軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

181.大事なモノ

自室に戻って、ベッドに寝転ぶ。

「下拵えしたし明日は餅つき………あーーっ!!大事な事忘れてた。」

私は思い出した。ここに餅つき機も杵も臼もないことを……。

「餅つき機はあるわけないとして、杵と臼ってあるのかな?」

『杵と臼って何?』

「えっと、餅米は蒸して潰すんだけど、潰す道具なの。」

『じゃあ、それないと出来ない?』

「う〜ん、杵は最悪麺棒でも良いとして、臼は欲しいな〜。ボウルじゃあ少量ずつしか出来ないし……。」

『作れないの?』

「あっ、確かに。ナイス!パール。そうだよ、作れば良いんだ。木製だから……ダニエルさんの所だ。レッツゴー!」

『イェーイ!お出掛けゴーゴーゴー!!』

でも、さすがに勝手に行くことは出来ないので許可はちゃんと取って来た。

*****

「こんにちは〜。」

「はーい。……あれ?ジョアン様?」

「お久しぶりです。ダニエルさん。」

木工工房のダニエルさん。ノエル兄様と同級生で、私兵団 jr.のガンさんの上のお兄さん。

「しばらく会わないうちに、大きくなりましたね。」

「はい、この前10才になりました。」

「はぁー、早いもんですね。もう、春には入学ですか。あっ、で、今日はどうしました?」

「はい、ちょっとお願いがあって……。」

「じゃあ、住居の方へ。親父と弟たちはいないですけど、お袋が喜びますよ。」

「ありがとうございます。あっ、この子もいいですか?パールって言います。」

「はい、大丈夫ですよ。可愛いな〜モフモフ……。最高だよぉ……。」

「うふふっ、後で触ってみます?」

「えっ?良いんですか?でも……この子が嫌がるようことは、したくないですけど……触れるなら……でも……。」

ダニエルさんはモフモフ好きらしく、色々と葛藤しながら案内してくれる。どことなくパールも嬉しそう。

「まあ、まあ、ジョアンちゃん。大きくなって、更に可愛くなったんじゃない?」

「ありがとうございます、グレイスさん。お久しぶりです。」

「で、どうしたんです?」

実は…と餅のことから、それを作るためには臼と杵が必要なこと、口では説明しにくい形のことはイラストにして説明した。

「へぇ〜、そんな食べ物があるんだねー。初めて聞いたよ。」

「 東(あずま) の国の食べ物ですからね。あっ……食べます?はい、どうぞ。」

「「えっ?」」

どうぞと小さな手を広げた上に、皿に乗った食べ物が出てきた。

「どこから出したんです?」

「あっ、最近、ストレージの中の物をイメージすると出せるようになりました。」

「はぁー、相変わらず規格外なんですね。ジョアン様。」

「美味い!」「美味しいわ!」

「お口に合ったようで良かったです。」

「で、コレを作るにはさっきジョアンちゃんが説明した物が必要なんだな?」

「はい!作ってもらえますか?」

「ああ、ちょうど急ぎのやつもないから。明日までにはできると思うよ。できたら届けるよ。」

「わぁー、ありがとうございます。草餅できたら持って来ますね。」

「あら、それは楽しみね。ほら、ダニエル、急ぎなさいよ!」

「母さん……。わかったよ。」

木工工房で2人に別れを告げて、ジョウ商会へと向かう。

ケイトとグレックにお礼を言うために。

*****

「こんにちは〜。」

「あら?ジョアン様。今日はお一人ですか?」

「はい。ちょっと木工工房に行った帰りです。あっ、昨日はありがとうございました。」

「えっ?いえいえ、私達は人数合わせですよ。姉のように強くもありませんし。」

「そうなんですか?」

「はい、私も主人もランペイルギルドの冒険者登録はしてますけど…。ねぇ?」

「ああ、2人とも戦うことが得意ではないからなぁ〜。結局、2人ともランクB止まりだしな。」

ケイトさんもグレックさんも、強くはないと言いながらここのランクBなら、十分強いと思うけど……。

でも、ケイトさんのご両親とお姉さんが強すぎるからねぇ〜。

「そうそう、ジョアン様にご相談があったんです。」

「相談?」

「はい。今、商会ではこの時期は紅茶とハチミツリモンを出してます。でも、先日冒険者の方から他の温かい飲み物はないか尋ねられたんです。」

「ん〜温かい飲み物……。ちなみに冒険者だとタンブラーを持っているわけじゃないですよね?」

「はい。その時はテラスでイートイン用のカップで飲んでいました。」

「イートインならスープとかでも良いんですかね?」

「あー、確かにそうですね。」

「それだと……ションガー入りの豚汁とかなら温まるし小腹も満たされるかも。それにパンやおにぎりを付けたセット販売とか?もしくは、日替わりのスープとして毎日違うスープーーー」

「「それ良い!!」」

ジョアンの提案途中で、ケイトもグレックも乗り気になり声をあげる。

「えーっと……まずはお母様に聞いてみますね。もし大丈夫なら、連絡します。」

「「はい。ぜひ!お願いします!!」」

今、商会で販売しているのはストレッチ編みのヘアゴム、ランチバッグ、野菜の皮染めの小物、メーガン作成の服飾品などの雑貨系。クッキー、パウンドケーキ、食べ歩き出来る甘露芋のコロッケ、スポーツドリンク、ハチミツリモンの食品系。

「でも、これ以上品数増えたら2人では、大変じゃないですか?そろそろ、ケイトさんのお腹も目立ってきましたし……。何ヶ月ですか?」

「今、7ヶ月ぐらいです。」

「じゃあ、人員のこともお母様に相談しないとですね。」

「はい。人員のことまでジョアン様にお願いするなんて、本当申し訳ありません。」

「気にしないで、今はお腹の子が大事なんですから。」

「「ありがとうございます。」」

その後、お母様に相談した結果……。

日替わりのスープの許可は出たけど、パンやおにぎりはダメだと。パンはパン屋さんの売上を取るわけにはいかないし、おにぎりに至っては、まだお米の供給が回っていないと言う理由からだった。だから、おにぎりは諦めてパンはパン屋さんから、商会に卸してもらうことにしてセット販売が決まった。

そして従業員については、なんとガンさんとマーティンさんのお母さん、グレイスさんとミシェルさんが引き受けてくれた。

先輩ママさんとしても、ケイトさんにアドバイスをしてくれたりするので、とても助かっているとグレックさんも言っていた。