作品タイトル不明
210.フレンドリーに
キャサリーヌともっと仲良くなる為に、ジョアンはダメ元で聞いてみる。
「あの〜キャサリーヌ様?」
「何かしら?」
「仲良くなる為にキャサリーヌ様のことも、もっとフレンドリーに呼びたいんですけど……ダメですか?」
「えっ?私のことを?」
「はい、私的にお互いに様付けなしや愛称で呼ぶことから、仲良くなれるかな?って思うんですけど。例えば、ご家族にはなんて呼ばれてるんですか?」
「家族からは……キャシーと……。」
「キャシー……可愛い!キャサリーヌ様にピッタリですね。」
「えっ?あ、ありがとう。」
「私も呼んではいけませんか?あっ、でもそのままキャシーだとご家族とかご婚約者様に申し訳ないないんで、キャシーちゃんではどうですか?あと、敬語も少しで。」
「キャシーちゃん?……まあ、いいですけど……。」
「やったーー!ありがとう、キャシーちゃん。」
「……どういたしまして。これで仲良くなれるかしら?ジョアン?」
「はい!」
「ところで……私、まだ婚約してないわ。ジョアンはいらっしゃ……じゃなくて、いるの?婚約者。」
「えっ?そうなの?私はいないよ。我が家は、代々恋愛結婚みたいなので政略結婚はないですねー。2人の兄もいないし。」
「そう。良いわね……。」
「キャシーちゃんの婚約者候補とかいないの?」
「いることはいるんだけど……中々会う機会がなくて……。」
「会う機会なんて自分で作れば良いのに。」
「でも、相手に申し訳ないのではと考えてしまって……。」
んー、悩んでるキャシーちゃんも可愛い〜。
って言うか、公爵家の婚約者ってもしかして……王族だったりしちゃう?だとすると、年齢層的には フレッド(ガキ大将) かな?
「えーっと、その婚約者って……もしかして……。」
「アルバート殿下ですわ。」
そっちかーーー!ってか、あの腹黒殿下婚約者いなかったの?
えー、腹黒殿下にキャシーちゃんは勿体ない気がするけど……。公爵家のご令嬢だし、身分的にはピッタリだよねー。
「ジョアン?どうしました?」
「あー、ちょっと考え事を……。で、腹ぐ……アルバート殿下と婚約してたなんて知らなかった。」
「婚約者ではなく、まだ婚約者候補だからですわ。」
「えーそうなの?その候補って他にもいるの?」
「ええ、というかてっきりジョアンも候補だと思ってたわ。」
「いやいやいや、私じゃないない。」
頭をブンブンと横に振る。
「そ、そこまで嫌なの?」
「嫌ですねー。でも、王妃様にお願いして候補からは外して貰ってるので大丈夫。」
「えっ?王妃様に?……ジョアンは、王妃様と仲が良いの?」
「仲良いですよ。たまにお茶するし。」
「どうして?そんなに仲良くなれるの?」
「えーっと、父が陛下と宰相様と同級生だったのもあって、小さい頃から良くしてもらってますね。」
「あー、そういうこと……。その時、アルバート殿下もいらしたりするのかしら?」
「んー、学院にいる時はいませんけど、夏休みとかはいましたねー。」
「そう……。良いわね。」
「あー、でも公務とかでいない方が多かったよ?ガ……フレッド殿下はちょくちょくいましたけど。呼んでもいないのに……。」
「えっ?ごめんなさい、最後の方聞こえなかったのだけど。」
「あー、大丈夫。大した事じゃないから。」
「ねえ?ジョアン。」
「なーに?キャシーちゃん。」
「今度……あっ、やっぱり良いわ。」
「えっ?なになに?」
「えーっと……今度……また一緒にお茶してくれる?」
「もちろん!!今度はお付きのメイドさんもぜひ!!」
「えっ?ウチのメイドも?」
「はい。お互いのメイド同士も仲良くなったら良いかな?と思って。」
「確かに……でも、良いのかしら?」
「もちろん、でもメイドさんも一緒のテーブルでお茶は嫌?」
「えっ?ジョアンは一緒のテーブルなの?」
「うん。だって皆んなでお茶した方が楽しいじゃない。だから、我が家ではよく皆んなでBBQしますよ?BBQは、外で焚き火を囲んで肉焼いたりして食べることなんですけどね。」
「皆んなとは、家族だけじゃなく使用人たちも?」
「はい、使用人も私兵団もみーんな家族ですよ。だって、その人たちがいるから私はいるんだもの。皆んなに感謝ですよ。」
「皆んなに感謝……。」
「そうですよ。楽しいですよ、皆んなと食事するの。まあ、公爵家では難しいかも知れませんけど……でも、感謝を伝えたりちょっとしたプレゼントしたり、貴族だからやってもらって当たり前って思うのは、絶対ダメですよ。だって、自分が逆の立場なら当たり前と思っている主人よりは、感謝してくれる主人の方が働いていても気持ち良いじゃないですか。」
「……そうね。当たり前なんて思っていたらダメよね。」
「はい。……あっ、じゃあコレをどうぞ。」
カバンーーの中に展開したストレージーーから、クッキーとパウンドケーキを取り出す。
「コレは?」
「私が作った、紅茶のクッキーとドライフルーツのパウンドケーキです。ウチのメイド達のお気に入りです。」
「ドライフルーツ?」
「あー、えーっと、フルーツを乾燥させたモノです。乾燥させる事で、味や栄養が凝縮されるんです。……コレです。コレはミランジのドライフルーツなんですけど。食べてみて下さい。」
モグッ。「ん?美味しい……てっきり乾燥というからカラカラだと思っていたのに、しっとりと水分があって味が生より濃いわ。」
「パウンドケーキにはブレープとピーナップル、ミランジ、アプリコッズが入ってます。ぜひ、メイドさんと一緒に食べて下さい。」
「ええ、そうするわ。感謝伝えないとね。」
キャシーちゃんは、暗い顔で訪ねて来た時とは打って変わって晴れやかな笑顔で帰って行った。
*****
トントントン。
「あ、あの、ジョアン様キャサリーヌ様お付きのメイドが来てます。何をしたんですかー!?」
「は?メイドさん?なんで?な、何もしてないよー。」
「ともかく、中に通しますよ?」
「う、うん。」
えーっ!?何?クレーム?
私がキャシーちゃん呼びしたから?
何、なに?なんでーー?