軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

169.冒険者ギルドに行こう

やって来ました、ランペイル冒険者ギルド。

お父様やお兄様が付いてこようとしたけれど、それで優遇されるのが嫌で断った。だから、私の付き添いは成犬サイズのパールだけ。

冒険者ギルドはどこにでもある。エグザリア王国には全ての領に設置され、人口の多い王都には3カ所もある。冒険者になるにはどこかのギルドを訪ね、冒険者になり依頼をこなせる実力があるかテストされる。認定されプレートを発行してもらわないと冒険者としての活動できない。

ただプレートをどこで発行してもらうかは重要だ。もちろん自分の住む土地のギルドに入るのが一番だけど、ギルド自体の運営計画もレベルも様々。ギルドによっては貴族の箔付のために金銭でプレートの発行やレベルアップができる。それは、もちろん暗黙の了解で、王都のギルドでよく横行している。

でも、プレートにはギルドのマークが入る。

王都のギルドで登録すると、自分が一生懸命手に入れたプレートとお金でプレートを買う人間と一緒にされてしまう。……最悪だ。

そして、それとは逆に誰もが恐れるプレートを発行しているのが、ここのランペイルギルド。実力主義で、他のギルドよりも桁違いでレベルが高い。

冒険者ギルドのスイングドアを開けると、午前中ということもあり中は混雑していた。登録するには受付カウンターに行くことは聞いていた。このまま、真っ直ぐいけばカウンターなのは列が出来ているのでわかった。開いているカウンターは2つ、どちらも10人ずつぐらい並んでいたので、一旦ぐるっと見て回る。

カウンターに向かって左側の壁には、討伐、狩猟、採取など種類別に依頼ボードがあった。反対に右側には上に向かう階段があり、その階段の右側には酒場が併設されていた。酒場の方は午前中にも関わらず、多くの人たちが飲んだり食べたりしていた。中には、絵に描いたような悪役顔が。スキンヘッドに眉無し、眼帯やら、頰にギザギザの傷ありや三白眼やら

……。ふふふっ、いかにも冒険者だわ。

カウンターの方を見ると列が短くなっていたので、列の最後尾に並ぶ。しばらく待って、ようやく私の番になった。

「はい、次の人〜。……ん?あれ?」

カウンターが高くて、受付のお姉さんは私のことが見えない。

「はーい、こっこでーす。」

と、手を振るとお姉さんが気づいてカウンターに身を乗り出す。

「えっ?お嬢ちゃん、ダメよここは。危ない所なのよ、怖〜い人もいっぱいいるんだから。お父さんかお母さんは?」

受付のお姉さんは20代前半で赤茶色のふわふわのセミロング。橙色の目は驚きでまん丸になってる。

「おはようございます。私、冒険者登録したくて来ました。親はついて来てません。」

やっとランペイル領だけは、1人で歩いても良くなった。1人と言ってもパールを連れて行くことが条件だけど……。

「冒険者?お嬢ちゃんが?えっと……もうちょっと大きくなって来ましょうか?大丈夫、ギルドは逃げないわよ。」

そりゃ、通常の10才よりは少しだけ身長が低いかもしれないけど……でも、少しだけよ!

「あの、私これでも10才です!ギルドの最低加入年齢はクリアしてます。」

「ん〜とね、そういうことじゃなくて……。このギルド、とーっても大きくて強い人と戦わないとプレートもらえないのよ。だからお嬢ちゃんには無理かなぁ〜?」

ん〜、このお姉さんじゃあ埒があかないわ……。

私は、首を傾げながらニコッと笑うと

「ギルドマスター出して?」

「お嬢ちゃんの相手は私で十分よ。さあ、あっちでジュース奢ってあげるから、もっと大きくなってから来てね〜。」

カウンターを他の人にお願いし、そのお姉さんが出てきた。ここで待っててと、酒場の方にジュースを取りに行った。

「パール、どうしようか?」

『ん〜、私が大きくなって吠える?』

「それは、止めとこうか?……やっぱり、実力見せるしかないよねぇ〜。」

お姉さんがジュースを持って戻ってきた。

私は腰に装備しているクナイを素早く取り出し、お姉さんの方に向かって投げる。クナイはお姉さんの横をすり抜け、後ろに刺さる。お姉さんは、ジュースの入った木のカップを持ちながら床にへたり込む。

「おい!!危ねーだろうが!!子供だからって、容赦しねーぞ!!」

私の行動を見ていたスキンヘッドが怒鳴り、私の方に近寄って来る。もう少しで私を掴もうとしたとこで、眼帯の人が声をあげる。

「待て!ジャッカル。コレを見ろ!」

「ああん?なんだよ!それがどうしたんだ。危ねーことには変わりねーだろうが!!」

「いいから、この暗器が刺さってる所をよく見ろ!」

「だから、なんだっていうんだ……あ?……キラービー?」

「ああ、あの位置に投げたってことはリリーが刺されそうになってたってことだろ……。」

「……マジか。」

スキンヘッドさんと眼帯さんがシンクロでこちらをゆっくりと見るので、ニコッと笑ってみる。

そこへ、2階から大きな声で

「なんだ?何の騒ぎだ?……ん?お前か?ジャッカル。」

「あっ、ギルマス。いや、俺じゃねーっすよ。この……。」

スキンヘッドさんは私を指さす。

「おはようございます。ギルドマスターさんですか?私、冒険者登録をしたくて来ました!」

「ああん?そんなにちっこいのにか?無理だろ。……で、さっきの騒ぎは何だったんだ、ジャッカル。」

「あ、あの、そこの子供がリリーに向かって暗器を投げたんで怒鳴ったんすけど……ちょっとギルマス、コレを見てくれよ。」

「あ?なんだ?……ん?キラービーだと?」

バッとこちらを見るギルマス。

あの〜皆さん?お姉さんがへたり込んだままですけど?誰か助けてあげなくて良いのかな〜。