ああ。俺もお礼はダンスで良いぞ。」
「な、何でそれを……。」
「クッククク。後でダンスするんだって、伯父上が皆んなに話してたぞ。クックク。」
「マジか……。」
「じゃあ、楽しみにしてるからな。」
お父様……。マジで勘弁。
ガックリと項垂れているところに、ニッキーさんとガンダルさんがやって来た。
「おめでとう、ジョアンちゃん。」
「おめでとう、お嬢。」
「ありがとう、ニッキーさん、ガンダルさん。」
「アタシからは、これね。袋に入っているのは下着よ。」
ニッキーさんから服と下着だった。
「ありがとう。でも、こんな所にいていいの?リリーさん、そろそろでしょ?」
ニッキーさんは、冒険者ギルドの受付嬢リリーさんと結婚し、そろそろ出産予定。出会いは、下着を作るようになってサイズを測ることになったが、さすがに女装して中身は男性のニッキーさんはリリーさんに泣きついて理由を話し、リリーさんにサイズを測ってもらい、そこからの縁で結婚まで至ったようだ。
「あー、アタシもそう思ったんだけど。ちゃんと行けって。」
「ありがとう。後で、ケーキお土産にするからリリーさんに渡して。」
「お嬢、これは俺からな。」
ガンダルさんは、綺麗に色付けされた小さな石像だった。それは、ペガサスが2体、フェンリルが1体、カーバンクルが1体、マンドラゴラが1体。つまり、私の契約獣の精巧なフィギュア。
「うわぁ、可愛い。ありがとう、ガンダルさん。飾らせてもらうね。」
「おう、お嬢のお陰で兄貴とも再会できたし、ジェネラルに来て良かったよ。」
その後、私兵団メンバーや使用人達にも色々貰って、皆んなでお腹いっぱいになるまで食べて楽しんだ。
あとは、湯浴みしてベッドにダイブするだけ。と、思っていたのに……。