軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

229.ビッグボアのお礼

ジャイアントスネークを仕留めた2人が、くるっと振り向いて

「もおー、いきなりどうしたのよ。」

『そうよ。あのまま、仕留めると思ったのに。』

「あーごめん。絞められてムカついて、勢いでイケるかと思ったんだけど、やっぱり無理だった。」

「『何が?』」

「……私、前世から爬虫類と両生類が苦手で。」

「爬虫類?」

『両生類?』

「えーっと、蛇とかカエルとか?あのヌメヌメした感じが気持ち悪くて……。」

「あー、そうなんだ。ジョアンは何でも大丈夫だと思った。何となくだけど。」

『うんうん。私も。』

「虫は大丈夫なんだけどね〜。」

「……そう言えば、さっき何を投げつけたの?」

「あー、ストレージにあった胡椒と唐辛子」

「『あーなるほど。』」

そんな話をしてしながらも、見ないように切り落とした頭を袋に詰めてストレージの中にしまっていく。

「討伐部位ゲット!あとは胴体の方だね。」

「スゴい大きいよ?どうするの?」

『食べれるかサーチしてから考えたら?』

「あっ、そうだね。【サーチ】」

[ジャイアントスネーク]

森林に住む、とても大きな蛇の魔物。

非常に力が強く、素早く獲物を絞め殺し、丸飲みにする。

材質:皮は弾力があり、装飾品にも加工可能。

身は、ぷりっぷりで弾力がある。

脂は程良くのっている。

食用:もちろん可。

この大きさなら200人前ぐらいかな。

焼いても蒸しても美味しい。

食べ方:鰻と同じ。

蒲焼、白焼き、串焼き、鰻巻きetc

補足:ランペイル領のウエストウッズ産。

鰻きたーー!!

これは、是非とも食べたい!関東風で蒸してからの焼きもいいけど、関西風の初めから焼くのも捨てがたい……。

が、しかーし、この大きさなら色々な食べ方出来るじゃない!

最高だよ、ジャイアントスネーク!!

「ふっふふふ……。」

「……パールちゃん、ジョアンが1人で笑ってるよ。」

『あ〜、料理のこと考えるとたまにあーなるよ。』

「そうなんだ……。」

『……ジョアン?そろそろ、1人で笑うの止めなさいよ。ベルが不安がってるから。どーせ、その感じだと食べられるのね?』

「えっ!?食べれるの?」

「うん!!しかも、凄く美味い!!」

「へぇ〜。」

『じゃあ、早いところしまって、ビッグボアに言いに行きましょう。でも、どうするの?』

「何が?」

『依頼はビッグボアの討伐でしょ?不達成になるわ。』

「「あっ……。」」

『ジョアンはともかく、ベルまで忘れないで。』

「私はともかくって……。まあ、良いけど。依頼者に相談したらどうかな?ダメかな?」

「ん〜こんなことないからわからない。」

『ともかく、ビッグボアの所に戻りましょう。』

ビッグボア親子の元へ戻り、ジャイアントスネークの討伐完了を報告するとママボアが頭を上下に振る。どうやらお礼をしているらしい。

「じゃあ、早いところ森の奥に戻って。こんなところ誰かに見られたら、依頼を完了しないといけなくなる。」

パールがママボアに説明すると、パールが驚いている。

「パール?どうしたの?」

『ビッグボアが討伐部位の角を折ってくれて構わないって……。』

「えー、だってそんなことしたら魔法使えなくなって困るんじゃないの?」

『でも、自分達を救ってくれたからお礼をしたいって。それに、不達成になって迷惑をかけたくないって。』

「ママさん……。じゃあ、わかった。でも、角折っても死ぬことない?」

『大丈夫よ。魔力が集まらなくなるだけだから。』

「なら、良かった。……どうやって折ろう。剣でいけるもの?」

「いや、無理じゃないかな?」

『じゃあ、私がやるわ。』ビガーーーンッ。

地響きするぐらいの大きな音がして、驚き目を瞑る。再び目を開けると、そこには、角の折れたママボア。そして足元には大きな角が落ちていた。

「「えっ?」」

『はい、これで達成報告できるわね。』

「「う、うん……。」」

パールってば、時々誰よりも男らしいわ。

あの潔さと仕事の速さはリスペクトするわ。

その後、ビッグボア親子は何度も振り返りながら森の奥に戻って行った。

立派な角をストレージに収納し、共同依頼者のマックさん達甘露芋農家の皆んなに討伐部位を見せて完了報告をする。

「ジョアン様とこちらのお嬢さんで討伐したんですかい?」

「えーっと、この子、パールも一緒ですよ。」

「にしても、相変わらず強さも規格外ですね〜。」

「まあ、ジョアン様だからなー。」

「「「「「そうだな。ジョアン様だから。」」」」」

「「『……。』」」

解せぬ……。

でも、ママボアのことバレなくて良かった〜。

報告を終えて、街へ戻ろうとすると

『ジョアンを呼んでる。ビッグボアが。』

「「は!?」」

『森の入り口で。行ってみる?』

「うん。どうしたんだろ?」

パールに乗せられて森の入り口まで行くと、パールの言う通り先程のビッグボア親子がいた。

「どうしたの?」

『ジョアンに渡したい物があるって。』

渡したいものがあると言われ、ビッグボア親子の方を見る。親子の足元を見ると、素敵なものが置いてる。

「こ、これってタケノコ!?マジかー!いいの?こんなにもらっちゃって?」

「タケノコ?これって、タケシュートじゃないの?食べられるものじゃないよね?渋くて。」

「何いってるの、ベル?春と言えばタケノコだよ〜。渋いのはちゃんと灰汁を抜いてないからだよ。美味しいんだよー。ありがとう、ママさん!」

テンションが上がり、ママボアに抱きつくと。

ーーこんなに喜んで貰えるなんて嬉しいわ〜。

「だって、春といったらコレでしょ!」

ーーそうなの!コレ食べると春が来たなーって思うわよね。……まさか、人の子に助けられて、食べ物の意見も合うなんてね〜。わからないものね。

「本当だね〜。でも、これからは森の奥で仲良く暮らしてね。もう人里に来ちゃダメだよ。」

ーーええ、もちろんよ。ありがとう、人の子。

ストレージにタケノコ……タケシュートを入れていく。数えながら入れていると、なんと20個。途中からニヤニヤ笑っていたらしく、ベルとパールが若干引いていたのなんか気にしない。