作品タイトル不明
172.報告
あれからお屋敷に戻り、ランクEを取ったことを報告した。
ジーン兄様とヴィー以外、とても喜んでくれた。
ジーン兄様は
「本当に登録の試験で、ランクE取ったのか……。マジかよ。」
ヴィーは
「マジで!?俺、最近依頼受けてなくてD止まりだ……。ヤベェ、帰ったらギルド行かねーと。」
「そう言えば、ヴィーって王都ギルド所属なの?」
「は?まさか。あんなところでは登録しねーよ。俺は、ロンゲストギルドだ。ほら。」
と、プレートを見せてくれた。そのプレートには、レイピアのマークとその下に『ロンゲスト』と刻印されていた。ちなみに、私のプレートにはクロスした双剣のマークと『ランペイル』という刻印だ。
「あ〜ですよね〜。いや、念のために聞いただけ。」
「よし!ジョー、明日依頼受けに行こうぜ。どっちみち、初依頼は上のランクの人間と行かねーと駄目だから。」
「えっ!?そうなんですか?」
「登録の時、受付で説明受けたんだろ?」
「あー、ちょっと色々ありまして……受付で登録してません。」
「「「「「「「「「は???」」」」」」」」」
「どういうことだい?ジョアン。ちゃんと説明しなさい。」
お父様に聞かれて、冒険者ギルドでの出来事を最初から全て話した。
嘘ついても、きっとどこかでバレるだろうし……。
都合の悪いことほど、早めに言っておかないとね……。
「「「「「「はぁ〜。」」」」」」
「すごいね、ジョーは。僕なら一旦帰ってくるよ。」
「「ぶっふぁははははーーー。」」
「「………。」」
大人達はため息をつき、ノエル兄様は何かに感心して、ジーン兄様とヴィーは大爆笑。怖いのはグレイとナンシーの目が据わってること……。
「で、でも、ランペイルギルドっぽく実力主義で認定されたからーーー」
「ジョアン……そういう時は、一度戻ってきて相談しなさい。受付嬢に怪我がなかったから良かったものの……。」
「はい。ごめんなさい。お父様。」
「あら?ジョアンは悪くないでしょう?」
「えっ!?母上?」
「あら?だって、年齢を申告しているにも関わらずジュースを飲ませて帰らせようとしたのよ?それに、ジョアンがキラービーごときを外すわけないじゃない。誰が教えていると思っているの?」
「いや、でもですね……その受付嬢は、ジョアンが小さいから危ないと思って、良かれと思いそうしたのではーー」
「じゃあ、ハーフリングやドワーフの方も小さいわよね?年齢が私たちより上でも。その方たちもジュースを飲ませて帰らせるのかしら?実力主義だと謳っている冒険者ギルドなのに?」
「……。」
「スタンリー、諦めろ。リンジーの言ってることは正しい。聞けば、ギルマスまで小さいから無理だと決めつけたというではないか。」
「いや、しかし父上。モーガンにもきっと考えがーーー」
「モーガンでしょ?あの子に考えがあるわけないじゃない?鼻を垂らしてるぐらいよ?」
「いや、鼻を垂らしていたのは子供の時で……。あいつも今はちゃんとギルマスの仕事をーー」
「ちゃんとしている仕事をしてないから、こんなことになっているのでしょう?……ちょっと、私街に用があることを思い出したわ。ナンシー付き合ってくれる?」
「もちろんです。大奥様。」
「は、母上、あのいきなり行くのは……先触れなどは?」
「先触れなんて出したら、あの子逃げようとするでしょ?」
そう言って、お祖母様とナンシーはリビングを出て行った。
「ああ〜。マズイぞ……血の雨が降る。」
「あなた、もう遅いわよ。元々、ギルドの対応が悪いんだからしょうがないわ。」
「そうですよ、お兄様。お母様が行かなかったら、私が行ってましたし。」
「えっ!?ジュリーそれは……。」
「お話し中失礼します。まず旦那様とギルバート様以外は、ギルドに対して物申したいことがあるわけです。お嬢様を蔑ろにしようとしていたんですからね。しかも……梨の子だなんて……。ご安心下さい。この借りはきっちり大奥様とナンシーが返してくれますよ。」
「……グレイ。もしかして、お前も……。」
「ええ、私も何なら一緒にギルドに行きたいと思ってますよ。でも、ここは大奥様とナンシーに譲りましょう。……私は、のちほどモーガンと久々に旧知の仲を深めたいと思います。」
「グレイ……。」
「ノエル兄様、ハーフリングとドワーフの方っているんですか?」
「えっ?ジョアンが気にするの、そこ?」
「えっ?だって私は事実を伝えただけですし、誰がお祖母様とナンシーを止められます?」
「まぁ〜、確かにね。……で、ハーフリングとドワーフはいるよ。ウチの領にはいないけど。僕の同級生にもいるし。」
「へぇ〜、私の同級生にもいると良いなぁ〜。」
「あははは。そうだね、いたら良いね。」
「なぁ、ジョアン。さっき話した暗器見せてくれよ。」
「クナイのこと?はい。」
「「「えっ!?」」」
「ん?」
「ジョー、今どこから出した?」
「えっ?ストレージからですよ?」
「でも、ストレージから探す素振りなかっただろ?」
「あー、なんか、最近ストレージ内の物イメージするだけで取り出せるようになりました。」
「「「は?」」」
「便利ですよね〜。収納も……ほら。あっという間で。」
「ジョー、それで試験の時にジャッカルさんに勝ったのか?」
「はい。何かダメでした?」
「ううん、ダメじゃないよ〜。すごいね、ジョーは。」
ノエル兄様が頭を撫でてくれる。
「えへへへ。」
「兄上……。」「ノエル兄……。」
ガチャと扉の開く後に、みんな視線を移すと双子ちゃんがひょっこりと顔を出す。
「「お話終わりましたか〜?」」
「おお、終わったぞ。おいで、2人でとー様を癒やしておくれ。」
とお父様が言う。
それを聞いて双子ちゃんは、ニッコリ笑って
「「兄様〜。姉様〜。遊んで下さ〜い。」」
と私たちの方へ走ってくる。
「フーゴ……ライラ……。」
お父様がとても悲しそうな顔をしてる。
「フーちゃん、ライちゃん、お父様が呼んでるよ?」
「「でも、とー様、ばあば様怒らせたでしょ?ばあば様、ぷんぷんしてたよ?でね、ちょっとだけ、とー様の所行かないでって。とー様、何したの?」」
と首を傾げる双子ちゃん。
「「「「「「「「「……。」」」」」」」」」
「ぶふっ……。」
双子ちゃんの言葉に、誰も何も言えないわ。
グレイは我慢が出来なくて吹き出してるけど……。